(月の裏側に着陸した中国の探査機内で発芽した綿花(重慶大学))
① ""月面で綿花栽培?中国の探査機で発芽に成功 ジャガイモやアブラナも…""
2019年01月16日 11時43分
世界で初めて月の裏側への着陸に成功した中国の探査機「嫦娥(じょうが)4号」内で生育実験中の綿花が発芽に成功したことを重慶大学が発表した。月での生物実験は1971年に米国のアポロ14号が植物の種を持ち込み、地球帰還後に発芽しているが、月面での発芽は世界で初めて。
重慶大学先端技術研究所のチームが15日に行った記者会見によると、 探査機には綿花のほかジャガイモ、シロイヌナズナ、アブラナの種子と、ショウジョウバエの卵と酵母の6種類の生物を収容した小さなタンクを搭載。孵化したハエが二酸化炭素を排出し、植物が光合成を行い、ハエの排泄物を酵母が分解することで、「小さな生態系」を作る実験を行っている。
今月3日の月面着陸後、地上の管制室から遠隔操作で実験装置内に電源を入れ、給水を開始したところ、5日夜に綿花の発芽が確認されたという。
月は昼と夜の寒暖差が大きく、高濃度の放射線量が降っていることから、植物の成長は非常に難しい。公開された画像では、注水開始から4日目に発芽した綿花が確認できる。
綿花以外の植物はまだ発芽していないが、研究チームは実験を通じて、人類が将来、宇宙で生活するために必要な植物や油を作ることを目指すとしている。
(中国の探査機内で「ミニ生態系」の実験を行っているタンク(重慶大学))