2018年 夏
夏衣去年の染みに戻りつつ
心太歯ごたえなきや晩の風
昼寝より目覚めてみればただ一人
路地裏や草木は濡れて若葉寒
路地の花雨にうつむき若葉寒
花枯れて蚯蚓出や雨の音
道狭し雨の新緑通り抜け
爺の笑み無条件なり五月晴れ
短夜に小便に起き空白む
岩肌に釈迦三尊の滝の音
朝飯の古漬け梅や旅心
昼下り空家のごとく草茂る
病葉や日陰の花に夕日射し
ちさい芽に松葉牡丹や夏浅し
風は揺る夏掛け布団干しにけり
雨音や梅雨の走りか灯はともる
部屋の隅居心地求め昼寝かな
ででむしの這いずる跡に朝日射す
装いて紅花栄最上川
生垣の朝の小道に風薫る
風去りて雨の匂いや樟若葉
紫陽花や陽が陰りゆき花の色
梅雨空に雨はぽつりとダンゴムシ
手の甲の皺は寄りけり日焼けかな
風呂あがり出窓の外の夏時雨
遅き月夜の原っぱは草茂る
一輪の松葉牡丹に夜明けの気
梅雨入りか草の匂いに立ち止まり
草の影風に動きて蜥蜴かな
梅雨入りや水やり惑い無精髭
腐草為螢川
コンビニの灯や梅雨前線の空
老夫婦レジ並び梅子黄
小雨やみクチナシ香り緑濃し
ササユリや暗き木の下雨音に
時忘れ夏至の夕飯慌てけり
花眠り喧騒遠く夕涼み
雨粒に菖蒲華(あやめはなさく)車窓かな
月光り夏の星々並びけり
雲切れて温風至花屋かな
夏草や老婆の愁い聞きおりし
夜濯やズボンの股に夜風かな
月は落つなんだかんだと晩夏かな
夏土用アンニュイの昼時止まる
暮れ時にぼやきはやめよ蝉時雨
竜田姫勇む気配の晩夏かな
人もなく花は眠りて風涼し new
夏衣去年の染みに戻りつつ
心太歯ごたえなきや晩の風
昼寝より目覚めてみればただ一人
路地裏や草木は濡れて若葉寒
路地の花雨にうつむき若葉寒
花枯れて蚯蚓出や雨の音
道狭し雨の新緑通り抜け
爺の笑み無条件なり五月晴れ
短夜に小便に起き空白む
岩肌に釈迦三尊の滝の音
朝飯の古漬け梅や旅心
昼下り空家のごとく草茂る
病葉や日陰の花に夕日射し
ちさい芽に松葉牡丹や夏浅し
風は揺る夏掛け布団干しにけり
雨音や梅雨の走りか灯はともる
部屋の隅居心地求め昼寝かな
ででむしの這いずる跡に朝日射す
装いて紅花栄最上川
生垣の朝の小道に風薫る
風去りて雨の匂いや樟若葉
紫陽花や陽が陰りゆき花の色
梅雨空に雨はぽつりとダンゴムシ
手の甲の皺は寄りけり日焼けかな
風呂あがり出窓の外の夏時雨
遅き月夜の原っぱは草茂る
一輪の松葉牡丹に夜明けの気
梅雨入りか草の匂いに立ち止まり
草の影風に動きて蜥蜴かな
梅雨入りや水やり惑い無精髭
腐草為螢川
コンビニの灯や梅雨前線の空
老夫婦レジ並び梅子黄
小雨やみクチナシ香り緑濃し
ササユリや暗き木の下雨音に
時忘れ夏至の夕飯慌てけり
花眠り喧騒遠く夕涼み
雨粒に菖蒲華(あやめはなさく)車窓かな
月光り夏の星々並びけり
雲切れて温風至花屋かな
夏草や老婆の愁い聞きおりし
夜濯やズボンの股に夜風かな
月は落つなんだかんだと晩夏かな
夏土用アンニュイの昼時止まる
暮れ時にぼやきはやめよ蝉時雨
竜田姫勇む気配の晩夏かな
人もなく花は眠りて風涼し new