今では見ない個性的な年配者

 私が福岡市~東京・蒲田での修行を終えて帰った平成元年は大正
生まれの年配者達が多く来店してくれていたのだが、なかなか個性
的な方々がいた。

 戦争を経験しており耳が遠い方同士の会話を聞いていると大声で
話すためケンカをしている感じで閉口しており、特に近所に住んで
いたF氏は自宅の前にある内科に盆過ぎや正月明けの暑過ぎたり寒
過ぎる日々が続くと何とか言いながら10日ほど入院していた。

 Fさんに言わせると‘入院していたら空調が効いており三食とも健
康食を食べられるから、わざと気候が厳しくなると入院する’と言っ
ていたのだ。

 ところが近所に住んでいる同世代のIさんは一応入院しているの
で見舞いに行かないと後々面倒’という事から見舞いに行ったとこ
ろ、Fさんは耳が遠く聞き取れないと‘何ぉ~!’とケンカ腰で言われ
るため横にあった杖を見て‘いい杖持っとるね’と言ったら‘欲しいん
か?やらん’と言われたらしい。

 それが約1カ月後に退院したFさんIさん宅を訪ね、‘これ欲しそう
にしとったから、やる’と杖を差し出して置いて行ったとの事。

 ちなみにFさんの同級生にあたるAさんがカットに来た帰りに‘久
しぶりにF宅に遊びに行ってみようと’出かけたようだが、翌日Fさ
んが来たので‘Aさん来たでしょう?’と聞くと‘あの野郎今度アイツ
の家に行ったら土足で上がってやる、膝が悪いとかで外で突いて
いた杖を家の中でも突きながら入って来やがった’と立腹していた。

 こういった年配者は最近とんと見ないのだが…

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