じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

下北と津軽の旅 その2

2020-09-11 17:00:27 | 旅と感想
二泊三日で下北と津軽の旅をやってみました。
今回はそれの二日目で、下北半島と野辺地から浅虫を経て津軽半島への道であります。

9月9日、車中泊した駐車場はすこぶる快適でありました。
まず、静かでして、夜中に駆け抜けるトラックなんてのは皆無であります。
そして、トイレが本格水洗のウォシュレットで、青森ヒバの香りが心地良かったのであります。

しかし、水は天水を溜めているらしく引用不可でしたが、瑣末なことであります。

朝飯を買うのを忘れたことに気づき愕然

いや、幸いなことにロールケーキを一切れ残していたのでコーヒーとそれで軽い朝食はできたんですが、米を食べないとなんと無く力が出ません。

県道4号線を大畑まで下り、国道279号を右折してむつ市内を目指しました。

朝霧の大畑川に川鵜

天気予報は雨模様とのことでしたが今日も良い天気の予感がする朝でありました。
朝一の目的地はむつ市大畑の「石神温泉」であります。
下北ナビの説明によれば青森県随一の濃い温泉で加温・加水なしの名湯なのでありました。

演歌の流れる昭和の風情が素敵です

いや、かつては名前の通りプレジャーランドだったのでありましょうが、今は建物が相当草臥れていまして街の人の銭湯になっている感じでありました。

入浴料は最近値上げしたらしく450円

いや、入り口には長靴が脱ぎっぱなしでして哀愁漂うというよりも生活臭に満ちている感じでありました。
ネットの画像には露天風呂がありましたが今は入れません。
しかし、源泉かけ流しのお湯はまさしく名湯であり、近くに行ったらぜひ入ることをお勧めいたします。

さて、次の目的地は「ホームセンター サンデー」であります。
買いたいのは、キャンピングガスとシャンプーと乾電池であります。
いや、尻屋崎への道筋で検索したらここが出たので立ち寄った次第であります。

で、やっぱし僕はおにぎりが食べたいんだな、と言うことで隣のローソンに立ち寄り、おにぎりとアンパンとソーセージパンと、クラーボックス用の氷を買い求めたわけであります。

さて、準備は整って、目指すは「尻屋崎」であります。
寒立馬で有名な尻屋崎ですが、自分の目的は「過去を探して」であります。

いや、二十代の頃にバイクにテントと鍋釜を背負って下北を旅し、尻屋崎の海岸にテントを張り盛大な焚き火をして一夜を過ごした、それの残像を追い求めて行くのであります。

そんなわけで県道256号線から県道6号線で尻屋崎を目指したのですが、いや、こんなに飛ばして大丈夫なの?と、心配になるほどの車の流れでして、ナビが1時間というところを45分くらいで着いてしまったのであります。

で、まず最初に向かったのは、バイクの旅よりもっと前の十代の頃に泊まったユースホステルに行ってみました。

いや、建物は相当古びてはいましたが現存していました。
しかし、コロナの影響で閉めているのか、人の気配が無いのであります。

そっかぁ・・・自分はもうユースホステルの会員証も持っていないけれども、いつまでも頑張って欲しいと願いつつ、尻屋崎の灯台を目指しました。

馬が逃げないようにゲートがある?

まず、ここでも私は魂消ました・・・やっぱし時代であるな、と。
なんとなれば、35年前にもゲートはありましたが、砂利道に簡素な木のゲートがポツンと有っただけなのであります。
しかし今は立派な舗装道路に自動の遮断機がついたわけでして、感慨深いものがありました。

海岸線は変わっていない、かな?

