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24節気の健康と食養:啓蟄から春分まで

2024年03月04日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:啓蟄から春分まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 啓蟄 初候 蟄虫啓戸(すごもり むし とを ひらく)冬蘢りの虫が出て来る
      次候 桃始笑(もも はじめて さく)桃の花が咲き始める
      末候 菜虫化蝶(なむし ちょうと なる)青虫が羽化して紋白蝶になる

 雨水の次にやってくる24節気が啓蟄です。毎年3月5、6日頃(2024年は3月5日)になります。冬籠りの虫が這い出るようになることから、啓蟄と言われます。
 新暦(西暦)でも3月は春とされ、自然界は至る所ではっきりと春の兆しが見られるようになりましたね。

 野山に春が来た、これを実感することによって、人は気力が満ちて、やる気も起き、いっそう心が大きくなり、楽観的で前向き、喜びの気持ちが持てるようになります。
 
人の体は立春の頃以降、冬ごもりの態勢から、命生まれる、つまり新陳代謝を活発にする態勢へと既に生理変化してきていて、これがますます高まってきます。
 立春以来、毎回紹介していますが、今回も春の養生法全般について、まずは下記の記事を参照なさってください。
 春は肝の季節、肝臓は少食と運動を願っています。食味は酸味主体の三味で。

 なお、以下の記事は、これらの一部を重複して紹介します。

 啓蟄以降、天気がいい日は朝晩まだまだ冷え込むものの、日中は気温が上がり、暖かさを感じて皮膚の筋肉が緩み、ホッとする日もあります。でも、油断大敵。気温差が大きいために、このような日には風邪を引きやすいですからご用心あれ。
 そして、スギ花粉が盛んに飛ぶようになる時期でもあります。花粉症の方には憂鬱な季節です。また、アトピーの悪化もこの時期に進む傾向にあります。
 これらアレルギー症状を呈する方は、たいてい低体温になっていますから、まずは体の芯を温めることが重要です。温めのお風呂にゆっくり浸かれば症状が和らぐことでしょう。重症の方は、日中は貼るカイロをお尻の両脇(「気をつけ」の姿勢を取ったとき凹む位置)あるいは下腹部に貼られるといいでしょう。これでお腹が温まります。
 また、アレルギー症状を呈する方は、油を控え目にしましょう。油は腸内環境を悪化させますから、なるべく使わないようにしたいものです。そして、体を温める食事、体を温める食品を取るように心がけることが重要です。

 今回も体操を一つ紹介します。
 口呼吸は万病の元。鼻で呼吸するのが正常なのですが、知らず知らず口で呼吸している方がけっこういらっしゃいます。花粉症の方は日頃からこうした傾向が強いです。
 今の時期に“鼻で呼吸しなさい”と言われても“鼻づまりでできないわ”となってしまいますが、毎日、次の体操をやり続ければ、だんだん鼻呼吸することが多くなってきますから、来季に備えて根気良く実行なさってみてください。
 その体操は「あいうべ体操」で、当店新聞2017年2月号で紹介したものです。
 
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 この時期は、まだ寒気団がやってくることもあり、急に寒くもなり、また暖かくもなり、体調不良を起こしやすいです。加えて、間もなく年度末となり、職場の異動発表をひかえ、不安にもなります。それらに伴って精神状態も不安定になりがちです。
 ここは開き直り、“何とかなるだろう”でいきましょう。異動がまだ発表されなくても、もう決まっていることでしょうから、ジタバタしても始まりませんからね。
(参照 
“ケセラセラ”の人生、あるいは“為せば成る”の人生、どちらを選びますか。

 啓蟄から春分までの食養について特徴的なものを一つ紹介しましょう。
 この時期に道端の土手で一斉に芽吹いてくる野草、ツクシ。
 まだまだ朝晩の冷え込みはきついですから、啓蟄といえどもとてもじゃないが虫が這い出るような気配は全然ないのですが、ツクシは、さも虫が這い出るように地中から頭を出し、そして伸び始めます。一雨降れば辺り一面がツクシだらけになる所もあります。啓蟄とはツクシのことではないの?と疑いたくもなります。

 ツクシの栄養価なり薬効はいろいろ言われていますが、あまり定かではないものの、これといったものはなさそうです。でも、冷えた大地から一気にグンと伸び出すのですから、その生命力は大したものです。ツクシを食べることによって、人もその生命力がいただけるのではないでしょうか。
 我が家のツクシ料理の定番は小松菜をたっぷり加えた卵とじです。こうするとツクシのアクが弱まりますし、とても美味しいです。そればかりではありません。
 暖かさが実感できるようになると、肝の機能がぐんと高まって“血が騒ぐ”ようになり、冷え体質の方は“血が滞る”状態を引き起こします。その“血の滞り”を改善するのに良いのが小松菜なのです。

 この時期に入手容易な野菜で旬のものとなると、雨水の食養で紹介しましたように、もう旬が終わりそうな冬野菜ばかりです。それも暖かさで質が落ちてきます。
 その中で、イキイキしたものとなるとブロッコリーです。主蕾は既に摘み終わっていますが、暖かくなったこの頃、脇芽からどんどん蕾が出て、摘んでも摘んでもなくならないほど収穫できます。ツクシ同様にイキイキ元気の生命力がいただけることでしょう。

 立春以来、毎回紹介していますが、春は肝の季節になりますから、5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、春は<主・酸味、従・甘味、添・苦味>この三味の組み合わせを最適としています。料理はこの三味を頭に置いて行っていただきたいものです。
 おすすめの料理、これを紹介しましょう。前回紹介しました、うちの料理「春菊入りホウレンソウのポン酢かけおひたし」以外に、通年食べられる酢の物があります。酢の物は<主・酸味、従・甘味>であることはご存知のとおりですが、ここに苦味を添えるのです。料亭で出される酢の物にはユズの皮が彩り良く乗っていますが、ユズの皮に苦味があるからです。これで<主・酸味、従・甘味、添・苦味>の三味となります。
 
果物では、<主・酸味、従・甘味、添・苦味(薄皮)>この三味の組み合わせになっている甘夏です。皆さんも食後のフルーツにどうぞお召し上がりください。 

 次回は、「春分」(3月20、21日頃)からの健康と食養です。


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