碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

さよなら、鈴木先生

2011年06月30日 | テレビ・ラジオ・メディア

札幌への出張中に、テレビ東京「鈴木先生」が最終回を迎えた。

録画してあったものを見る。



鈴木先生の“出来ちゃった結婚”をめぐって、クラス全体で討議が行われた。

まあ、その意見の応酬と、らせん状に進展していく議論の面白いこと。

こんな“ディスカッション・ドラマ”、そうそうあり得ない。

制作陣、そして長谷川博己をはじめ生徒たちキャストも、よくぞ頑張った、と思う。



もちろん、この内容で反発、反感を買わないはずはないが(笑)、テレビドラマというものが、その気になれば、ここまで表現できることを示したわけで、私はやはり高く評価したい。

拍手です。

そして、おつかれさまでした。






<このブログ内での関連記事>

2011年05月10日
目が離せないぞ、ドラマ「鈴木先生」
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/f55aad0f84038a647d371f6786e3c1bd

2011年06月02日
「金八先生」の退職と「鈴木先生」の登場
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/71a5f565d9b3a02855a895cc5bf1b574

2011年06月10日
『読売新聞』で、ドラマ「鈴木先生」についてコメント
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/1185590893ff79d4930cadf4619efb83

テレビドラマの黄金時代

2011年06月30日 | 「東京新聞」に連載したコラム

『東京新聞』に隔週で連載しているコラム「言いたい放談」。

雑誌からの問いに答えたことがきっかけとなった、「70年代~80年代はじめのドラマ」をめぐる考察です。


テレビドラマの黄金時代


雑誌から取材を受け、この半世紀に放送されたドラマの中から「私のベストテン」を選ぶことになった。

さあ、大変。

何しろ五十年分となれば膨大な本数になる。

思い入れのあるドラマ、自分にとっての名作を十本に絞るのは至難の業だ。

それは実につらくて楽しい作業となった。

ようやく選び終えた時、ふと気がついた。

そのほとんどが一九七〇年代から八〇年代はじめの放送だったのだ。

七〇年「時間ですよ」、七三年「それぞれの秋」、七四年「傷だらけの天使」、同「バラ色の人生」、七五年「俺たちの旅」、七七年「岸辺のアルバム」。

そして八一年「北の国から」、八三年「金曜日の妻たちへ」、同「ふぞろいの林檎たち」である。

では、なぜこの時期に集中したのか。

まず<脚本家の時代>だったことがある。

右記のドラマは倉本聰、山田太一、向田邦子、鎌田敏夫、市川森一など錚々たる書き手によるものだ。

しかも当時彼らは壮年期であり、まさに脂がのりきっていた。

ドラマの成否が脚本で決まることをあらためて実感する。

また演出家たちも豪華だった。

TBSの大山勝美、鴨下信一、久世光彦、フジテレビの杉田成道など実力派が競い合っていたのだ。

刺激的な脚本と達意の演出に役者たちも熱くならないはずがない。

かくして“テレビドラマの黄金時代”が現出したのである。

(東京新聞 2011.06.29)

ドラマ「リバウンド」と、“「レガッタ」の呪い”

2011年06月29日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載中の番組時評「テレビとはナンだ!」。

今回は、日本テレビの連ドラ「リバウンド」について書きました。


視聴率はパッとしないが
超丸ポチャ女を演じる相武紗季はいい


連続ドラマ「リバウンド」(日本テレビ)の主演は相武紗季だ。

相手役は速水もこみち。

この組み合わせはすでに3度目である。

最初は06年の「レガッタ~君といた永遠~」(テレビ朝日)だ。

ボート部マネージャーと有力選手だったが、平均5%台という低視聴率で沈没。途中で打ち切りとなった。

当時の速水に「陰のあるスポーツ選手」という役柄は難しかったのだ。

2度目は08年の「絶対彼氏~完全無欠の恋人ロボット~」(フジテレビ)で、派遣OLとその恋人だった。

この時は速水をロボットにするという奇策が功を奏し、平均視聴率13%台と善戦した。

そして今回はケーキ依存症の女の子とパティシエだ。

二人の恋愛模様をダイエットとリバウンドの揺れ動きにからめて描いている。

相武が体重78キロのおデブさんに変身する特殊メイクが話題となっているが、それだけじゃない。

結婚と仕事、友情と恋、家族と自分など、20代の女性たちが直面する課題をさりげなく織り込んでいるのだ。

いわば成長物語である。

これまでの平均視聴率は11%台で、パッとするものではない。

しかし、超丸ポチャのリバウンド女さえ愛すべき存在に見せてしまう相武のコメディエンヌぶりが数字を補っている。

速水も相武に引っ張られる形で好演。

忌まわしき“「レガッタ」の呪い”からの脱出を果たせるかもしれない。

(日刊ゲンダイ 2011.06.27)


