碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

戦争とメディア

2011年02月28日 | テレビ・ラジオ・メディア

NHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」。

27日、その第3回「"熱狂”はこうして作られた」を見た。

テーマはメディア。

「日本が戦争へと突き進む中で、新聞やラジオはどのような役割を果たしたのか」を検証していたが、メインは新聞だった。

印象に残った部分は・・・・

・新聞記者や軍幹部が当時を語る肉声テープ

・「軍」「メディア」「民衆」のトライアングル

・「信濃毎日新聞」への圧力と新聞側の対応

・元朝日新聞記者、そしてジャーナリストである、むのたけじ(武野武治)さんの証言など


「世論」という名の、世の中の“空気”が形成されていく過程には、何だか得体の知れない怪物の成長を見るような不気味さがあった。

怪物は一定以上に巨大化すれば、そのコントロールは極めて困難になる。

そうそう、番組の中で、新聞に比べてラジオについて扱う時間がかなり少なかった。

まさか自分たち(NHK)の足元というか、根幹部分に触れることになるから、ではないと思うけれど。



今週の「読んで書いた本」 2011.02.27

2011年02月27日 | 書評した本たち

今日2月27日は、私の誕生日。

誕生日こそは「自分の親に感謝する日」というのが持論なので、毎年、実家に電話を入れている。

今年は浜先生の葬儀があったため、実家に泊まり、母に直接「ありがとう」を伝えることができた。

これも浜先生のおかげです。


今週「読んで(書評を)書いた」のは以下の1冊。


大澤真幸・斎藤美奈子・橋本努・原武史:編
『一九七〇年転換期における「展望」を読む』(筑摩書房)


・・・・元京大教授で社会学者の大澤真幸さんをはじめ、強力な編集委員構成だ。

筑摩書房にも、雑誌『展望』にも、個人的に、かなり思い入れがある。

今週、この本の書評が掲載されたことにも、何か“縁”を感じる。

浜先生の葬儀に出席した翌日、筑摩書房の創立者である古田晃さんの記念館に寄ってきたのだ。



「古田晃記念館」は長野県塩尻市北小野にあり、生家の土蔵を改修して開設されたもの。

初めての訪問だったが、その内容に驚いた。

その報告はあらためて(笑)。


* 書いた書評は、発売中の『週刊新潮』最新号(3月3日号)に
  掲載されています。


浜光雄(はまみつを)先生を送る

2011年02月26日 | 日々雑感

25日、浜光雄(児童文学者・はまみつを)先生の葬儀・告別式が行われた。

弔辞を読ませていただいた。

いや、書きものにしなかったので、読み上げたのではなく、先生の遺影に向かって、ひたすら語りかけた。

ざっと以下のようなことを、だ。


中学の担任であり、国語の先生だった。

宮沢賢治の詩「稲作挿話」1篇を、1週間にわたって授業で語る異色の先生。

この頃、すでに第1作品集『北をさす星』を上梓していた先生。

圧倒的な影響を受けた。

中学卒業後も、「浜学校」「浜私塾」に入門するように、私淑。

高校、大学、そして社会人になってからも、年に2回、先生にお会いし、延々と互いの「今」と「これから」を語り合うことを、40年にわたって続けてきた。

この40年間いつも、そして最後まで書き続けていた先生。

そんな先生と向かい合うことは、私にとって、「その時点の自分」を再確認する意味があった。

自分が進んでいる方向は間違っていないか。

自分は怠けていないか。

自分は本気で生きているか。

先生は、いわば荒波に揺れる船に光を投げかけてくれる「灯台」のような存在だった。

もしくは、山や森で道に迷った者に自分の位置を教えてくれる「北極星(北をさす星)」のような存在だったのだ。

先生はこうおっしゃっていた。

「人の心は言葉が育てる」

先生の言葉は、100冊を超える著作の中にあふれており、私はこれからもその本を通じて先生から学び続けることが出来るはずだ。

だから、お別れの言葉ではなく、「長年ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします」と言いたい。



・・・・先生は、不肖の弟子の乱暴な弔辞を、きっと苦笑しながら聞いてくださったのではないか。

我が恩師。

我が師匠。

浜光雄(はまみつを)先生。

2011年2月22日逝去。

享年77。

合掌。


浜光雄(はまみつを)先生の逝去

2011年02月24日 | 日々雑感

2月22日午後、浜光雄(児童文学者・はまみつを)先生がお亡くなりになった。

中学の担任と生徒として出会ってから、40年以上にわたって師事してきた先生。

文字通りの恩師である。

最後にお会いしたのは、約1ヶ月前の1月21日だ。

場所は、入院先である松本市の病院の一室。

年に2度、お盆と正月に、先生のお宅にお邪魔して互いの半年間の報告をするのが、この40年来の恒例行事だった。

ところが、今年の正月は、先生の体調のこともあり、叶わなかった。

この日、病室で二人が話したのも、いつものように「今」のこと、「これから」のことばかりだった。

別れ際、先生は「次は夏に会おう、その時は冷たいビールで乾杯だ」と約束した。

それが実現しないかもしれないことを、先生は知っていらしたのかもしれない。

しかし、私を送り出す言葉は、この40年間と変わらず、「また来いよ。元気でな」だった。


正直なところ、今はまだ、先生の“不在”を納得できていない。

明日25日、信州で葬儀・告別式が行われる。

納得できないままだが、先生の遺影の前に立たねばならない。

不肖の弟子だが、不肖なりに、しっかりと先生を送らねばならない。

これも無言の約束のような気がするからだ。


<はまみつを 主要作品>

『北をさす星』
『わが母の肖像』 
『サイタサイタ』
『白樺伝説―この愛の教師たち―』
『春よこい』 赤い鳥文学賞 
『レンゲの季節』 塚原健二郎文学賞 
『赤いヤッケの駅長さん』 産経児童出版文化賞

NHKのドラマ「迷子」は<単館系映画的佳作>

2011年02月22日 | テレビ・ラジオ・メディア

『日刊ゲンダイ』に連載している番組時評「テレビとはナンだ!」。

今週は、NHKのドラマスペシャル「迷子」について書きました。


単館系映画の佳作のようだった
ドラマスペシャル「迷子」


19日(土)夜、NHKでドラマスペシャル「迷子」が放送された。

路上に座り込んでいた一人の老婆をめぐって、それまで無関係だったはずの人々が交錯するワンナイト・ストーリーだ。

有名俳優もほとんど出てこないドラマだが、まるで単館系映画の佳作のような慈味に満ちていた。

雑踏の中で途方に暮れているお婆さん。

ほとんどの人は無視して通り過ぎるが、男子高校生3人組と若いOLが声をかける。

しかし、中国語らしい言葉で話すお婆さんとは意思の疎通ができない。

警察に保護してもらおうとするが、なぜかお婆さんは逃げ出してしまう。

他にもこのお婆さんに手を差しのべる人たちが登場する。

しっかり者の女子高生(南沢奈央)と彼女を好きなボンボン大学生(金井勇太)、そしてホームレスのおじさん(レツゴー三匹の逢坂じゅん、好演)など。

彼らは皆、他人の心配をする余裕などないはずなのに必死で走りまわるのだ。

大きな事件が起きるわけではない。

しかし彼らから目が離せない。

老婆だけでなく、彼らも、そして見ている私たちも、自分の居場所を探し続けている“迷子”かもしれないからだ。

手持ちカメラが現代人の不安な心理を見事に映し出していた。

脚本は岸田戯曲賞の前田司郎。

演出は中島由貴。

2009年2月に流され、高い評価を受けたドラマ「お買い物」のコンビである。

(日刊ゲンダイ 2011.02.21)


・・・・まるで登場人物たちと一緒に一晩を過ごしたような、ちょっとリアルな疲労感さえ覚える(笑)、見終わって、じわじわと効いてくるクスリ(それとも毒?)みたいな1本でした。

『ヒアアフター』の“アフター(その後)”

2011年02月21日 | 映画・ビデオ・映像

クリント・イーストウッド監督の最新作『ヒアアフター』を観てきた。

主演、マット・デイモン。

ヒアアフターは「来世」と訳すのかな?

「死後の世界」という意味でもある。

霊能力者、つまり“見えちゃう”人生も辛いんだね。

でも、それによって救われる人たちもいるわけで。

イーストウッド監督の「死」に対する真摯な思い、死者への敬いが感じられた。

それは同時に、「生」を大切にすることでもある。

たぶん、この映画は、“不安の時代”に対するイーストウッドの答えのひとつなのだと思う。

パニックシーンもあったりするが、全体は静謐なトーンだ。

マット・デイモンはもちろん、双子の少年を演じたジョージ&フランキー・マクラレン、そしてジャーナリスト役のセシル・ドウ・フランスもいい。

監督自身による音楽も、ずっと聴いていたくなる。

しかし、エンドロールになった時、まだこの物語の続きがあるような気がして、しばらく席を立てなかったのも事実。

「これで終わりですか?」という、かすかな物足りなさ。

ないものねだり。

でも、やはり終わりなんですね(笑)。

“この先”というか、“その後”は、それぞれがイメージすればいい。

そんなふうにイーストウッド監督は言っているんでしょう、きっと。

そうそう。

冒頭のシーン。

海辺のホテルから見える風景。

向かいにある島、手前の海岸線。

「あれ?見覚えがある」と思ったら、このシーン、やはりマウイ島でロケをしていました。



(マウイから見たラナイ島)

