碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

30日(金)の午後、雪の北海道で

2012年11月30日 | テレビ・ラジオ・メディア
(北海道KIOSKオリジナル D51形237号機 蒸気機関車)


今日30日(金)の午後、HTB北海道テレビ「イチオシ!」に出演。

15時45分からの生放送です。

話題としては選挙戦はもちろんですが、雪害による登別周辺の大規模停電もあって、「真冬の停電対策」。

また、巨大クリスマスツリーの「函館Xマス」なども。

道内の皆さん、今週も、よろしくお願いします!





ホテルのロビーも、この季節ならでは




ショートドラマの撮影、進行中

2012年11月30日 | 映画・ビデオ・映像

実習授業「テレビ制作」。

学生たちのオリジナル脚本による、ショートドラマの撮影が進んでいます。

みんな、かなり凝っていて、年内に、どこまで到達するのか(笑)。















三島由紀夫と今年の11月25日

2012年11月29日 | 「東京新聞」に連載したコラム

東京新聞に連載しているコラム「言いたい放談」。

今回は、先週の日曜、11月25日が命日だった三島由紀夫について書きました。


42年後の「11月25日」

十一月二十五日は三島由紀夫の命日だった。自決したのは昭和四十五(一九七〇)年。当時私は高校一年で、意識して作品に接したのは没後からだ。

やがて三島自体に興味を持ち、毎年この日の前後に、私が“三島本”と呼ぶ関連書籍の新刊を読む。

たとえば二〇〇二年の橋本治『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』。〇五年は中条省平の編著『三島由紀夫が死んだ日』。椎根和『平凡パンチの三島由紀夫』は〇七年だ。

一〇年には多くの三島本が出て、『別冊太陽 三島由紀夫』には川端康成宛ての手紙が載った。「小生が怖れるのは死ではなくて、死後の家族の名誉です」という言葉が印象に残る。

今年は柴田勝二『三島由紀夫作品に隠された自決への道』を読んだ。「潮騒」から「豊饒の海」までを分析し、その死の意味を探っている。

だが、これを読みながら気づいた。私は三島を理解したい一方で、未知の部分を残しておきたいらしい。新たな三島本でも謎が解明されていないことに安堵しているのだ。

先日の二十五日は日曜だったが、入試があり大学に来ていた。三島が自決した正午すぎ、たまたま上階にある研究室に戻った。

窓外には四谷から飯田橋方面にかけての風景。正面に背の高い通信塔が見える。そこに位置する防衛省本省庁舎、かつての陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地に向かって合掌した。

(東京新聞 2012.11.28)



湊かなえの脚本が光る、フジテレビ「高校入試」

2012年11月28日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している番組時評「TV見るべきものは!!」。

今回は、フジテレビの連ドラ「高校入試」を取り上げました。


「普通の20代女性」を演じる
長澤まさみの良さ

ある地方の名門高校。入試前日の教室だ。黒板に大きな模造紙が貼り出されている。そこには、「入試をぶっつぶす!」の巨大な筆文字。教師たちはびっくりする。そして視聴者も驚いた。

長澤まさみ主演のドラマ「高校入試」(フジテレビ 土曜23時10分~)はそんなふうに始まった。

その後、入試当日もトラブルは続く。受験生の携帯電話による中断。答案用紙の行方不明。別の答案用紙の発見などだ。しかも一種の密室であるはずの「学校内部」の混乱ぶりが次々とネットの掲示板に書き込まれていく。

脚本は小説「告白」などで知られる作家・湊かなえ。ストーリー・テリングの技はさすがである。

物語の時間軸は入試前日と当日の2日間。舞台のほとんどが学校の中という限定された設定にも関わらず、きっちり連ドラとして成立させている。あと数回を残すのみになっても、入試妨害の犯人はもちろん、その目的も着地点も見当がつかない。

また特に際立っているのがネット掲示板の持つ“負のチカラ”と、その不気味さだ。ケータイやスマホという日常的ツールが、個人や組織を追い詰める凶器となることを存分に見せてくれている。

最後に主演の長澤。これまでのドラマのようなヘンに際立つキャラクターではなく、「普通の20代女性」を演じている点がいい。今後への大事なステップになるはずだ。

(日刊ゲンダイ 2012.11.27)



