幽玄洞の敷地内には毛の生えたカタツムリ「オオウケマイマイ」が生息し、平成16年の採集をきっかけに他のカタツムリ10種類ほど確認していました。
あれから7年、カタツムリの疑問に答えてくれる研究者の来洞を待ち望んでいましたが、一昨日、カタツムリを研究している東北大学大学院 生命科学研究科の皆さんが来洞しました。
洞窟よりもカタツムリ採集が目的の彼らは、周辺のカタツムリはもちろん、なんと洞窟内でも極小のカタツムリを多数採集しました。名前は「ホラアナゴマオカチグサ」といってその大きさは1ミリにも達しません。
海の中の貝に近い仲間で、全国の石灰洞に生息しているそうですが、幽玄洞の洞内で採集したものは多分、ここにしかいない新種であろうとのことでした。
ホラアナゴマオカチグサの新種!
研究材料にと十数匹のカタツムリを採集し差し上げましたが、名前が分からないものもあり、いろいろと教えていただき勉強になりました。
以前撮った写真ですが、これは「ニッポンマイマイ」といって頭の部分が殻の5倍の長さになり、頭を伸ばして葉を移動するという特徴があります。
ニッポンマイマイ
驚いたのが、この辺では珍しくないこのカタツムリ。「ヒタチマイマイ」といって宮城では少なく岩手には多いそうです。しかもこの辺にこれだけいるのが珍しいと話していました。
どうして毛が生えているのか質問してみました。毛があることで水に溺れないようになどと言われているそうです。石炭紀の地層とオオウケマイマイに関連性がないか聞いてみましたが、関係はなく石灰岩のところに見られるし、カルシウムのあるところを好むそうです。
ヒダリマキマイマイ
ヒダリマキマイマイも採集しましたが、本来二枚貝であるカタツムリは右巻きです。なぜ左巻きなのかという質問に、右巻きのカタツムリを食べる蛇がいて、対抗するため進化して左巻きになったということだそうです。
来洞した午前中はヤマキサゴ、フトキセルモドキ、タカキビガイなど何種類も採集したようですが、午後再度採集するため彼らは幽玄洞に戻ってきました。
キセルガイモドキの3分の2ぐらいの細めのカタツムリで新種と思われるものを見つけた人がいたため、もっと多く採集しようと太陽が沈んでも探し続けていました。
この日採集した新種と思われるカタツムリのゆくえがとても興味深く、更なる今後の彼らの研究に期待します!
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