北海道・富良野で、対談「倉本聰vs.鈴井貴之」を収録

2011年06月28日 | テレビ・ラジオ・メディア

札幌から富良野へ。

倉本聰さんと鈴井貴之さんの対談を収録した。

鈴井さんが「どうしても会いたかった」という倉本さんを、富良野塾のアトリエに訪ねるという形だった。

対談のテーマは「テレビ~創るということ」。

窓の外に森の緑が見え、木の香りのする室内で、二人はじっくりと語り合った。

鈴井さんが、先日観たばかりの舞台「帰国」(脚本・演出=倉本聰)の感想を伝える。



倉本さんが、「北の国から」などを例にして、“創作”に対する考え方を述べる。



 知識と金で、前例にならってつくるのが「作」。
 金がなくても智恵で零から前例にないものを
 生み出すのが「創」。


また鈴井さんが、自らの仕事の中で感じてきた、現場感覚を告白する。

そして倉本さんが、テレビはなぜ“現在のような状態”になったのかを冷静に分析していく。



こうして、休憩をはさむ余地もないほど白熱、かつ和気あいあいとした対談が続いた。

プロデューサーとして私が意図したのは「テレビによるテレビ論」だったが、予想以上の展開内容であり、「何かを生み出すこと」に対する真摯な探求の場となった。

この対談は、近々番組として放送する予定。

放送日など詳細は、あらためて告知させていただきます。




劇場スクリーンで『タクシードライバー』

2011年06月27日 | 映画・ビデオ・映像

札幌の映画館で『タクシードライバー』(1976年)と再会した。

スクリーンでの『タクシードライバー』。

リアルタイムで観た大学生のとき以来だ。

「午前10時の映画祭」のおかげです。

監督はマーティン・スコセッシ、主演はロバート・デ・ニーロ。

デ・ニーロ演じるトラヴィスが26歳で、海兵隊員としてベトナム戦争に参加し、ついこの間除隊したばかりという設定も、映画を見ながら思い出した。

彼の喪失感というか、孤独感も、そんな時代と深くリンクしていたわけだ。

少女娼婦役のジョディ・フォスターは撮影の頃は13歳。

しかし、その演技やはりはハンパじゃない。

ラスト近くの修羅場は、今観ると大人しいくらいだが、その“いきなり感”の衝撃はかなりのものだ。

それから、大好きなオープニング。

路上の蒸気の中から、イエローキャブがゆっくりと現れる。

そしてバーナード・ハーマンの“泣かせる”サックスの音色。

いやあ、スクリーンで観られた(聴けた)こと、感謝です。

新十津川町の「かぜのび」にて

2011年06月26日 | 日々雑感

札幌から新十津川町へ。

6月にプレオープンした、アート空間「かぜのび」に行ってきた。

「かぜのび」は、アーティスト五十嵐威暢さんのアートワークと、そのディレクションのもとに多くの一般のボランティアの力を借りて全員でつくる作品による進行形のアート空間だ。

新十津川町の吉野小学校跡を改修した施設で、7月17日にグランドオープンの予定。

現在、館内には、五十嵐さんの新作「思い出せない白の伝説」などが展示されている。



これはテラコッタの壁面彫刻(3 x 21m)だ。

作品と向き合っていたら、思わず瞑想したくなってきた。


<風の美術館 igarashi artwork kazenobi について>

「風の美術館」は、「人と自然の関係を模索し、日常風景の中にアートを実現する」ことをコンセプトとして、アーティスト五十嵐威暢の北海道各地に設置された作品によって構成されるウェブサイト上のヴァーチャルな美術館です。

道内に点在する作品情報をサイトで手に入れ、実物を鑑賞することもできます。

風の美術館の中心施設が新十津川町の吉野小学校跡を改修した「かぜのび」です。

3つある展示室には、特別に制作された作品が設置されます。

「風の美術館」および「かぜのび」は、一般社団法人風の美術館が運営しています。

http://www.kazenobi.org/




放送番組コンクールのグランプリ受賞番組を一挙放送

2011年06月25日 | テレビ・ラジオ・メディア

ギャラクシー賞をはじめ、芸術祭賞、民放連盟賞など
放送番組コンクールのグランプリ受賞番組を一挙に放送する
「ザ・ベストテレビ」(NHKプレミアム)が、
6月25日(土)、26日(日)に放送されます。

この一年間の秀作をまとめて視聴できる、またとない機会です。

26日(日)には、
先日のギャラクシー賞贈賞式でテレビ部門大賞に輝いた、
秋田放送「夢は刈られて~大潟村・モデル農村の40年」が放送されます。

番組は12時開始、ギャラクシー賞受賞作は13時過ぎの放送です。

各賞受賞番組を、ぜひご視聴ください!

