碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

毎日新聞で、「あまちゃん」の盛り上がりについて解説

2013年09月30日 | メディアでのコメント・論評

ああ、終わっちゃった・・・・
「あまロス」広がる 
「また見たい」DVD予約10倍

28日に終了したNHK連続テレビ小説「あまちゃん」が大きな盛り上がりを見せている。ツイッターで著名人がつぶやき、漫画家が描いたイラスト「あま絵」も登場。放送後に番組をインターネット配信するNHKオンデマンドにもアクセスが殺到した。メディアの専門家は「見た人と話がしたくなるドラマだった」と振り返った。
【岩崎信道、有田浩子、土屋渓】

扶桑社のファンブック「おら、『あまちゃん』が大好きだ!」には、岩手県の達増拓也知事やアニメ監督の富野由悠季さんらの寄稿が並ぶ。発売前から予約が殺到、発行部数は累計6万部。同社は「皆さん快く原稿を寄せてくれた。いかにドラマが愛されていたかが分かる」と話す。

朝あま、昼あま、夜あま、週あま−−。ツイッターにはこんな言葉が飛び交った。地上波、BSの計1日4回と土曜午前の1週間分をまとめた放送を、生活スタイルに合わせて見た人たちの声だ。東京・渋谷のNHKスタジオパークで開催中の番組企画展を見に来た京都市の主婦、石原恵子さん(52)は「朝に続けて2回見てしまう日もあった」。人出は通常の1.5倍だ。漫画家の青木俊直さんが毎日の放送をイラストにした「あま絵」をネットで公開すると、ファンの間でイラストの投稿が流行した。

番組終了後の喪失感を表す「あまちゃんロス症候群」も指摘される。単身赴任の夫と無料通信アプリLINE(ライン)で感想を言い合っていた愛知県の主婦、吉田淳子さん(40)は「毎朝の日課がなくなって寂しい」。東京都練馬区の高校3年、朝長真吾さん(18)は「学校で毎日話題になった。ポッカリ心に穴が開いた感じ」。

こうした思いは、NHKオンデマンドへのアクセス数やDVDの売れ行きに反映されている。NHKによると、8月には1日のアクセス数が1万件を超す日もあった。27日に発売されたDVDの予約は約1万6000セット(12日現在)と、過去の朝ドラの10倍近い人気ぶりだ。

社会現象ともいえる盛り上がりについて、朝ドラ歴50年の碓井広義・上智大教授(メディア論)は「まずは脚本の明るさ。次に魅力的なキャスト。それと1980年代と現在の、新旧ポピュラー文化を取り込み、知らない人には新鮮に感じられ、友人や家族のコミュニケーションのツールになった」と要因を指摘する。

小ネタがちりばめられ、碓井教授も1日に繰り返し見たという。「中身が濃くてテンポがいいので、すっと見てしまうだけではもったいなくて、細かい仕掛けをピックアップしたかった。見る人の年齢や知識によってそれぞれの発見があったのも大きい」


(毎日新聞 2013.09.29)


28日 新聞夕刊も一面で「あまちゃん終了」

2013年09月29日 | テレビ・ラジオ・メディア


「あまちゃん」最終回を見て

2013年09月29日 | テレビ・ラジオ・メディア

本当に、ついに、「あまちゃん」が終わっちゃいましたねえ。

いやあ、来週からの<「あまちゃん」不在の日々>を思うと、さすがに寂しい。

特に、朝が辛いかも。

ま、これが世にいう「あまレス症候群」でしょうか(笑)。




今週は、あれや、これや、これまでの物語のすべてに“決着”をつけながらの進行。

納まるべきものは納まり、変わるべきものは変わっていく・・・・

最終回。

特にラストは強い印象を残しました。

トンネルの向こうの光は象徴的です。

アキとユイの2人が、そして北三陸の人たちが向かうべき未来がそこにあるような・・・・


 ユイ 「あしたも、あさっても、あるもんね」

 アキ 「あしたも、あさっても、来年もある。
     今はここまでだけど、
     来年はこっから先にも行けるんだ」





エンディングは堤防を走る2人。

がんばれよ!と、つい画面に向かって声援(笑)。

「おしまい」の文字に、感謝の拍手を送りました。

半年間、ありがとう!