この海岸線にも9年半前の3.11の津波は来たのだろうか?
なんてことを想いながらゆっくりと走ってみると、道路の向こうの海岸線寄りの松の木が一様に背が低く若いことに気がつき、やっぱし津波に洗われて再生してる最中かと思った次第であります。

磯物採りの人が浜に

尻屋崎に家があるには有りますが、その家の数よりも多いんじゃ無いかと言う人が海岸にいました。

たくさんの軽トラが並び、おそらく昆布採りなのだと想いますが大勢の人が磯物採りをしていました。

で、懐かしい雰囲気の海岸線には流木がたくさん有って今でも盛大な焚き火ができると確信しましたが、今時は環境保護やらがうるさくて浜にテントを張っただけで怒られそうな気もします。

尻屋崎灯台

海岸線を走っていくと岬の先端で尻屋崎灯台に出交します。
私は灯台が大好きでして各地で灯台を見て回っていますが尻屋崎の灯台は威厳があるといいますか、詫びや錆を感じることの多い灯台の中にあって存在を誇示していると私には見えるので有ります。

その理由は、現役の灯台で有りながら300円を払うと中に入れて展望台まで登れるからかと思うのであります。
まっ、要するに身近に感じるのと、係りの人がいて人の気配があって生きた雰囲気を感じるものと思われます。

他の灯台は昼間は寝ているので静かでして存在感を消しているんですね、たぶん。

明治9年の10月20日に初点灯ですって

あれです、入場券を売っている小屋のお姉さんに少し話しかけたのが縁で灯台についての説明をしっかりとして頂きました。
いや、先を急ぐと言える雰囲気では無く、私は無類の灯台ずきと認定された模様で過去の写真等を持ち出してまで詳しく説明をしていただいた次第であります・・・ありがとうございました、と。

灯台の展望台から大間岬方向を望む

いや、場合によっては函館まで見える日もあるとのことでしたがこの日の視界はそこまで良くは無く下北半島の大間が見える程度でありました。

さて、35年前に来た時には灯台の周りに普通に馬が放牧されて餌を食んでいたんですけれどもこの日は馬の姿はありませんでした。

そして舗装された道に違和感を感じつつ、あの日のあの感触を思い出したのでありました。
それはバイクが馬糞を踏んでそれが飛び散った香ばしい匂いの記憶であります。

いや、あの当時は多くの馬が放牧されていて道には避けようも無い馬糞が落ちていたのであります。
あの様子を思うと今は、放牧場と言いつつも実際のところ馬は放していないのだと思ったんですが、事実はわかりません。

馬は別の放牧地で静かに草を食んでいました

いや、寒立馬というと吹雪を避けて寄り集まって立っている姿が有名ですが、ここの馬は夏でも群れて顔を寄せ合って立っているのであります。
たぶん野生に近いので群れるんでありましょう・・・いや、わかりませんけど。

下北半島の大半はむつ市であります

さて、思い出を訪ねる旅の最後の目的地が一つ残っていました。
脇ノ沢温泉であります。

自分の記憶では脇野沢村なのですが、いつの頃かに合併してむつ市になっていましてちょっとビックリであります。
なので尻屋崎から戻ってむつ市に入って後は脇ノ沢までずーっと、1時間以上走ってもむつ市でありました。

北限の猿が風呂に入っているのは奥薬研温泉のかっぱの湯では無く脇ノ沢温泉の風呂だという人もいる・・・と、いうよりも定説はそっちであります。

しかし、今の脇ノ沢温泉に岩風呂は無いのでありますが、まっ、いいでしょう。

いや、大湊を通過したあたりで午前11時でありまして、早めに飯を食べることも考えたんですが、脇ノ沢には道の駅もあるし、で先を急いだ次第であります。

コスモスの咲く脇ノ沢温泉は静かでした

脇ノ沢温泉は静かでありました。
それもそのはず、水曜木曜は定休日だそうで閉館していたのであります。
そっかぁ、そういうことか、と思いましたがそれは気落ちでは無く、ここまでの道筋を楽しんだので好しなのであります。

コスモスの咲く脇ノ沢道の駅

いや、そういうことですか・・・参りましたね、であります。
ここもコロナの影響なのでありましょうか、本来は食堂のはずのスペースが「休息所」になっていまして飲食物の提供はソフトクリーム以外無いのであります。
まっ、無いものは仕方がないのでむつ市内に戻ることにしました。

食堂「磯っ子」を発見!!!

