薬屋のおやじのボヤキ

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24節気の健康と食養:小寒から大寒まで

2024年01月05日 | 24節気の健康と食養

 24節気の健康と食養:小寒から大寒まで 

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 小寒 初候 芹乃栄(せり すなわち さかう)芹がよく生育する
    次候 水泉動(しみず あたたかを ふくむ)地中で凍った泉が動き始める
    末候 雉始雊(きじ はじめて なく)雄の雉が鳴き始める 

 小寒(1月5、6日頃:2024年は1月6日)は本格的な冬の訪れで、寒さはこのあとの24節気「大寒」(1月20日前後)以降に最も厳しくなります。ちなみに当地岐阜(濃尾平野の奥地)の気温(岐阜気象台観測値:平年値)は、小寒の日には平年値で最高気温9.3度、最低気温1.0度でして、最も寒くなる1月終わり頃の最高気温8.8度、最低気温0.4度に比べてまだ幾分高めです。これは全国的な傾向です。

 さて、日本では、小寒というと正月休みが終って仕事始めの時期と重なります。
 年末年始に毎日ご馳走を食べまくり、胃も腸も相当疲れていて、胃もたれ、便秘などの胃腸障害を訴える方が多くなりますし、この頃に検診を受けると食後高血糖(過血糖)で糖尿病の疑いありとなったりします。

 よって、小寒の食養としては、何よりも少食にし、「胃腸に負担を掛けないものを少量」ということになります。朝食をとられるのであれば「野菜たくさんの餅なし雑煮」でしょうね。お昼は軽くうどんかソバ。夕食はお節料理の残りを少し入れた味噌おじや、といったところでしょう。おじやには冬野菜の大根や小松菜などをたっぷり入れたいものです。
 季節は冬ですから、体に活力を与え、腎が喜ぶ塩味を楽しみたいです。詳細は「 立冬から冬、何を食しますか。まずは塩味が重要です。 」で書いていますが、ここではその概要を述べます。
 ところで、高血圧防止に減塩すべきなどと言われていますが、これは大きな間違い。(参照 → 塩を摂りすぎると高血圧になる?心配ご無用!…) 
 塩味は、おいしいと感じる程度に楽しめばいいのです。その点、味噌料理や後から述べます漬物は冬期には望ましいものです。
 そして、冬野菜や味噌・塩は身体を温める食品ですから、この時期に最適です。
 お節料理が片付けば、味噌料理ばかりではなんですから、野菜たっぷりの湯豆腐でもいかがでしょうか。あるいは魚の切り身や魚肉のつみれを少々入れた魚すき鍋です。
 こうした食事でもって胃腸の元気を取り戻してあげてください。

 5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため冬は<主・塩味、従・苦味、添・酸味>この三味の組み合わせを最適としています。
 その代表的なものが、冬場の保存食である漬物です。当然に塩味が利いていますし、発酵して酸味があります。足りないのが苦味ですが、カブ(特に葉っぱ)は苦味食品ですし、ユズやスダチの皮が苦味食品です。高級料亭ではさりげなくこれらの皮が添えられていますよね。こうすると漬物の味も良くなるのです。
 なお、苦味食品は健胃薬にもなりますから、苦味食品に分類されるゴボウ(不思議と味噌に合います)、春菊(煮すぎてはダメ。しなーっとなったら直ぐ食べればおいしい)も意識して摂取したいものです。
(注:場合によって、ゴボウは「辛味」「酸味」、春菊は「辛味」「甘味」に分類されることもあります。)
 4つ目の味である唐辛子などの辛味は、お好みでとっていただいてよいです。
 しかし、5つ目の味である甘味を付けるのは避けたいです。冬の時期は、腎に悪影響する甘味を極力抑えるのが漢方養生法です。

 冬の時期に甘味を抑えるということは、摂取カロリーを思い切って減らしなさいということです。身体をあまり動かさない冬場は、炭水化物(噛めば唾液で消化されてブドウ糖となり甘く感じる)と肉(噛めばうまみ成分のアミノ酸が出てきて甘味を感じる)の摂取をうんと減らし、体重が減るぐらいがちょうどいいのです。

 そこで、おすすめしたいのが朝食抜きです。朝食を先ほど例として示した「野菜たくさんの餅なし雑煮」でしばらく我慢し、それに慣れたら量を半分、これにも慣れたら一口だけ、といった塩梅で進めて、最後は朝食抜きにするのです。
 朝食を抜くなんて身体に悪い、と一般に言われていますが、それは逆です。
 (参照 → 朝食有害論の歴史的推移

 なお、時期は冬で腎の季節、塩気が必要ですから、朝、白湯で梅干を1粒いただきましょう。小生がもう10数年以上前から実行している健康法です。皆さんにもおすすめ。

 これからの時期、毎年インフルエンザ(今年はコロナがやっと終焉してインフルが再登場)がはやりましょうし、風邪を引くことも多くなります。ウイルスをやっつけるだけの免疫力を高めたいものです。
 淡色野菜、白物野菜には免疫力をアップさせる大きな働きがあり、白菜、大根、カブ、白ネギはこの時期に大いに食していただきたいものです。これらを積極的に摂取して、各種の感冒を吹き飛ばしましょう。
(参照記事) 冬場の淡色野菜・白物野菜はすぐれもの、薬効多し
 そして、お昼には「ひなたぼっこ」がおすすめです。晴れた日には、できれば1時間です。風邪やインフルエンザの予防に、ビタミンDがけっこう効果的なことが分かってきました。最も効率よくビタミンDを合成してくれるのがお日様ですから、寒い時期ですが晴れていたらお昼には屋外へ出たいものです。そして、体操するなり、散歩するなりなさるといいです。でも、寒くって、かえって風邪を引いてしまう、という心配をお持ちの方はビタミンDの多い魚を積極的にお召し上がりください。
(参照記事)
 冬はお日様に当たって健康づくり
 新型コロナこれからの時期の自衛策はビタミンDに頼るしかなさそうです

 最後に、寒くなって体を動かさなくなるこの時期におすすめの、誰でもどこでも簡単にできる体操を紹介しましょう。手、肩、足の筋肉がほぐれますし、内臓の働きも活発化します。
 
足踏み体操(その場で足踏みするだけ)
 足踏みに合わせて手もしっかり振りましょう。そして、ももをなるべく高くあげましょう。連続100回を目標に、できれば倍の200回。

 次回は、「大寒」(1月20日前後)からの健康と食養です。


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