“共演”した、きゃりーぱみゅぱみゅ「紅白歌合戦」初出場

2012年11月27日 | テレビ・ラジオ・メディア

「紅白歌合戦」の出場者が発表になった。

たかが紅白、されど紅白(笑)。

注目は、やはり「初出場」だ。

個人的感想としては、ゴヒイキのSKE48の単独(AKB48とのセットではなく)出場が、実にメデタイ(笑)。

また、びっくりとしては、きゃりーぱみゅぱみゅが選ばれたことだ。

何しろ、私はSKE48とは共演していないが、きゃりーぱみゅぱみゅ
とは、“共演”しているのだ(笑)。

以下は、今年4月の出来事です。


HTB「イチオシ!」の生放送のスタジオに、きゃりーぱみゅぱみゅ
サンがやってきた。

番組の始めから終わりまで、司会のヒロさんとコメンテーターの私の間に、きゃりーぱみゅぱみゅサンが座っておりました。

いい子でした(笑)。

「人としての“基本”がしっかりしてるなあ」というのが印象です。

多分きちんとした家庭で、きちんとしたご両親に、きちんと育てられたのだと思います。

バレエを習い、陸上部で短距離をやり、サメ図鑑を見るのが楽しみで、野菜の一部が苦手で、ファッションが大好きな女の子。

頭の回転は速く、反応も鋭い。

周囲への気配りも自然にできる。

それから、敬語の使い方も上手です。

睡眠は4時間くらいで、でも毎日が楽しくて、京都に修学旅行で行ったことがあって、学校の制服がブレザーだったからセーラー服に憧れていて、日曜日に高校時代の友達と会いたいけど、みんなバイトなんかで忙しいんです・・・・と、言っていました。

で、なんだか、とっても、いい子でした(笑)。

ファースト・アルバムが出て、これから全国各地でライブだそうです。

がんばれ、きゃりーぱみゅぱみゅ。

(碓井広義ブログ 2012年04月28日)




・・・・というわけで、たかが紅白、されど紅白(笑)。

おめでとう!SKE48。

おめでとう!きゃりーぱみゅぱみゅ。




今週の「読んで、書評を書いた本」 2012.11.27

2012年11月27日 | 書評した本たち

三島由紀夫に関する本のことを、私は“三島本”と呼んでいます。

毎年、命日の11月25日までに、必ず何冊かが出版される三島本。

今年読んだソレは、以下の3冊です。



椎根 和 
『完全版 平凡パンチの三島由紀夫』 河出書房新社

5年前に、新潮社から出版されたものに、新たな部分が加わった。




ジェニフェール・ルシュール:著、鈴木雅生:訳
『三島由紀夫 <ガリマール新評伝シリーズ>』 祥伝社新書

柴田勝二 
『三島由紀夫 作品に隠された自決への道』 祥伝社新書

祥伝社新書から、三島本が同時に2冊ってところが面白い。



今週の「読んで、書評を書いた本」は、以下の通りです。

石持浅海 『扇動者』 実業之日本社

中川恵一『放射線のものさし~続・放射線のひみつ』朝日出版社

酒井順子 『この年齢だった!』 集英社

玄侑宗久 『中途半端もありがたい 玄侑宗久対談集』 東京書籍

* 上記の本の書評は、
  発売中の『週刊新潮』(11月29日号)
  ブックス欄に掲載されています。


2012年11月25日の「陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地」

2012年11月25日 | 本・新聞・雑誌・活字

今日、11月25日は日曜だったが、推薦入学試験があり、終日、
大学にいた。

晴天。


三島由紀夫の命日だ。

1970(昭和45)年11月25日、享年45。



昼12時すぎ。

42年前の今日、三島が自決した時間だ。

試験と採点の合間、一瞬、研究室に戻る。

窓の外には、いつもの風景が広がっている。

その中に見える、「陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地」(現・防衛省本省)
に向かって、合掌した。


