大怪我を負った日は、選りに選って、60代最後の日であった事を、前回の記事で綴りました。
ゆえに診断名を医師から聞いた時のショックとみじめさは、なおさら大きく、しばし、自失呆然としてしまいました。
当日は、青空が広がる爽やかな朝で、私の心は数日前の友人との目黒川沿いの楽しかったお花見の余韻に浸っていました。
週末には、家族が古希のお祝いを催してくれることにもなっていて、とても幸せな朝だったのです。
60代最後の日を、元気に丁寧に暮らしたい、との思いでいっぱいでした。
家事が一段落着き、いつも通り庭に出て、しばらくガーデニング作業に勤しんでいる時のことです。
居間の窓辺近くに飾られたハンギングの寄せ植えに、水やりをすることにしました。
複雑な色合いの一重とフリルパンジーの組み合わせが、割と気に入っていて、日ごろ、萎れた花がら摘みも怠らないようにしています。
ホースで水やりをすることも、良くありますが・・・・・
時にガーデニングチェアを傍に引き寄せ、その上に上がって立ちます。
そして、ジョロで丁寧に水をまき、下からは見えにくい花がらを摘む事も多いです。
その朝も、同様の作業で臨みました。
水を満杯にした重たいジョロを手に提げ、テラス用の木製のチェアーに立ちました。
そして、水やりをしようとしたところ、一瞬めまいを覚え、体のバランスを大きく崩しました。
元に戻す事が出来ず、そのままタイル張りのテラスに転落。
全身を強く打ち付け、しばらく茫然として、立ち上がることができません。
夫は、まだ二階の寝室で、すやすや就寝中の時間帯のことです。
とは言っても、時計の針は9時を回っていましたけれどね。
朝寝坊の旦那さまです。
おもむろに起き上がり、動揺した心を何とか鎮め、家の中に戻りました。
頭を強く打ち付けたように思い、怪我をしていないかチェックしたところ、耳たぶが内出血していました。
更によくその周りを触ると、耳の付け根あたりが陥没しているように感じられて、次第に不安になってきました。
取り敢えずネットで調べることに。
浴槽で転び、私と同じような傷を負い、ヤフーの質問箱で、尋ねてる方が目に留まりました。
その方への、数人の回答を読んで、頭の怪我は軽視してはいけないことを思い知らされた私です。
不安が一層大きくなりました。
画像のような設定で、水やりをしました。
そうこうする内にも、時間は流れていきます。
最寄りの総合病院の初診の受け付けは午前中のみ。
夫の朝食の準備、身支度の時間を考えると、時間はぎりぎりです。
救急センターに赴くことも検討していたところ、旦那さまが目を覚まし、二階から降りてきました。
Yさんがに発した言葉に、私はまたまた、ショックを。
「漏れたので、ストマーのストマッチ(袋の名称です)を交換しないといけなくなった」と。
この装具を装着してから三カ月近くになりますが、漏れて緊急の取り換えをしたのは、5~6回でしょうか。
選りによって、またこんな時に、と情けなさは相当なものでしたが、1時間足らずの介護で、交換を無事終了。
自分自身の事でも気が気でなく、どこか気もそぞろだったのですが。
そしてやっと、病院に出かける準備を始めることができました。
勝手口側のもう一つのハンギングバスケットの寄せ植え
パンジー・ガーデンシクラメン・バコバ
けれど、総合病院の初診受け付けの終了時間は、とっくに過ぎていました。
救急受付の窓口に行くことを検討していましたが、
そこで一呼吸おいた私。
そして思い付いた事は、ご近所でとても親しくしている奥様に、一度相談をしてみることでした。
先日お花見をご一緒した方です。
私より一回りお若いながら、実にしっかりしたお人柄で、私は心から信頼しています。
専業主婦でいらっしゃりながら、自然食品、医療関連、その他社会全般の事ににわたって、知識が実に豊富でいらっしゃいます。
その研究熱心なお暮らし振りに、私はいつも頭が下がる思いがしています。
お電話をかけ、私の身に起こった今朝の出来事を説明し、良い病院があれば紹介してほしい旨、お話しさせていただきました。
すると、即座に、全国的にも屈指と言われる24時間対応の脳神経外科病院をご紹介下さったのです。
我が家からは近いとは言えない距離ですのに、車で病院まで送って下さるとのこと。
そのような申し出に甘えることはとてもできません。
固く、何度もお断りしたにもかかわらず、お迎えに来て下さり、病院まで案内して下さいました。
東日本大震災に際しても、身近にいて下さるこの方の存在が、私にはどんなに心強かったかしれません。
実際に、いろいろ助けて頂きました。
「遠くの親戚より近くの他人」との諺がありますが、時にその言葉が身にしみます。
だからといってそのご親切に甘えてばかりいては、ご迷惑をかけるだけ。
優しいお言葉をかけて下さる方が、おそばにいて下さるだけで、心強く感謝の気持ちでいっぱいです。
その方も、同様のことを私によくおっしゃいますが、年を重ね過ぎた私は、もう大したお役には立てそうになくて・・・・・・
せめて力になれるとすれば、多少人生経験が長い故の、暮らしの知恵くらいでしょうか。
とは言っても、私のような者でも出来ることがあれば、精一杯の事はして差し上げたいと思っています。
その方運転の車中で、朝の事故の様子や、楽しかったお花見の思い出を語りあっている内に、病院に到着。
心からのお礼を述べ、私は病院内に足を踏み入れました。
1時間以上待たされたでしょうか。
いよいよ、脳外科の診察を受けることになりました。
この続きは、次回に回させていただきます。
ご訪問いただきまして有難うございました。
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