雑感日記

思ったこと、感じたことを、想い出を交えて書きたいと思います。

私の日記から  昭和34・35年(1959・1960)  

2023-10-29 05:00:09 | 自分史

★新入社員の業務部財産課に配属されて3年目である。
 担当した業務の中で毎期行わねばならぬ作業に財産物件の償却計算という業務があって、
当時は電算システムなどない時代だから、手動のタイガー計算機をぐるぐる回して1件づつ計算をするのだが、
この件数が圧倒的に多いのが私の担当していた『工具器具備品』だったのである。
本来財産物件は取得価格1万円以上のものを言うのだが、
当時はジェットエンジン工場が新設された時期で、新設事業に限り取得価格300円以上が財産物件に計上できるという規定があって、
本来なら財産物件などにはならない机や椅子までが財産物件なので、べらぼうな数になっているのである。
 そんなことで、償却計算の時期になると極端に言うと私だけが忙しくなるのである。

★ そんな毎期の償却計算を3度ほど経験して、
これは何とかならないものかと、その機械化を検討しだしたのである。
当時のジェットエンジン工場には米軍が駐在していて、IBM室があったので、そのIBMを使っての機械化に取り組んだのである。
日本にIBMが一般化したのは東京オリンピックの頃だから、それよりも10年も早い時期のことである。
 川崎航空機内でも米軍以外の民需はIBMなど使っていなかったので、社内ではじめての取り組みだったのである。
 
 
★簡単にIBMでの償却計算に取り組んだのだが、
同じやるならと本社も岐阜工場も巻き込んで全社統一の実施としたので、
それはなかなかの大事業だったのである。
例えば、物件名も統一した名称にしてそれぞれ『コードNO』を付けねばならないのである。
簡単なようだがこの物件名の策定だけでも大変な作業だったし、
社内ではじめてのことだから、教えてくれる人はいないので、すべて自分で考えねばならなかった。
耐用年数』『償却率』など償却計算に必要な項目をすべて決めて、
これが財産物件1件ごとに1枚作られる『パンチカード』なのである。
このカードに必要項目を打ち込みさえすれば、償却計算などあっという間に出来てしまうのだが、
このカード設計をIBM室の人と一緒に創り上げ、財産物件すべてを登録するのに1年半ほど掛ったのである。

 


 多分、こんなIBMカードなどご覧になった方はおられないと思う。
 極言すればこの時期IBMなど日本社会に存在しなかったのである。
 このシステムが出来上がると財産課の償却計算の作業は無くなってしまって、
 償却計算するためにいた人員は必要なくなり、財産課の人数は激減したのである。

★この2年間は、この償却計算のIBM機械化がメインの仕事だったが、
 その間、野球もやってるし、家内とのデートも続いていて結構忙しく過ごしていたのである。
 学生時代から肺浸潤・肺結核になって空洞があったりしたのだが、
 ずっと野球は続けていた。
 診療所の先生に『野球はダメ』と言われていたのだが、ユニホーム姿を先生に見つかってしまって、
 そのあとの検査で『菌が出ている』ので入院しなければならないということになって、
 昭和35年10月末から三田市にあった川崎関係の大原療養所に入院することになったのである。

 療養所で改めて検査があったのだが、菌など出ていなかったである。診療所の先生は『野球はダメ』と言っても言うことを聞かないので、この際入院させようと思われたに違いないのである。

 当時は結核になる人は多くて、
 この大原療養所にも沢山の入院患者がいたのだが、
 いま地図を見るとそれらしい建物も無くなってしまっている。

  


★ この療養所に約1年入院していたのだが、
  お陰様で空洞も消えたし、全快して退院して異動した先が、
  新事業のカワサキの単車営業課だったのである。

  昭和36年(1961)12月のことだが、カワサキの二輪事業のスタートから、それに関わることになったのである。
 125B7や50M5の時代である。


  

 
 
 私の担当した業務は新入社員時代から新しいことばっかりだったので、
 上司からの指示など殆どなくて、自分が思う通りのことばかりがやれたのである。
 そう言う意味では、自営業のような現役生活だったと思う。

 振り返ってみると「ツイていた人生」だったなと思うのである。
  

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