大忙しの放送倫理・番組向上機構(BPO)

2011年02月20日 | テレビ・ラジオ・メディア

放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が忙しい。

16日、フジテレビ『Mr.サンデー』における「不適切表現」に関する経緯説明を公表した。

以下は、その一部。


『Mr.サンデー』事案は、街頭インタビューで、あらかじめ仕込んだ出演者をその場で見つけたかのように撮影するなど、事実に反する表現が行われていた。

委員会には、この1年の間に同種事案が数件報告されたことから、これを審議の対象としなければ、委員会はこの種の「やらせ演出」の手法を容認・放置することにしたという誤ったメッセージとして受け取られるのではないかという懸念があった。

そこで慎重に討議した結果、女性誌が付録のファッションバッグの人気でヒットしているという放送の核心となった社会現象自体は事実といえるが、委員会は街頭インタビューの対象者の事前仕込み、付録バッグ所有者の通行人の人数の水増しといった演出方法には問題があると判断した。

しかし、その影響度、同種事案の取り扱いとの比較、問題発生後の自主的・自律的な是正に向けた当該局の対応などを総合的に勘案して、審議の対象とはしないことにした。
(BPO 2011.02.16)



・・・・そこへ、今度は日本テレビの「やらせ」疑惑である。

以下は19日の「読売新聞」の記事。


見出し:
日テレ番組「やらせ」疑惑…BPO審議入り決定

記事本文:
放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(川端和治委員長)は18日、日本テレビで1月8日に放送された夕方の報道番組「news every.サタデー」が、ペットのマッサージ店などの客として、その店を経営する会社の社員らを登場させたとして審議入りを決めた。

問題となったのはペットビジネスの特集。日本テレビは1月22日の同番組で「不適切な内容だった」と陳謝したが、同委員会は「まったくのやらせを故意にニュースとして放送した」として問題視した。

また、1月12日にTBS系で放送された毎日放送制作のバラエティー番組「イチハチ」で、女性タレントの自宅として紹介した米ニューヨークのマンションが他人名義であった問題について、審議中の〈1〉昨年11月17日放送の「イチハチ」〈2〉同月8日放送のテレビ東京「月曜プレミア!主治医が見つかる診療所」――の2番組と合わせて審議することを決めた。
(読売新聞 2011.02.19)



審議に次ぐ審議。

しかも、いずれも制作現場の“劣化”を感じさせる、“トホホな行い”ばかりではないか。

委員の方々に、「お役目、ごくろうさまです」と言いたいくらいだ。

最新の日テレの件は、あらためて整理したいと思います。


今週の「読んで書いた本」 2011.02.19

2011年02月19日 | 書評した本たち

筒井康隆さんの『漂流~本から本へ』を読んでいて、筒井さんの初期作品、『東海道戦争』や『48億の妄想』を再読したくなった。

こういう時、やはりAMAZONは便利で、すぐに入手できる。

いつも電車の中では書評用の本を読むのだが、今週は上記の文庫本も併読。

特に、「裁判さえショー化」してしまうテレビを、1965(昭和40)年、つまり46年も前に“予言”した『48億の妄想』は凄い(笑)。


今週「読んで(書評を)書いた」のは以下の本です。


菅沼光弘・須田慎一郎 
『日本最後のスパイからの遺言』 扶桑社

福田ますみ 
『暗殺国家ロシア~消されたジャーナリストを追う』 新潮社

黒井千次
『時代の果実』 河出書房新社      

阿川弘之 
『天皇さんの涙』 文藝春秋

森 正人 
『昭和旅行誌~雑誌「旅」を読む』 中央公論新社

河内孝・金平茂紀
『報道再生~グーグルとメディア崩壊』 角川ONEテーマ新書



新潮社の雑誌で書いている書評なので、逆に新潮社の本を取り上げることは少ない。

節度ってもんですね(笑)。

しかし、『暗殺国家ロシア』はどうしても紹介しておきたかった。

ロシアのジャーナリズム、そしてジャーナリストに何が起きているのか。

現地での取材も危険を伴ったはずで、「よくぞ書いてくれました」という思いがあったのだ。

『報道再生』も、日米の比較をはじめ、メディアのこれからに関心のある人におススメです。


* 書いた書評は、発売中の『週刊新潮』最新号(2月24日号)に
  掲載されています。


映画『告白』が、日本アカデミー賞「作品賞」「監督賞」など

2011年02月19日 | 映画・ビデオ・映像

映画『告白』が日本アカデミー賞の「作品賞」「監督賞」「脚本賞」「編集賞」を獲得した。

残念ながら主演女優賞は逃したが、作品賞・監督賞どちらも、主演が松たか子さんでなければ、受賞はなかったと思う。

松さん、アッパレでした。

おめでとうございます!