なお、7月2日(土)、3日(日)には、同企画のラジオ版
「ザ・ベストラジオ」(NHK第一)も放送されます。

BSプレミアム「 ザ・ベストテレビ 2011 」
第1部 6月25日(土) BS プレミアム 後 0:00~後 5:00
第2部 6月26日(日) BS プレミアム 後 0:00~後 3:30

■ 放送するグランプリ番組

第1部 6月25日(土) BS プレミアム 後0:00~5:00

◆日本民間放送連盟賞 テレビ教養番組 最優秀
映像’10 「きほとみずき ~大人の階段 車いすで駆けのぼる~」
(毎日放送)
◆日本民間放送連盟賞 テレビ報道番組 最優秀
BBT スペシャル 「不可解な事実 ~黒部川ダム排砂問題~」
(富山テレビ放送)
◆ATP賞テレビグランプリ2010 ドキュメンタリー部門 最優秀賞
特集番組 「二本の木」(NHK・NHKエンタープライズ)
◆文化庁芸術祭賞 テレビ・ドキュメンタリー部門 大賞
NHK スペシャル 「密使 若泉敬 沖縄返還の代償」(NHK)


第2部 6月26日(日) BS プレミアム 後0:00~3:30

◆「地方の時代」映像祭2010 グランプリ
「笑ってさよなら ~四畳半 下請け工場の日々~」(中部日本放送)
◆ギャラクシー賞 テレビ部門 大賞
NNN ドキュメント’11「夢は刈られて ~大潟村・モデル農村の40年~」(秋田放送)
◆放送文化基金賞 テレビドキュメンタリー番組 本賞
NHK スペシャル 「封印された原爆報告書」(NHK広島放送局)


今週の「読んで書いた本」 2011.06.25

2011年06月25日 | 書評した本たち

札幌の古本屋さん「石川書店」が閉店してしまった。

この街に来た時の、大事な楽しみの一つだったのに、残念でならない。

以前何度か、女将さんから、高齢化に伴う店じまいの可能性を伺ってはいたが、実際に閉じられたままのシャッターに閉店の張り紙を見ると、本当に寂しい。

石川書店とのおつき合いは10年にはなる。

その間、この店の棚で、表のワゴンで、たくさんのいい本と出会えた。

今は、そのことに感謝するしかない。

ありがとうございました。


「今週、読んで(書評を)書いた本」は、以下の通りです。

車谷長吉
『人生の四苦八苦』 新書館

現代演劇協会:監修
『福田恆存対談・座談集 第一巻 新しき文学への道』 
玉川大学出版部

野口裕之
『野口裕之の「安全保障読本」』 PHP研究所

桐山秀樹
『糖質制限ダイエットで何の苦もなく糖尿病に勝った!』 扶桑社新書



・・・・桐山さんの本は、読むだけじゃなく、実践してみたくなる。

いやホントに(笑)。


* 上記の本の書評は、発売中の『週刊新潮』最新号(6月30日号)に掲載されています。

本日、北海道の3番組に生出演

2011年06月24日 | テレビ・ラジオ・メディア

昨日の夕方、授業を終えて、急ぎ羽田へ。

フライトは順調。

新千歳空港での着陸は、ほとんど着陸したことを感じさせないという、これまで300回くらい経験した中で、ベスト5に入る見事なものでした。

まだまだJALには優秀なパイロットがいるわけですね。

思わず拍手!(笑)

で、札幌に到着しました。

外は雨で、涼しい(笑)。


今日24日(金)、いつもの3番組でコメンテーターであります。

早朝6時25分から、HTB北海道テレビ「イチオシ!モーニング」。

午前中は、9時55分からUHB北海道文化放送「のりゆきのトークDE北海道」。

そして午後、再びHTBに行き、15時45分から「イチオシ!」。

道内の皆さん、よろしくお願いします!


歴代テレビドラマ「私のベストテン」

2011年06月23日 | メディアでのコメント・論評

雑誌から、アンケートの依頼があった。

この50年間のテレビドラマの中から、「私のベストテン」を選ぶというものだ。

ドラマ50年分!

