猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

それがたとえば他人なら。

2008年01月16日 19時08分41秒 | ぶ~すか言ってやる!

近頃。

子供による親殺しが後を絶たないが、つい先日八戸で起きた事件も、
実に悲惨なものだった。

実の母親と、血を分けた弟・妹を刺し殺し、家に火を放った18歳の少年は.....
駅でうろついているところを逮捕されたそうだが。

それは彼が、逃げ方も知らない小さな世界で生きていたように見えて......
なんだかやるせない。

そして、その後明らかになった事実を知ると、余計に私の心は揺れるのだ。

母親が常に泥酔していたという事実。

多感な時期に、その現実を見なければならなかった少年の心の内を考えると。

 

.....いや。

もちろん、だからといって、人を殺していいはずなどはない。

増してやいたいけな弟・妹にまで手をかけるなど。

しかし、もし自分の家の中で泥酔しているのが『他人』なら、
それほどの憎しみと絶望を、この少年は抱かずに済んでいたのではないかと、
そう思うのもまた事実だ。

アル中の人間を見ていることほど、不快で哀しいことはない。

人の心を失くし、歩くことさえままならず、
どこにでもゴロゴロと転がっては卑猥な言葉を叫び、
本能のままに振舞う人間を見なければならない哀しみ。

それは実際に目にしなければわからない耐え難さだ。

そして、私はそれを目にしていたからこそ、
このニュースを見て、やるせなくてたまらなくなるのだ。

私の場合はアル中が継母だったから、
憎しみを抱いても、殺すまでは行かないで済んだが。
(ちなみに何度か書いた通り、実の祖父もアル中

もしこれが実の母親だったら、いったいどうだったろう?
(ま、うちの場合それとは別に、実の母は母で大いに問題アリなのだが)

トイレとキッチンの区別もつかずに用を足し、
子供の前であけすけにSEXについて叫び、
感情のままに殴りかかり、
道端で転がる.......

そんな人間を見る哀しみ。
嫌悪。

もしそれが、自分を産んだ母親なら?

酒にも、
遠くにも、
逃げ場のない子供は、目を背けることも出来ず、
それを真正面に捉えることしか出来ないということを.....

泥酔した母親は知っていただろうか?

事件が起きてしまえば、被害者は母親となるが、
それ以前に、この母親が、事件を起こした長男を『殺して』いたのだ、とも。
そうは言えないだろうか?

彼が胸の内で何を思って、こんな事件を起こしたのかはわからないが。

一緒に弟と妹を殺したのは......

「この世にある地獄に、二人を残してはいけない」と思ったからなのかもしれない。

もちろん。
これは私が実体験から得た『推測』に過ぎないけれど。

純粋さはときに狂気を生む、と私は思う。

 

ゲームや漫画やアニメが問題なんじゃない。

問題は、その中から、何を拾う子供であるのか、ということだ。