<このブログ内での関連記事>
映画『告白』は、早くも今年の“マイ・ベストテン”入り(2010年06月06日 )
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/ff0cb64aba94f808d7c9a24d54ecd94b

『週刊現代』の「決定!日本のいい女優ベスト20」に寄稿(2010年11月24日)
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/024b1c568b7455d20780ad1a36c203f5

江姫「上野樹里」の“のだめ度”

2011年02月18日 | メディアでのコメント・論評

発売中の『週刊新潮』(2月24日号)で、NHK大河ドラマ「江」についてコメントしています。


見出し:

江姫「上野樹里」“のだめ”がすぎますゾ

記事本文:

「どう見ても着物を着た“のだめ”だよなあ」

なんて、イビられるのは、NHK大河ドラマ「江」の主人公を演じる上野樹里(24)である。

のだめとは、ご存知、上野の当たり役で、音楽ドラマの素つ頓狂な主人公のピアニスト・野田恵の愛称。

「江」は、第6回までの平均視聴率が21.6%と、まずますの滑り出しをみせているが、赤い花柄の着物に、耳の横で髪を結ぶ赤い紐がトレードマークの江姫。

小走りで動き回り、鼻を膨らませ怒ったかと思うと、時にはのけぞって驚く。

「セリフが現代語訳とはいえ、カジュアル過ぎます」と笑うのは、碓井広義・上智大教授(メディア論)。

2月13日放送の第6回では、本能寺の変の顛末を聞き、「でも、明智様はなぜあのような・・・」。

でも、はないだろう。

光秀が、羽柴秀吉に倒されたと聞けば、「でも、でも、もう私はどなたにも死んで欲しくはありません」。

とにかく、第1回から、こうしたシーンの連続だ。

のだめお得意の「ぎゃぼー」の奇声はなかったが、酒を飲んでいた秀吉に、「おぬしは~」と叫んで馬乗りになるは・・・。

自分は神だと言う信長に向かって、「己を信じることと、己が神になることはちがうと思います」。

「“ちがうとおもいます”では、“が”にアクセントがありましたし、語尾も少し上がり調子で、“すう”も伸びた感じでした。のだめの“ですう”のような、若者のイントネーションのままでしたね」(先の碓井氏)


次回予告編によれば、柴田勝家との再婚を決意する母・市に向かい、江は言い放つ。

「好きでもないのに、嫁ぐのですかあ」―――。

(週刊新潮 2011.02.24号)