いや、じつはこの食堂は行く時に見ていまして、緊急事態はここで凌ごうと薄っすらと思ってはいたのであります。
で、初めてなのになぜか懐かしい店の雰囲気に吸い込まれるように入ってみれば、そこには未だ昭和があって畳の部屋では作業服姿の男が座布団を枕に寝ているのでありました。

品書きを一瞥すると何の変哲も無い定食屋のそれだったので一番高い「ヒレカツ定食」を注文しました。

供されたヒレカツ定食800円は味も懐かしい昭和風味で、今風のすりゴマなど無く、ブルドックソースをカツとキャベツにかけて食べたのでありました。

そんなわけでむつ市に戻りつつ考えていたのは今夜の晩飯でありますが、大湊で大きなスーパーを見つけたので食料品を買いにとトイレ休憩で立ち寄りました。

いや、今夜は少し豪勢にと思ってにぎり寿司と牛肉を買い求めました。
で、あとで牛肉を見たら宮城県産の仙台和牛となっていまして、何で下北半島でこんなものをと思いましたが、一番高いのを無造作にカゴに入れた結果なので仕方がありません。

さて、下北半島の温泉はコロナの影響で営業時間や形態が変わっているところも多く予定した温泉には入れなかったのもあったわけです。
この先も似たようなことになっているんだろうなと覚悟しつつ、下北半島に別れを告げ、野辺地から浅虫温泉へと向かったのであります。

その名もタカラの湯は普通の銭湯でした

と、いうことでむつ市から野辺地町まで、軽い眠気に襲われつつも順調にやって来ました。
そして立ち寄ったのが「タカラの湯」であります。

何と申しましょうか、温泉ナビというページで拾って来たんですけれども、完全に地元密着の銭湯でありまして、それでもお湯が良ければ救われますが、カルキ臭のあるお湯には魅力を感じませんでした。

そして次に向かったのは勝手知ったる国道4号線を青森市に向かって手前の浅虫温泉でありました。

浅虫温泉の公衆浴場

浅虫温泉にはたくさんの温泉宿があって賑わっていたと思うんですが、今はコロナの影響で静かでありました。

で、浅虫には二軒の公衆浴場があって、一軒は道の駅に併設なので結構混みます。
と、いうことで狙い目は少し奥まっている「松の湯」だと思うのであります。

いや、市営の施設だからかコロナ対策はしっかりしておりました。
まずは氏名と連絡先の記帳を求められ、次に検温と手の消毒がありました。

で、建物自体が小さいので脱衣場も風呂場も狭く地元民御用達の銭湯なのでありましょう。
なので地元の人が2〜3人も入っていると窮屈で余所者は肩身が狭く長いので切る風呂ではありませんでした。

あ、泉質はアルカリ系を微かに感じる湯でしたが源泉掛け流しで循環無しの良いお湯でありました。

さて、ここから青森市内を抜けて津軽半島は今別のキャンプ場目指すんですが、結構遠いのであります。

土地勘のある青森市内でしたが久しぶりに訪れてみれば様子は変わっていてナビを頼らないと新しい道を外してしまうわけです。

で、国道7号線から280号線で津軽半島方面に入ってすぐ念のために給油をして今別町の無料キャンプ場を目指したのであります。

今別のキャンプ場は一昨年の車中泊でお世話になった快適な場所なのであります。

で、一昨年は自分一人だったんですが今回はキャンピングカーが三台とテント泊の人が一人いました。
しかし結構広いので窮屈感は無く漁火の見える良い位置に車を停めることができました。

いや、この夜は豪勢に焼肉とにぎり寿司で缶ビールと酎ハイも多めに仕込んであったんですが寄る年波のせいか食べてる最中から睡魔に襲われさっさと寝床に着いた次第であります。

が、夜中の二時ごろの豪雨の音で目が覚め、あとはウトウトとして朝になったんですが。

と、いうことで、9月9日はこれにて終了であります。





コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする