(リオデジャネイロ・スターバックス)
① ""コラム:米スタバ、シュルツ前会長の大統領選出馬は吉か凶か""
コラム 2018年10月13日 / 20:05 / 2時間前更新
Rob Cox
10月9日、米コーヒーチェーン大手スターバックス(スタバ)にとって、創業者でもあるハワード・シュルツ前会長は果たしてプラスとマイナスのどちらだろうか。写真はブラジルのリオデジャネイロで8月撮影(2018年 ロイター/Pilar Olivares)
[ニューヨーク 9日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米コーヒーチェーン大手スターバックス(スタバ)(SBUX.O)にとって、創業者でもあるハワード・シュルツ前会長は果たしてプラスとマイナスのどちらだろうか。
リベラル派のシュルツ氏は、2020年の次期大統領選にドナルド・トランプ氏打倒のために出馬するとの見方が広がっており、もし本当にそうなればスタバの株主は先の疑問を何とか解き明かす必要が出てくる。
根強いスタバの顧客からすれば、シュルツ氏が政界に進出する姿を見たいのではないか。しかし国内で同社が今後成長できる地域は、与党・共和党が優勢とみられる。結局、スタバの株価にとって大統領選に出るシュルツ氏の価値は、プラスマイナスゼロに終わるかもしれない。
投資家がこの問題に注目しつつあるのは、著名投資家ウィリアム・アックマン氏が原因だ。同氏が率いるヘッジファンドのパーシング・スクエアは9日、スタバ株1500万株、時価換算で約8億7000万ドル相当を保有していると表明し、株価は2倍になると見込んでいる。
アックマン氏によると、ウォール街は既存店売上高にとらわれ過ぎているのため、スタバ株はこれまで人気を得ていない。その結果、足元の株価は58ドル前後と、ちょうど3年前とほとんど変わらない水準にとどまっている。
アックマン氏の強気を支えているのが、スタバのケビン・ジョンソン最高経営責任者(CEO)がフラペチーノ系飲料の不振を含め、既存店の販売テコ入れのために適切な措置を講じているという確信だ。
同時にアックマン氏は米国の地図を示し、スタバが既に1万4000店を展開しているものの、中西部と南部にはほとんど進出していないと解説した。これらの地域のほとんどは、共和党の地盤だ。
シュルツ氏が今後、トランプ大統領に挑戦し、こうしたスタバの拠点が乏しい共和党優位の州で選挙戦を行えば、同社の事業拡大戦略にとってシュルツ氏は重荷になるだろう。コーヒーの味よりもずっと些細な問題で、米国社会には既に深刻な分断が生じているのだから。
それでも、シュルツ氏が政界入りすることのメリットも存在する。アックマン氏が指摘したように、シュルツ氏が大統領になる可能性は、中国当局からのスタバに対する報復措置を防止する役割を果たす。次期大統領の出身企業を標的にするというのは、中国が最も避ける行動だろう。
こうした材料を総合すると、株価押し上げという面でのシュルツ氏の価値は差し引きゼロになることが、アックマン氏や他の投資家にも分かるだろう。もちろん、シュルツ氏が大統領にふさわしいかどうかはまた別の話だ。
●背景となるニュース
・アクティビストヘッジファンドのパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントは、スターバックス株1500万株強を取得した。パーシングを率いるウィリアム・アックマン氏が9日明らかにした。持ち分は約1.1%、時価換算でおよそ8億7000万ドルになるという。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
※ 大統領選も面白くなりそうです。元悪徳ビジネスマンVS.元起業家ビジネスマンの
対決という図式になりますね 。