(G20マーク)
① ""〔アングル〕旗印降ろしたG20、首脳宣言策定で米中の要求に屈服""
2018/12/03 13:52
[ブエノスアイレス 2日 ロイター] -
アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれていた20カ国・地域(G20)首脳会合は、首脳宣言に初めて世界貿易機関(WTO)改革の推進を盛り込む過程で、引き換えに米国と中国の要求を飲まざるを得なくなり、これまでG20が掲げてきた旗印を一部で降ろすことになった。
欧州の当局者は交渉最中の1日、「G7やG20首脳会合でいつも使われているいくつもの言葉が今回はタブーのようになった。米国と中国にはそれぞれ絶対に避けたい文言がある」と話した。
🌊 最たるものが「保護主義」という単語。米政権は、トランプ大統領が中国製品2500億ドル相当に輸入関税を課し、一部G20諸国などに鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限を導入した後、批判に神経を尖らせており、今回の首脳宣言では2008年のG20発足以来初めて「保護主義と闘う」という文言が見送られた。
関係者によると、一方で中国は「公正な貿易慣行」という文言を入れることに一貫して反対した。中国政府は不当廉売、補助金、知的財産権の乱用、技術移転などを巡る欧米や日本からの批判を退けた。
「多国間主義」という単語ですら避けられるようになり、首脳宣言は「多国間貿易のシステムには改善の余地がある」との言い回しになった。
米国は2001年にWTOに加盟した中国の経済開放が進んでいないとしてWTOに不満を抱いている。トランプ政権はWTOの改革を求め、WTOの裁定取引の控訴審にあたる上級委員会ですべての判事の再任を拒否。通商紛争の解決ができなくなっている。トランプ氏は米国のWTO脱退もちらつかせている。
ある米当局者は「きちんと機能する多国間主義には関与する。(しかし)本来の目的を果たしているだろうか。多くの部分で不備がある」と述べた。
今回の首脳宣言は「WTOを改革し、機能を改善することは不可欠だ」としており、米国が勝利したと主張できる内容だ。
WTO改革の具体的な内容は盛り込まれなかったが、米国をつなぎとめたことは成功だとする関係者は多い。首脳宣言作成に関与した関係者は「米中が初めてWTOへの関与に合意した。トランプ氏がそれまで示していた脅迫的な態度を考えれば、G20がWTO改革に団結して取り組むと宣言して終わったのは興味深い」と述べた。
欧州の当局者は、早い段階で中国など主要な新興市場国を首脳宣言作成に巻き込んだことが鍵になったと話す。11月半ばに開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で首脳宣言の採択が見送られた経験から、「袋叩きにあっているわけではないと中国に感じさせることが重要だと考えていた」(別の欧州当局者)という。
APEC後に米中政府間で非難の応酬が続いたが、通商紛争により世界的に市場の混乱が深まり、両国は今回のG20で譲歩の姿勢が強まっていた。
トランプ大統領と中国の習近平国家主席はG20後に会談し、米国が対中追加関税の実施を見送ることで合意した。
首脳宣言の作成に携わった関係者は「敵対的なムードではなかった」と述べ、APECが不首尾に終わったことでG20では首脳宣言をまとめようという流れになったようだと付け加えた。
🌊 一方、最後まで妥協がなされなかったのが地球温暖化問題。首脳宣言の発表直前まで調整が行われたが実らなかった。
(Caroline Stauffer記者/Nicol?s Misculin記者)
🌊 非常に内容と成果の乏しいG20と言わざるを得ない結果となりました。ここで注目
しなければならないのは、米中が演劇で言えば主役(?) で、他のEUや国々は、その
他大勢でしかなかったという事です。
➡ これが意味することは、この状況が続くことにより米中による新G2で世界が
支配されるという歓迎できない状態が生まれるという事です。勿論、ロシアの
勢力も軽視できませんが、それでも0.5位で、世界は2.5に再構築されてしまう
ということです。