「交錯恋愛30」の続きです(´ω`)
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俺は小さく深呼吸をした。気を引き閉めるためだ。
..今日はひさしぶりのバイトの日である。
「...よし」
店先の裏口のドアノブに手をかけ、力を入れた瞬間。
扉が内側から開いた。
「きゃっ...」
「おっ..アメリア」
ひさしぶりのアメリアは、オレを見て目を見開いた。
「ゼルガディスさんっ!お久しぶりです!!」
ぱっと表情を明るくさせるアメリアに、思わず『可愛い』などと思ってしまう。
...なんだこの反応は。
「..ああ、ひさしぶりだな」
「ゼルガディスさんいない間大変だったんですよ~!私先にホール入ってますから早く来てくださいねっ」
「お、おう」
なんだか知らんが大変だったようだ。...相変わらず元気だな。
とりあえず着替えに向かうことにする。
かちゃり、とロッカールームのドアを開けると、そこには先客がいた。
「あ」
見知らぬ男は俺を見て立ち上がる。
「貴方が噂のゼルガディスさんですね?」
「...はぁ」
男はむやみに爽やかな笑顔で、握手を求めてきた。
「先週から入ったばかりの、アルフレッドです。よろしく」
「..あぁ、どうも」
とりあえず握手を交わす。
...敬語で笑顔か。奴を連想させるからあまり好かん。
まぁ、敬語でむやみに愛想の良い男なんてどこにでもいるだろうが。
「ああ、そう言えば」
ふと、思い出したようにアルフレッドはにこりと笑った。
「僕はアメリアと又従兄弟にあたるんですよ」
「...へぇ」
少し驚いて、服を着替える手を止めた。
「最近久しぶりに再開したばかりなんですけど、彼女、すっかり美人になってて驚きました」
「....」
──なぜそれを今俺に言うんだ?
「アメリア、ゼルガディスさんが来てなかった間、貴方の話ばかりしてましたよ」
少しだけ、笑顔に鋭いものが混じる。
「...」
「仲が良いんですね」
ふふ、と笑うとアルフレッドはロッカールームを出ていった。
ばたん、と閉まったドアに向かって小さくため息をついた。
「..分かりやすい嫉妬だな」
だが、彼は大事な所を解っていない。
アメリアにはガウリイがいるのだ。
..精神的な面で、多分アイツには勝てないだろう。
教えてやるべきか、放っておくべきか。
「やれやれ...」
とにかく今の会話で分かった事は、やっぱり俺はアルフレッドを好かん、という事だ。
自分用のエプロンの紐を結びつつ、俺はガウリイの事を考えた。
...あいつは良い奴だ。抜けてるが、度量は大きい。
そして、俺はあの男には勝てない気がする。なんとなくだが。
...ん?何に対して勝てないんだ?
いや、まぁそんなことはどうでもいい。
とにかく早くホールに行かなければ。
...アメリアに怒られるかもしれん。
俺はなんだか良く解らない焦燥にかられつつ、頭を掻きながらロッカールームを後にしたのだった。
続く
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じ、次回に続く...お腹痛い(>_<)
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俺は小さく深呼吸をした。気を引き閉めるためだ。
..今日はひさしぶりのバイトの日である。
「...よし」
店先の裏口のドアノブに手をかけ、力を入れた瞬間。
扉が内側から開いた。
「きゃっ...」
「おっ..アメリア」
ひさしぶりのアメリアは、オレを見て目を見開いた。
「ゼルガディスさんっ!お久しぶりです!!」
ぱっと表情を明るくさせるアメリアに、思わず『可愛い』などと思ってしまう。
...なんだこの反応は。
「..ああ、ひさしぶりだな」
「ゼルガディスさんいない間大変だったんですよ~!私先にホール入ってますから早く来てくださいねっ」
「お、おう」
なんだか知らんが大変だったようだ。...相変わらず元気だな。
とりあえず着替えに向かうことにする。
かちゃり、とロッカールームのドアを開けると、そこには先客がいた。
「あ」
見知らぬ男は俺を見て立ち上がる。
「貴方が噂のゼルガディスさんですね?」
「...はぁ」
男はむやみに爽やかな笑顔で、握手を求めてきた。
「先週から入ったばかりの、アルフレッドです。よろしく」
「..あぁ、どうも」
とりあえず握手を交わす。
...敬語で笑顔か。奴を連想させるからあまり好かん。
まぁ、敬語でむやみに愛想の良い男なんてどこにでもいるだろうが。
「ああ、そう言えば」
ふと、思い出したようにアルフレッドはにこりと笑った。
「僕はアメリアと又従兄弟にあたるんですよ」
「...へぇ」
少し驚いて、服を着替える手を止めた。
「最近久しぶりに再開したばかりなんですけど、彼女、すっかり美人になってて驚きました」
「....」
──なぜそれを今俺に言うんだ?
「アメリア、ゼルガディスさんが来てなかった間、貴方の話ばかりしてましたよ」
少しだけ、笑顔に鋭いものが混じる。
「...」
「仲が良いんですね」
ふふ、と笑うとアルフレッドはロッカールームを出ていった。
ばたん、と閉まったドアに向かって小さくため息をついた。
「..分かりやすい嫉妬だな」
だが、彼は大事な所を解っていない。
アメリアにはガウリイがいるのだ。
..精神的な面で、多分アイツには勝てないだろう。
教えてやるべきか、放っておくべきか。
「やれやれ...」
とにかく今の会話で分かった事は、やっぱり俺はアルフレッドを好かん、という事だ。
自分用のエプロンの紐を結びつつ、俺はガウリイの事を考えた。
...あいつは良い奴だ。抜けてるが、度量は大きい。
そして、俺はあの男には勝てない気がする。なんとなくだが。
...ん?何に対して勝てないんだ?
いや、まぁそんなことはどうでもいい。
とにかく早くホールに行かなければ。
...アメリアに怒られるかもしれん。
俺はなんだか良く解らない焦燥にかられつつ、頭を掻きながらロッカールームを後にしたのだった。
続く
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じ、次回に続く...お腹痛い(>_<)