(日本付近のプレートの模式図)
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※ 南海トラフ地震とは
駿河湾から遠州灘、熊野灘、紀伊半島の南側の海域及び土佐湾を経て日向灘沖までのフィリピン海プレート及びユーラシアプレートが接する海底の溝状の地形を形成する区域を「南海トラフ」といいます。
🌸 原則として月1回の定例の情報発表です。
① ""南海トラフ地震に関連する情報(定例)""
平成30年10月05日 気象庁地震火山部
本日(10月5日)開催した第12回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第390回地震防災対策強化地域判定会で評価した、南海トラフ周辺の地殻活動の調査結果は以下のとおりです。
現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
1.地震の観測状況
プレート境界付近を震源とする主な深部低周波地震(微動)を以下の領域で観測しました。
(1) 奈良県から伊勢湾:9月18日から10月1日まで
(2) 豊後水道から愛媛県中予:9月29日から継続中
2.地殻変動の観測状況
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測し、現在も継続しています。また、周辺の傾斜データにもわずかな変化が見られています。
GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。
2018年9月まで実施したGNSS・音響測距観測によると、紀伊水道沖の海底で2017年末頃からそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。
3.地殻活動の評価
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)と、ひずみ及び傾斜データに見られる変化は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
GNSS・音響測距観測で観測されている2017年末頃からの紀伊水道沖の地殻変動は、紀伊水道沖のプレート境界浅部におけるゆっくりすべりによる可能性があると考えられます。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。
** (参考) 南海トラフ地震に関連する情報の種類 **
【南海トラフ地震に関連する情報(臨時)】
以下のいずれかに該当する場合に発表。
○ 南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、その現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連するかどうか調査を開始した場合、または調査を継続している場合。
○ 観測された現象を調査した結果、南海トラフ沿いの大規模な地震発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと評価された場合。
○ 南海トラフ沿いの大規模な地震発生の可能性が相対的に高まった状態ではなくなったと評価された場合。
【南海トラフ地震に関連する情報(定例)】
南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会の定例会合において評価した調査結果を発表。