2023/07/02 (日曜日) 晴れ
OPアンプのー(反転入力)、+(非反転入力)、出力の端子だけをターゲットにして
回路を組み、反転入力、非反転入力の電圧の大小で出力にどんなものが現れるのかを
実験してみた。
反転入力が非反転入力より、ちょっとでも大きくなると、出力にはー電源電圧に近い値の
電圧が現れる。(-(反転入力) > +(非反転入力) → ー電圧(飽和)出力)
逆に非反転入力が反転入力より、ちょっとでも大きくなると、出力には+電源電圧に
近い値の電圧が現れる。(-(反転入力) < +(非反転入力 )→ +電圧(飽和)出力)
回路に負帰還回路が無いのでOPアンプは入力をイマジナルショートにしようとして
目いっぱい頑張って出力しているんだろう。
これはOPアンプの裸特性(オープンループ)を測定していることで、OPアンプは
80db以上の増幅度をもっているんだそうだ。
(OPアンプ工作の先輩から教えていただきました。 ありがとうございました。)
その高感度のため、作業机上を埋め尽くしているノイズが配線に混入して増幅されて
ー、+の大小判定が入り組んで出力が+になったり、―になったりバタバタを繰り返し
てしまう状態が現れた。(これがチャタリングだな・・・)
やっぱり入力の大小を比較するには「これ以上は+、これ以下はー」という、判定ラインを
設定しなくてはならない。
回路が難しくて理解できないから、省略してしまおう、なんていう横着は通用しないのだ。
参考回路図からしきい値設定部分の回路だけを組んで実験してみた。
反転入力、非反転入力の大小差でVout(出力)が+9V、-9Vと逆転することを
利用してしきい値を設定してる。
特にR1の値とR3に加える電圧がしきい値に大きく関係している。
・R1の値を小さくするとしきい値の間隔大きくなる。
・R3に加える電圧を低くするとしきい値の間隔は大きくなる。
しきい値関係の抵抗や結合電源の関係が少しわかった。(えっ、本当にわかったの?(疑わしい))
そしてそのしきい値を横切る入力電圧を変化させるのはとても微妙な調節がひつようだった。
普通の回転式のボリューム抵抗器では調節できない。(摺動片のバックラッシュも大きい)
そこでジャンクのトリマポットをブレッドボードに取り付けられるようにした。
実習生が使う部品はほとんどがジャンク品だ。
さぁ、実験を始めよう。
オペアンプのコンパレータは直流増幅だ。
そしてしきい値を横切る変化は微小だからそれを観測するためにはオシロスコープを
高感度にしなくてはならい。
変化そのものは微小だが電圧は大きい。 すぐオシロスコープの観測範囲をオーバーして
ラスターが見えなくなってしまう。
そんなわけでオシロスコープで観測できる範囲だけの測定になってしまった。
おぉー、しきい値がわかる。
入力電圧を徐々に上げていく(トリマポットのネジを時計回りに回す)と、やがて
入力電圧はしきい値に達したのち、少しでもオーバーするとVout(出力)は反転して、
ー最大値まで下がる。
同時にその影響で、しきい値も低下する。
その後、トリマポットのネジを反時計回りに回転させて入力電圧を低下させていくと
やがて先ほど低下したしきい値に達して少しでも下回るとー入力が反転して+極性に
増幅されてVout(出力)は+側最大値になる。
同時にその影響で、しきい値も上昇する。
Vout(出力)が+極性からー極性へ切り替わるしきい値は496mVだ。
Vout(出力)が切り替わると同時にしきい値は396mVに変化する。
その差は100mV。
-(反転入力)にノイズが乗っていても396mV以下にならなければ
出力は反転しないはずだ。
しきい値の幅を大きくしてみた。
上側しきい値は952mV、下側は624mVでその差は328mVある。
この差が大きいとトリマポットのネジを回すのが大変だ。
このときはしきい値のラインが歪んで表示された。 なんでだろう?
ー(反転入力)の電圧をゆっくり変化させてみた。
しきい値設定なしの実験では変換点付近でチャタリングが発生したが、
今回は緯度もチャタリングは発生しなかった。
なるほど、しきい値の動作ってこんな動きをするんだ!
しきい値を設定する回路の動きは理解できた。(えーっ、ほんと? 怪しいな・・・)
次はこの回路を使って「タクトスイッチで発生するチャッタリング」をなくせるか
実験してみます。 お楽しみに。