こりゃ大変だあ(笑)。

難しいよなあ。

悩むよなあ。

でも、なんて辛くて楽しい作業なんだろう(笑)。

ようやく選んで回答した「MY・べストドラマ」10本は、以下の通りです。


歴代テレビドラマ「私のベストテン」


1位 「北の国から」81年
ドラマの成否は脚本にかかっていることを、あらためて実感する。倉本聰の脚本は、20年にわたって「ドラマの登場人物たちと同時代を生きる」という稀有な体験をさせてくれた。

2位 「岸辺のアルバム」77年
企業人としての父。女としての母。家族は皆、家の中とは違った顔を隠し持っている。それは切なく、また愛すべき顔だ。多摩川を流れていく家々の映像と、ジャニス・イアンが歌う「ウィルユー・ダンス」が忘れられない。

3位 「それぞれの秋」73年
最も身近な存在でありながら、家族の素顔や本心をどれだけ知っているのか。それまでのホームドラマでは見ることのできなかった家族の実像をクールに、そして優しく描ききっていた。

4位 「俺たちの旅」75年
フリーターという言葉もなかったこの時代、組織になじめない若者たちの彷徨を描いて秀逸だった。カースケ、オメダ、グズ六の三人が、今もこの国のどこかで生きているような気がする。

5位 「金曜日の妻たちへ」83年
日常の中にあるエロスを再発見し、日本人の恋愛観を変えた1本。特に女性の不倫に対するハードルを下げた功績(?)は大きい。

6位 「ふぞろいの林檎たち」83年
“フツーの大学生”の実態を、残酷かつユーモラスに見せてくれた。「いとしのエリー」もドラマのテーマ曲ベスト10に入る。

7位 「バラ色の人生」74年
自分は何がしたいのか、何ができるのか。モラトリアムの時間を生きる若者たちの姿が、ジョルジュ・ムスタキ「私の孤独」の歌声と共に記憶に残る。松方弘樹にさらわれる前の仁科明子が可憐だった。

8位 「時間ですよ」70年
“ドラマの黄金時代”ともいうべき70年代の幕開けを告げた1本。「松の湯」の脱衣所にドキドキし、堺正章と悠木千帆(現・樹木希林)の掛け合いに笑った。天地真理が登場したのは翌年の第2シリーズだったが、確かに可愛かった。

9位 「傷だらけの天使」74年
オープング映像のカッコよさにぶっ飛んだ。ショーケン(萩原健一)、水谷豊、岸田今日子、そして怪優・岸田森。市川森一や鎌田敏夫といった脚本家たち。深作欣二や工藤栄一などの監督陣。これで面白くないはずがない。

10位 「七人の孫」64年
少子化社会とは無縁の元祖“大家族ドラマ”。高橋幸治、いしだあゆみ、島かおり、勝呂誉などの孫たちもよかったが、一家の象徴ともいうべき森繁久弥の爺様が最高だった。


震災・原発事故による復刊

2011年06月22日 | 本・新聞・雑誌・活字

今回の震災、そして原発事故は、さまざまなジャンルに影響を与えているが、出版界もまたその一つだ。

地震、津波、原発、原発事故、原子力、放射能といった文字がタイトルに入った新刊が膨大に出されている。

ちなみに、放射能・放射線関係で、最もわかりやすく、信頼感があったのは、東大放射線科准教授の中川恵一さんが書いた『放射線のひみつ』(朝日出版社)でした。


そして、過去に出版された本の中から“復刊”という形で、店頭に並んだものも多い。

本日入手したのは、そんな2冊。

田原総一朗さんの『原子力戦争』(ちくま文庫)と、寺田寅彦の『天災と国防』(談社学術文庫)だ。

とくに1976年に出版された田原さんのこの本には、政府、官僚、電力会社、地方といった、現在に通じる原発をめぐる利権構造が、きっちり描かれています。

売れない芸人の「低収入ぶり」で笑えるか

2011年06月21日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載中の番組時評「テレビとはナンだ!」。

今回は、TBS「奇跡ゲッター ブットバース!!」を取り上げました。


売れない芸人の月収をネタにして
何が面白いのか


土曜夜8時といえばかつてはゴールデンタイムの王様だった。

とくにTBSは「8時だヨ!全員集合」というお化け番組を擁して、長年この王座に君臨したものだ。

現在は「奇跡ゲッター ブットバース!!」を放送中。

スタート時は「これは奇跡だ!という人物や現象をお届けする」とのフレコミだったが、今やほとんど迷走状態だ。

先週の「芸人どん底月収ベストテン~夫を支える芸人いい妻NO.1決定戦」もひどかった。

もっとも低かった月収を「どん底月収」と名付け、ランキング形式で当の芸人とその妻を紹介していくのだ。

芸人で収入が低いのは売れていないからで、視聴者は名前も顔も知らない芸人ばかりを見せられることになる。

第3位は「くらげライダー」の松丘慎吾で、どん底月収9800円。

第2位のラジバンダリ西井は7500円。

そして第1位が元「R(ろっこつ)マニア」の松丘慎吾で、スバリ0円。

だが、これのどこを笑えというのだろう。

ちなみに司会はネプチューンだが、彼らは立派な収入を得ているはず。

また、この番組のプロデューサー氏の父親はTBSの朝番組を仕切るみのもんたで、ギャラが高額なことで有名。

そういうスタッフや出演者が、売れない芸人はそんなものだとして、低収入ぶりを笑いのネタにしている。そのセンスが情けない。

土曜8時が泣いている。

(日刊ゲンダイ 2011.06.19)


・・・・“土曜8時が泣いている”と書いたが、まさに実感。

それこそテレビの、というか電波の使い方として、いかがなものか。

時節柄(?)、「見せるべきものがないなら節電のためにお休みしたら」と言われた際も、反論が難しいような1本でした。

三笠の炭鉱跡→札幌→千歳→羽田

2011年06月20日 | 日々雑感

富良野から札幌へと戻る途中、三笠の炭鉱跡に立ち寄った。

その一つが「旧 住友奔別炭鉱立坑」だ。

奔別炭山は明治13年に発見、明治35年から開坑に着手された。

昭和46年に閉山するまで、約70年も石炭を掘り続けた場所だ。



往時の立坑の高さは約50メートル。東洋一を誇った。

今は完全な廃墟だ。

鳥の声だけが響いていた。

原発事故以来、エネルギー問題が云々されているが、誰もいない“産業遺跡”に立っていると、様々なことを考えさせられた。




そして、札幌から千歳へ。

空港に行く前に、「お食事処 柳ばし」で昼食。



今日は、久しぶりの「とんかつ定食」に、お母さんが庭で育てた野菜だ。

店内は満員で、いつものカウンター席には座れず、お座敷でいただいく。



ごちそうまさでした。


北海道・富良野で、脚本家の倉本聰さんと

2011年06月20日 | テレビ・ラジオ・メディア

北海道に来ています。

この時期、梅雨のない北海道の爽やかさは、とても嬉しい。




今回の目的は、富良野で脚本家の倉本聰さんとの打ち合わせだ。

演出の藤島保志ディレクター(アウンビジョン)と一緒に、現在準備中のテレビ番組に関する話し合いである。

場所は富良野演劇工場。



現在、舞台『歸國』の上演中で、演出を兼ねる倉本さんとは、終演後にお会いすることになっている。

で、まずは観劇となった。



過日、TBSのドラマ版『歸國』を見たのだが、どうにも納得いかなかった。

しかし、ドラマの原作であるこの舞台を見て、今度は大いに納得、そして満足できた。

やはり、この作品は舞台こそが本来の姿だったのだ。

現在の東京に現れた“英霊たち”の心情もストレートに伝わってきた。

恐るべし、舞台のチカラ。

そして、ようやく倉本さんとの面談となる。



1983年に、倉本さん脚本のスペシャルドラマ『波の盆』の制作に参加して以来、倉本さんは私にとって、ずっと師匠の一人だ。

有難いことに、30年近くも親しくしていただいている。

そして、『波の盆』に携わった吉川正澄プロデューサー、実相寺昭雄監督、さらに児童文学者・はまみつを先生といった“師匠たち”が皆、鬼籍に入った今、倉本先生(と私は呼んでいる)は、ますます貴重な“我が師”なのである。

打ち合わせとしては、番組内容はもちろん、撮影スケジュールまでを、短時間で確認し合うことが出来た。

ちょっとびっくりするような1本になるのでは、と自負している。

詳細は、いずれ発表しますが、「乞う、ご期待!」です(笑)。




放送批評懇談会の総会に出席

2011年06月19日 | テレビ・ラジオ・メディア

平河町のホテルで、放送批評懇談会の通常総会が開催された。

放懇(ほうこん)はNPO法人だが、この総会は、会社なら株主総会みたいなもので、運営上の最高議決機関だ。

昨年度の事業報告や収支決算、また今年度の事業計画や収支予算が議案だった。

ギャラクシー賞各部門の委員長も、報告を行い、計画について説明する。

私は、「報道活動部門」の課題として、この部門自体の一層の周知と、応募の増加を図ることを挙げさせていただいた。

全国の地上波テレビ局、ラジオ局、BS・CS局、ケーブルテレビ局、制作会社、その他さまざまな団体の皆さん、どうぞよろしくお願いします。