この土日は「推薦入学試験」

2012年11月25日 | 大学

この週末、24日(土)、25日(日)は入試です。

推薦入試ですが、複数のタイプが行われます。

公募推薦、指定校推薦、外国人、そして編入など。






内容は学科試問(筆記試験)と面接。

特に面接は、受ける側も、試験をする側も、まさに真剣勝負でした。

受験生の皆さん、おつかれさま。





故郷での同窓会

2012年11月24日 | 日々雑感

先週に続き、信州へ。

中学校の同窓会(学年全体)が開かれたのでした。

私たちは1970年3月の卒業なので、42年前になります。

いつの間に、そんな時間が(笑)。

数年後には定年というメンバーも多いのですが、まあ、みんな元気なこと。

今回は、私のクラスが幹事だったこともあり、ご指名により、ミニ講演のようなものをさせていただきました。

中身は、これもリクエストで、担任だった浜光雄(童話作家・はまみつを)先生にまつわるお話。

先生は昨年亡くなってしまいましたが、話をしながら、ふと、すぐ隣にいるような感じがしました。

私の、準備もなしの、出たとこ勝負の話を聞いて、笑っていたんだな、きっと。

同窓会が終わって、クラスごとに、あちこちの店に散って2次会となり、私も何人かのクラス仲間と移動。

着いたのは、平日は会社勤めの同級生が、週末だけ開くという、隠れ家のようなお店でした。

上の写真は、そこでの1枚。

並んでいる、”お嬢さん”たちは、もちろん私のクラスメイトです。

皆さん、42年前と変わらず、パワフル&エレガントで、「こういうお店があったら、通っちゃうかも」と一瞬、思ったりしました(笑)。


2012年11月22日の夕景 (四谷から見た新宿~富士山)

2012年11月23日 | 日々雑感


ドラマのシナリオを使って

2012年11月23日 | 大学

「テレビ制作」は新聞学科の科目ですが、「視聴覚教育」は他学部の学生たちが履修者です。

実験的に、ドラマのシナリオを使ってスタジオ実習を行いました。

放送で使われたシナリオのワンシーンを、自分たちで独自の“カット割り”をして、撮影。

皆、本当の初心者なのですが、プロに負けないような(笑)、なかなか見事な流れのグループもあって、面白かったです。








「月刊民放」(2012年11月号)での放送時評 

2012年11月22日 | 「月刊民放」「民間放送」連載の放送時評

日本民間放送連盟が発行している「月刊民放」。

発売中の11月号から、「放送時評」の連載が始まりました。

複数の執筆者の持ち回り形式なので、今後、数か月に1度の割合で、順番が回ってくるはずです。

今回は最初ということもあり、このところテレビに関して思っている
ことを、どどどっと(笑)書かせていただきました。


「大人」にとってのテレビドラマ

前クールの連続ドラマはやや寂しかった。特に大人の男が見続けたいものが少なかった。周囲からも「なぜ自分たち大人の見るドラマがないんだ?」と度々聞かれた。まさか「ドラマは若者を相手に作られているんです」とか、「テレビはあなた方をターゲットにしていません」などと言えるはずもない。

その一方で、若い人たちがテレビを、中でもドラマを見ていない。それは、たとえばNHK世論調査部の「20代男女と30代男性の1割以上がテレビを全く視聴していない」「20代女性のテレビ視聴時間は10年前と比べて25%以上も減っている」といった調査結果を見なくても、日常的に接している学生たちに聞いてみるとよくわかる。しかも制作側がまさに「若者向け」として作っているものほど、当の若者たちが素通りしている。送り手が考える「受取り手」と、実際のそれとの間が、かい離しているように思えてならない。

もう一つ、気になるのが視聴形態だ。地デジになって、以前よりも録画で見る人が明らかに増えている。何しろ、あの番組表も、ワンプッシュの録画予約も、どんどん放り込めるハードディスクも実に便利だ。しかも、かつての録画機はいかにも「録画したものを見る」という画質だったが、今は地デジ効果でオンエアと見間違えるほどだ。「自分の都合」に合わせて、オンエアと変わらない「高画質」で、「自分が選んだ番組」を見られる快適さは誰も否定できない。