【気まぐれ写真館】 新千歳空港

2013年09月29日 | 気まぐれ写真館

今月も千歳市の「柳ばし」で

2013年09月29日 | 日々雑感

札幌からの帰り。

今月も、千歳市の「柳ばし」に寄ることができました。

同じカウンターに座って、もう10年を超す。

おとうさん、おかあさんと雑談しながらする食事は、やはり楽しい。

本日のスペシャルメニューは、サーモンとほたてのフライと、ブリのお刺身。

フライは当然だが、ブリも美味しかった。




帰り際に、おかあさんが渡してくれたのが手編みのベスト。

千歳赴任時代も、何枚も編んでもらっており、よくそれを着て番組に出ていました。

いただいた新作ベストは、BSジャパン「金曜オトナイト」の11月放送分あたりで着ようと思っています。

BSは全国放送だから、北海道でも見てもらえるのだ。

というわけで、今回も「いってらっしゃい!」の声に送られて空港へ。

ごちそうさまでした!


【気まぐれ写真館】 札幌 : 電波塔と月

2013年09月28日 | 気まぐれ写真館



「イチオシ!モーニング」に、ヒーロー現る!

2013年09月28日 | テレビ・ラジオ・メディア

スタジオに登場したのは、「サーモンファイター・ルイベ」。

石狩市からやってきたローカルヒーローで、サケの守護神、サケの化身なのだ。

悪の密漁組織【ユルクナイ軍団】と戦っているらしい(笑)。

この週末は「石狩さけまつり」もあることだし、ぜひ頑張っていただきたいと思います。






28日(土)朝、HTB「イチオシ!モーニング」出演

2013年09月28日 | テレビ・ラジオ・メディア

本日朝、HTB北海道テレビ「イチオシ!モーニング」に出演。

7時からの生放送です。

28日(土)「あまちゃん」最終回

2013年09月28日 | テレビ・ラジオ・メディア

NHK朝ドラ「あまちゃん」、ついに今日が最終回だ。

どう大団円を迎えるのか。


取材の予約、数件あり。

HTB「イチオシ!」で

2013年09月28日 | テレビ・ラジオ・メディア

最近の北海道で話題となっているのは2つです。

1つは、連続不祥事のJR北海道。

本当にJR北海道、どうしちゃったのか。

これから、じわじわと北海道全体に影響が出てくると思います。

次が、市街地に連続出没のクマ。

ドングリ不作、早い冬の到来など、クマにはクマの事情があるし、
一方、市民の安全の問題もあります。

そんな話題を織り込みながらの「イチオシ!」でした。



今週の「国井美佐アナウンサー」



27日(金)午後、札幌でHTB「イチオシ!」出演

2013年09月27日 | テレビ・ラジオ・メディア

本日午後、いつものHTB北海道テレビ「イチオシ!」に出演。

15時47分からの生放送です。


週刊読書人で、「太平洋戦争下 その時ラジオは」の書評を

2013年09月27日 | 本・新聞・雑誌・活字

今年はテレビ放送開始60周年ですが、ラジオはそれに先立つ放送メディアの大先輩。

その歴史も波瀾万丈です。

竹山昭子先生の新著「太平洋戦争下 その時ラジオは」の書評を書きました。

発売中の「週刊読書人」に掲載されています。

放送史研究で知られる竹山先生は昭和3(1928)年生まれ。

長年の旺盛な研究・執筆活動に敬意を表します。


竹山昭子著「太平洋戦時下 その時ラジオは」朝日新聞出版

放送のもつ意味と意義、
危うさも次代へと伝える

1967年、「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)や「パック・イン・ミュージック」(TBS)など、ラジオの深夜放送が始まった。それまでとは違う、身近な存在としてのパーソナリティーが魅力的だった。彼らは恥ずかしい失敗、本音や内面をもさらけ出していた。まるで自分に向かって語りかけてくれているような一体感。いまを一緒に生きているという同時代感。それらが私を含む当時の若者たちの心をとらえて離さなかった。この時のラジオは送り手と受け手が互いを感じることのできる双方向性を備えていた。またマスメディアであると同時にパーソナルメディアでもあった。それは現在に至るも変わらない。

