一関市東山町松川にある「石と賢治のミュージアム 太陽と風の家」では11月2日から広島県呉市在住で岩手県花巻市出身の吉田路子さんの切り絵展が開催中です。30日まで。
吉田さんは賢治作品を題材とした切り絵や朗読で各地をまわり、今回同館では3回目となります。
今年は震災を経験し、賢治の生きた100年前の背景と重なるように感じます・・・
宮沢賢治の生涯は災害との結びつきが多く、実弟の清六さんも著書「兄のトランク」の中で彼の生涯と作品を決定していると語っています。
賢治の誕生する約2か月前の1896年(明治29年)6月には明治三陸大津波、生後4日目には陸羽大地震が。1923年(大正12年)1月の上京から8か月後の9月には関東大震災が起き、亡くなる前の1933年(昭和8年)3月には昭和三陸大津波が発生します。
その他にも妹の死や河川の氾濫や冷害による凶作といった自然現象、日露戦争や世界恐慌、第一次世界大戦など社会をとりまく環境は厳しいものでした。
2011年3月11日東日本大震災が発生。
吉田さんは当日アトリエのある福山市で、この大災害を知ります。
大津波の映像が流れ、驚愕の事実を受け入れられない吉田さんに知り合いの方がメールで賢治の作品作りに導きます。「4月の展示は『雨ニモマケズ』にしましょう。」と。
春の彼岸前に完成させると心に決め、鎮魂、復興を祈願し、1週間で10点の仏画を完成させました。
「春と修羅」や「永訣の朝」のフレーズが頭をよぎりながら、涙で目を曇らせ、「念彼観音力」と唱えながら絵に向き合ったそうです。
千手観音菩薩、普賢菩薩と並ぶ仏画には「雨ニモマケズ」の詩がそえられ、10点目で完結します。その他「どんぐりと山猫」の童話を色彩よく表現した切り絵も展示しています。
以前大船渡や大槌で朗読会を行い、「やまなし」を読んで一緒に唱歌を歌ったことがあったそうです。出会った方の無事を祈りながら鎮魂、復興への願いを指先に込めた力強い作品ばかりです。
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