(アポロ14号が持ち帰った月の岩から地球由来の石の成分が発見された(CLSE))
① ""48年目の真実!アポロ14号が持ち帰った月の石「地球最古の石だった!」NASA""
2019年01月28日 16時08分
米航空宇宙局(NASA)のアポロ計画と言えば、「月の石」の印象が強いが、月科学探査センター(CLSE)の研究チームはこのたび、「アポロ14号が持ち帰ったのは、実際は地球最古のものだった」という衝撃的な事実を明らかにした。
科学誌『地球と惑星科学の研究(Earth and Planetary Science Letters)』に今月24日に掲載された論文によると、豪州とスウェーデンの合同チームは、1971年に史上3度目の月面着陸を成功させたアポロ14号の宇宙飛行士が持ち帰った岩石の地質学的構造を調査し、「石英・長石・ジルコン」から構成される2グラムの岩石を発見。
② 小惑星墜落の名残
(小惑星が墜落した当時の地球のイメージ。地球は海に覆われていた(Simone Marchi))
これらの鉱物は、地球上ではごくありふれているが、月面ではそれほど含有量が多くない。破片の化学的分析を行った結果、月の温度環境よりも、地球のような酸素が多い環境で結晶化した可能性が高いことが判明。地球が誕生してまもない40億〜41億年前に、地表から約20キロ地下で結晶化したことがわかった。
研究チームによると、初期の地球には、小惑星や彗星がたびたび衝突し、地表に直径数千キロに及ぶ巨大なクレーターを形成。そのときの衝撃によって、地表に露出した岩石が、別の衝突のときに弾かれて、大気圏を超えて月まで弾き飛ばされたと考えられる。当時の月は、現在の距離(38万4400km)の3分の1ほど近くに位置していたという。
(月面のクレーター(CLSE))
月面に飛ばされた地球の岩石は、一部が溶解し、月面下にめりこんだが、約2600万年前に起きた小惑星の衝突によって、直径340メートルのクレーターが出現。これを48年前に採掘したのがアポロ14号の宇宙飛行士だったという。
主任研究者であるデヴィッド・クリング氏は、今回の分析結果について、「月の石が地球由来のものだったという結論は、多くの地質学者の間で物議を醸すでしょう」と認めながらも、「この岩石は、太陽系が誕生から最初の10億年間に、地球がいかに数多くの衝撃を受けていたかを示す確かな証拠です」と述べている。
(月はかつて3分の1の距離にあった(LPI/David A. Kring) )
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