しかし、テレビの側はあくまでも「リアルタイム視聴」を前提とした長年のビジネスモデルを堅持している。録画して見ている視聴者を「頭数」から外した番組作りを行っている。「タイムシフト視聴」という視聴者(スポンサー企業から見れば消費者)の動向を無視しており、ここにもまた大きなかい離があるようだ。

乱暴なことを言えば、テレビは戦争末期の軍部のようになっていないだろうか。現実を正確に見ることを避け、自分たちが描いたストーリーに固執し、白を黒と言い続けて多大な犠牲者を生んだ戦争指導者たち。NHKスペシャル「終戦なぜ早く決められなかったのか」の中で、「無理だと思っていたが、自分からは言えなかった」と語る彼らと今のテレビが重なってくる。

テレビも、そろそろ現実と向き合ったほうがいい。「消費活動の主役は若者層で、彼らは送り手の都合に合わせてテレビの前に待機しており、番組を見るだけでなく、そこで流されるCMに刺激されてモノをばんばん買ってくれる」というストーリーが、自分たちの思っているほど成立してはいない現実と。

今テレビを見ているのは、若者より遥かに多数の大人たちだ。生活における携帯電話やスマートフォンの重要度が高い若年層をテレビに向ける努力は必要だが、テレビの重要度が高い年齢層をもっと大切にすべきではないか。ドラマに関しても、「若者にウケたい」「(見たけりゃ)大人も見ていい」ドラマだけでなく、「大人が見たい」ドラマを意識して作り出すことが必要だと考える。


・・・・以下、略。

続きは、ぜひ本誌をご覧ください(笑)。




「ソフィア文学館」撮影快調!? パート2

2012年11月22日 | 大学

実習授業「テレビ制作Ⅰ」で進行中の映像制作「ソフィア文学館」。

今日のチームが撮影しているのは、瀬尾まいこ「温室デイズ」です。

中学校が舞台で、いじめ問題を扱った作品であり、彼らがそれを
どんな風に“紹介”してくれるのか。









撮影中のメンバーの後ろにいるのは、湘南学園高校の2年生たち。

本学に在学中のOGの引率で、スタジオ見学に来てくれました。

ありがとう。

再来年の春、キャンパスで会えるのを楽しみにしています(笑)。


美味しいグルメドキュメンタリードラマ「孤独のグルメ」(テレ東)   

2012年11月21日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載中の番組時評「TV見るべきものは!!」

今週、書いたのは、テレビ東京「孤独のグルメ シーズン2」です。


孤独のグルメ シーズン2
「職業人」でも「家庭人」でもない
自由な自分がそこにいる

水曜の深夜23時58分という半端な時間に始まるテレビ東京「孤独のグルメ シーズン2」。これが結構クセになる。

登場するのは井之頭五郎(松重豊)ほぼ一人。個人で輸入雑貨を扱っているが、松重の仕事ぶりを描くわけではない。商談のために訪れる様々な町に実在する食べ物屋で、フィクションの中の人物である松重が食事をするのだ。テレビ東京は「グルメドキュメンタリードラマ」と称している。

番組のほとんどは松重が食べるシーンで、そこに彼の“心の中の声”がナレーションされる。たとえば先週放送した京成小岩駅近くの四川料理「珍珍」。松重が食べたのは「豚肉のニンニクタレかけ」「魚の四川漬物煮込み」など実際にこの店で出している品々だ。

さらに他の客の水餃子を目にした松重は、「見るからにモチモチした皮。口の中で想像がビンビンに膨らむ。たまらん。たまらん坂(田原坂?)」などと内なる声を発し続ける。この“とりとめのなさ”が何とも心地いい。

常に一人で食事をする松重(設定では独身)だが、そこにいるのは「職業人」としての自分でも「家庭人」としての自分でもない。いわば本来の自分、自由な自分だ。それが大人のオトコたちには実にうらやましいのである。

誰の目も気にせず、値段や見かけに惑わされず、うまいものを素直に味わうシアワセがここにある。

(日刊ゲンダイ 2012.11.20)

大学キャンパスの「クリスマス・イルミネーション」、開始

2012年11月21日 | 大学

四谷駅近くの、新宿通りに面した、上智大学の北門。

今年も、クリスマスに向けてのイルミネーションが始まりました。