関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

恐ろしい・・。後期高齢者医療制度~庄内地区研修会に参加~

2006年11月11日 | 医療・介護・福祉など社会保障

 10日金曜日、庄内地区5市町村の国民健康保険運営協議会連絡会の委員研修会に参加しました。晴天の中を酒田市の遊心館に向かいました。

 
<朝見かけた白鳥の群れ>

今年6月の国会で自民・公明が強引に成立させた医療改悪の中で、08年4月から75才以上の高齢者を対象にした「後期高齢者医療制度」が始まることになりました。
 要するに、現在、国保・健保などに加入している高齢者をそこから脱退させ、独立した保険制度をつくって加入させるというもので、保険料(年間74000円程度?)を新たに徴収されるということです。
 保険料をとられたからと言って、治療内容が良くなる訳ではありません。それどころか、「後期高齢者の心身の特性にふさわしい」医療をするなどと言って、「年寄りの治療は簡単でいい」という、差別医療の導入が検討されています。

 しかも、保険料は年18万円以上の年金(月15000円です!)からは天引き滞納すれば保険証を取り上げられると言います。滞納は天引きされない人に限られますから、年金が15000円以下の方が滞納したら取り上げるということです。
 「貧乏人は病院に来るな」という姿勢が露わです。

 保険制度の運営は、都道府県単位でつくられる「広域連合」という組織でおこなわれますが、制度のあり方を検討する重要な役割を持つことになる「議員」は20人位とか。地域の高齢者の実態が反映されるとは思えません
 また広域連合は、県内全市町村で構成されるものとされ、「1市町村たりとも欠けてはならない」とか。
 地域保険は、県市町村が地方自治の精神に基づいて自主的に運営されなければなりませんが、「市町村が必ず入らなければならない、脱退もできない」「加入者の実情を反映させる仕組みも弱い」高齢者医療広域連合にはそのカケラも見られません。

 新たな負担に耐えられない高齢者の方々を守るために、困難ではあっても最大限の努力を払わなければなりません。

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 同じ日午後におこなわれた、酒田地区医師会長本間清和先生の「身の周りの環境と健康について」という講演の方は、楽しめる講演でした。
 「だし風」が吹く日は「あんべ悪り(わり)」という人が増えるという、庄内の人々の「常識」(「月山の上に雲が一週間たれ込めると(=ダシ風が吹くと)仕事が忙しくなる」という葬儀やさんもいるとか)を、

<フェーン現象に伴って「ダシ風」が吹く仕組み>

医学・気象学・地勢学など様々な角度から説明されるなど、現代医学が進歩の過程で忘れてきたもの」を分かり易く教えて頂きました。

 「東北には酒飲みが多い」という「言い伝え」をも、ホモサピエンスが世界に拡散していった歴史の中で解明され、「私が酒飲みなのは人類史に関わる問題だから仕方ないのだな」と、自分の欠点を煙に巻くのに良い知識(?)も授かりました。

<酒飲み遺伝子・下戸遺伝子の分布グラフ>

(日本海病院・市立酒田病院統合問題、看護師養成問題など、極めて重要な問題についてもコメントされましたが、少しの説明でしたので論評は差し控えます。)