しかし、当然のことながら前述したのはあくまでも戦後のラジオだ。特に戦時中において、「放送は文化機関ではなく政治機関」であり、国民に対して国家の意思を伝えるためのメディアだった。たとえば1941年の太平洋戦争開戦から敗戦まで、ラジオはどのような状況下で、どんな放送を行っていたのか。本書はそれを明らかにしている。

著者は3つの角度からアプローチを行った。まず現場にいた放送局員たちの証言だ。当時、日本放送協会が発行していた雑誌『放送研究』『放送人』に掲載された放送局員によるレポートである。開戦と共に各地の都市放送は休止となり、東京発の全国放送に統一された。ある局員が「ニュース放送は今や戦時下の放送の中核となった」と書いているように、ニュースはその在り様を大きく変えていく。伝える内容に関わる当局者がニュースの補強や解説を行い、国の方針や国民の心構えなどを説くようになった。いわばニュースと講演の一体化だ。興味深いのは、そんな「報道の報導化」に対して、相反する評価が局内に存在していたことである。

次が、「国民合唱」という音楽番組の掘り起しだ。「国民全部が歌える」を目標にオリジナル曲が作られ、歌唱指導が行われた。歌による士気高揚に努めたこの番組は、開戦から敗戦まで途切れることなく続いた稀有な1本である。著者はそこにナチス・ドイツのプロパガンダ政策の影響を見る。

3番目は、「海ゆかば」という歌への着目である。元々は日中戦争開始直後の「国民精神総動員強調週間」に、その趣旨を伝える講演放送を盛り上げる目的で作られた楽曲だ。太平洋戦争開戦の日、「海ゆかば」は繰り返し流された。それは東条英機首相のいう「一切を挙げて国に報ひる」ことの決意の歌だった。以来、米英との戦いの厳しさを強調する軍によって、「海ゆかば」は一種の象徴と化す。戦況を伝える放送のオープニングに「海ゆかば」。エンディングには「天皇陛下万歳!」。これがセットになっていく。やがて敗色が濃くなると、今度は「特攻」とこの曲が結びついた。一つの曲がラジオを通じて流布され、国家と運命を共にしていったのだ。

戦前・戦中期は、録音装置が未発達の時代である。この頃の放送の歴史をたどることの困難は想像以上だ。著者は当時の新聞・雑誌・書籍・証言を丹念に集め、整理し、そして緻密な分析を行った。ラジオが「マスメディアであると同時にパーソナルメディアでもある」ことが許されなかった時代。それどころか、現在の定義によるマスメディアでさえ有り得なかった時代。その実相を探り、放送のもつ意味と意義、そして危うさをも次代へと伝える労作が本書である。

(週刊読書人 2013.09.27号)



日刊ゲンダイで、「堺雅人」について解説

2013年09月26日 | メディアでのコメント・論評

俳優・堺雅人
「半沢直樹」に倍返しされるのか
当たり役に引きずられたらアウト

記録ずくめで幕を閉じた日曜劇場「半沢直樹」(TBS)。平均視聴率は今世紀最高の42.2%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)で、第1部の舞台となった関西地区は瞬間最高で50%を超えた。録画して見たケースも加えれば、国民のほとんどが夢中になったと言えるのかもしれない。

主演の堺雅人(39)も顔を売った。もともと人気の俳優だが、キャリアを代表する役となったのは間違いないだろう。「あの半沢の」と言えば、だれもが堺を思い浮かべる。堺=半沢という刷り込みだ。

ただし、イメージの固定化は命取り。違う役をやっても、同じ役に見えてしまう。織田裕二が「湾岸署の青島刑事」から抜けられず、武田鉄矢がいまだに「金八先生」と言われるのは、当たり役に引きずられ、ほかの色を出せていないから。こうなるとヒット作は「一生に1本」で終わりだ。

役が当たれば当たるほど、反動も大きい。堺も、半沢のメガヒットに「倍返し」され、出番を失うリスクがあるが、上智大教授の碓井広義氏(メディア論)はこう言った。

「多くの俳優は個性まで役に溶けてしまうが、堺さんは主体的に役をのみ込む感じ。何をやっても『これは堺にしかできないよ』と思わせながら引きずらない。次々と違う役に憑依していくのです。だから、次の役柄で『また半沢をやってるよ』とはならない。日本では希有な存在です」


10月9日から始まる「リーガルハイ」で、再び“古美門研介”を演じる。カネより大事なモノがあるという銀行員から、「正義はカネで買える」と豪語するキテレツな弁護士に逆戻りだ。それでも視聴者に違和感を与えないのが、この役者の強みである。

「これほど売れっ子になっても、頼めない役はないし、やれない役もない。まさにカメレオン俳優で、例えて言うなら日本のトム・ハンクス。軽妙なコメディータッチのものから重厚な社会派ドラマ、時代劇まで、多彩な芝居で存在感を残せる。恐らくゲイの役なんかも楽しそうにこなすでしょう。本格的な役者バカですよ」(碓井氏)

半沢の続編まで、数多くの役で注目を集めそうだ。

(日刊ゲンダイ 2013.09.25)


読売新聞で、「半沢直樹」についてコメント

2013年09月26日 | メディアでのコメント・論評

読売新聞に、「半沢直樹」に関する特集記事が掲載されました。

この中で、コメントしています。


記事が最初に話題にしているのは、やはり視聴率。

過去のヒットドラマの数字とも比較しながら。

次に、幅広い層に支持されたことを具体的に示しています。

90年代以降、F1、M1と呼ばれる若者層に的を絞ったドラマが作られてきました。

重視されたのは、女性の共感、主演女優、恋愛、子役など。

その意味で、「半沢直樹」は、上記のようなパターンから、はずれているわけです。

市場調査に頼らず、制作者主導だった「半沢直樹」。

そして、私のコメント部分は・・・・


上智大学の碓井広義教授(メディア論)は「友情や危機の回避といった普遍的な人間模様をテンポ良く見せ、男女幅広い視聴者を引きつけた」と分析。

「時代劇のように勧善懲悪的な分かりやすいドラマ作りは、むしろ
“王道”だったのでは」と話している。

(読売新聞 2013.09.25)


テレビ東京「たべるダケ」は、フシギな味の深夜ドラマ

2013年09月25日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!。

今回は、今週最終回を迎える、テレビ東京「たべるダケ」について
書きました。

フシギな味の深夜ドラマです(笑)。


「たべるダケ」テレビ東京
味見するならラストチャンス!

テレビ東京ってのは、ほんと面白い放送局だ。

漫画を原作にしたドラマはどこの局でもやるが、「たべるダケ」(金曜深夜24時52分)みたいな作品に挑戦するのはここくらいなものだろう。もちろんホメ言葉だけど。

ヒロインは「食」にしか興味のない謎の女。というか常にハラペコのシズル(後藤まりこ)だ。いきなり現れ、ひたすら食べて、消えてしまう。

でも彼女と出会い、一緒に食事をした人間は何かが変わるのだ。ちょっと元気が出たり、自分を再発見したり、時には救われたりもする。 

そんなシズルにひかれたのが柿野(新井浩文)だ。3人の元妻への慰謝料を抱えながら他人の世話ばかりしてきた男が、今度は自分
のためにシズルを探し回る。とはいえ、そもそもシズルとは何者なのか。その謎も間もなく明らかになりそうだ。

毎回の見せ場はシズルの食べっぷりである。ハンバーグ、卵納豆
かけご飯、タラ鍋と焼きたらこ等々、それはもう、うれしそうに口に
運ぶ。先週の天ざるも豪快な音と共に食す姿がアッパレだった。

思えば、人は悲しい時も辛い時も絶望した時も腹が減る。そして、
まずは食べることで生きるチカラが湧いてくるのだ。

「半沢直樹」が終わった。「あまちゃん」は今週末には完結だ。この「たべるダケ」も次回が最終話。味見するならラストチャンスである。

(日刊ゲンダイ 2013.09.24)