・・・・「江」を見るたび、のだめの「ちあきしぇんぱいい~」の声が聞こえてきそうで。

どうせなら玉木宏も出しちゃえばいいのに(笑)。

確かに「のだめ」がなければ、上野樹里も大河の主役を張ることはなかった。

しかし、だからといって、「のだめ」のコピペだけでは“大河”を渡り切れない。

役者にとって、ヒット作の功罪ってあるわけです。

「SONGS」の美輪さんとドラマ「TAROの塔」

2011年02月17日 | テレビ・ラジオ・メディア

大学院の入試、無事終了。

成績登録も締切。

間もなくシラバス提出の期限。

今年度の整理と新年度への準備が同時進行している。


てなこととは関係なく(笑)、NHKの「SONGS」。

「美輪明宏×エディット・ピアフ」を見た、いや聴いた。

美輪さんの歌、特にシャンソンは、やはり美輪さんならではのテイストに満ちている。

長いモノローグに続いて歌い始めた「愛の讃歌」も、ピアフとはまた違った美しさと切なさ、そして迫力だ。

レコーディング風景。

OKもNGも美輪さんが判断しているシーンが印象的だ。

美輪さん自身がプロデューサーでありディレクターなのである。

スタジオのサブで、「ハゲタカ」のプロデューサーである訓覇圭(くるべ・けい)さんの姿がちらっと映った。

訓覇さんは、26日からの土曜ドラマ「TAROの塔」の制作統括だ。

そのテーマ曲が美輪さんの歌だという。

岡本太郎とシャンソン。

あいかわらず仕掛けてきます(笑)。


『週刊ダイヤモンド』の特集「就活の虚実」

2011年02月16日 | 大学

『週刊ダイヤモンド』最新(2月12日)号の特集は「就活の虚実」だ。

就活生にとっては、「就職活動の実像」や「採用担当者の覆面座談会」など、読みどころが多い。

できれば、首都大学東京の宮台真司さんのインタビューも読んでほしい。

“適職という幻想”を捨て去るべし、というアドバイスは厳しく聞こえるかもしれないが、かなり真理をついている。

それを踏まえた上で、「仕事って何だ」を考えてみるといいと思う。

あと面白かったのが、企業へのアンケート「学生が本当に知りたい10の質問」だ。

インターンシップや説明会・セミナーへの参加に過剰な期待を持たないほうがいいことがよく分かる。

現状把握のために、雑誌代690円の投資は悪くないです。

テレビという「窓」

2011年02月15日 | テレビ・ラジオ・メディア
(新宿駅東口の生中継映像)


深夜、ずっとNHKをつけっぱなしだ。

仕事をしながらだが、気にならない。

音声は、ひたすら静かなピアノ曲だけ。

画面は無人カメラが映す風景だ。

その風景が時々切り替わる。



「大雪関連情報」のための措置なのだが、かなり気持ちのいいBGMならぬBGVだ。

映像がリアルタイム、生中継というのがいい。

遠くが見える「窓」。

「窓」の外は雪だ。

普段、こういうチャンネルが1つくらいあってもいいなあ(笑)などと、ふと思ってしまう。


「リポーター」が不要な時もあるのだ

2011年02月15日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載中の番組時評「テレビとはナンだ!」。

今週は、「夢は日本のハリウッド」(TBS)について書きました。

テレビユー山形の力作です。


リポーターの騒がしさが残念だった映画村ドキュメンタリー

「建国記念の日」の朝、第21回JNN共同制作番組「夢は日本のハリウッド」(TBS)が放送された。

山形県にある「庄内映画村」に密着したドキュメンタリーだ。

庄内地方で撮影された映画としては「蝉しぐれ」や「おくりびと」などがある。

背後には映画撮影の誘致や支援を行う組織「フィルム・コミッション」の協力があった。

庄内映画村はその発展形であり、地元の法人や個人が出資した株式会社だ。

ここをけん引しているのが映画「蝉しぐれ」の元プロデューサーと元市役所職員。

番組は二人の取り組みを追いながら進んでいく。

映画関係者のロケ地探しに同行し、行政側に支援を求め、オープンセットの建物を増やすために奔走する。

映画撮影が行われれば観光客を呼べるし、地域の活性化にもつながるからだ。

しかし、誘致は簡単ではない。映画「兵隊やくざ」は中国ロケに変わり、「のぼうの城」は山梨県で撮影されることになる。

成功例だけでなく、事業の難しさもしっかり見せている点がこの番組の良さだ。

また1年間の長期取材は地元のテレビユー山形の頑張りである。

本木雅弘のナレーションは、「おくりびと」で世話になった庄内地方への思いを感じさせる温かみがあった。

一方、リポーターである映画コメンテーターのLiLiCoが、ただ騒がしいだけだったのは残念だった。

(日刊ゲンダイ 2011.02.14)

バレンタインデーの「フジ月9」

2011年02月14日 | テレビ・ラジオ・メディア
(父からも御礼申し上げます)


東京も雪のバレンタインデーだった。

夜になっても降り続ける雪を見て、「天は、浮かれたカップルなんぞに斟酌しないのだ」と笑っていたら、高1の息子が帰宅。

制服の肩も頭も雪まみれのまま、「なんだか、こんなにもらっちゃったよ」と鞄からバレンタイン・チョコを取りだす。

「本命より拝受の手づくり品」をはじめ、一体何個あるんだ?

我が高校時代を思い返して、なんだか、悔しい(笑)。

いや、私たちの頃は、まだバレンタインデーという“チョコの日”なんて定着していなかったのだよ、ホントに。

それでも、なんだか悔しい(笑)。

数々のチョコをテーブルに並べたまま、息子と二人でフジテレビ「大切なことはすべて君が教えてくれた」を見る。

演出の葉山裕記ディレクターは、慶応SFC時代の教え子。

ドラマのほうは、三浦春馬クン、ますます大変です。

息子は以前から戸田恵梨香サンのファンだが、最近は美少女・武井咲チャンも気になるらしい。

若者よ、それでいいのだ(笑)。