人生には三つの坂があるとはよく言われる言葉であります。
まず、若い頃に多い人生の上り坂はキツくて辛いが、踏みしめる一歩が高みを目指すので希望があります。
で、人生の折り返し地点も過ぎ、否応無しに降る人生には寂しいものが付いて来るわけでして切ない気持ちになったりします。
しかし、人生で一番怖いのは上り坂でも下り坂でも無いのであります。
それは、先人も散々言いつくしたナニですが「まさか」なのであります。
本日私は超弩級の「まさか」に遭遇したわけですが、いや、人生ってのは一寸先は闇ってのをしみじみと、そしてつくづく実感した次第であります。
本日は植木屋の仕事でありました。
いや、午前と午後の掛け持ちでして日没も早くなった今日この頃ゆえに気持ちは少し焦っていたのは否めないわけであります。
まず、朝一の現場は空き家の草刈りと軽い選定のご依頼でして、何度か依頼を受けていた不動産関係からの仕事なので下見もせずに住所を頼りにナビの案内で伺ったわけであります。
ナビが指示する家に到着して番地表示を見ると一番末尾の枝番が消えている、が薄くなった表札は合っている・・・しかも空き家だし。
で、こんちわーと声を掛けつつ門を開け踏み込むと・・・薮ある!!!
なんだよ、話が違うじゃねぇか・・・去年植木屋の剪定が入っているって言ったじゃねぇかよぉ、とジャングル的庭を見て軽く憤りつつも草刈りから始めた次第であります。
で、宅地の庭はナイロンカッターと決めている自分なんですがここは丸刃じゃなきゃ効率が悪いと踏んで二丁持っていた草刈機の強い方に笹刈りもできる刃を付けてビョイーンビョイーンと朝っぱらからけたゝましく刈り込んで行ったわけであります。
で、小一時間もウィーンバィーンと刈り込んだ時に変なジジイが現れて「あんたぁ〜誰に頼まれてここ刈っての」と宣うではありませんか。
で、答えて私「不動産屋さんに頼まれたのっしゃ」と言うと「家間違って無いかぃ」と言うではありませんか。
私ゃ吃驚して所番地と頼まれた家の名字を言うと・・・なんとぉ〜隣の家ではありませんかぁ〜!!!
いや魂消ました・・・だから「まさか」は恐ろしい、であります。
なんと、二軒とも同じ名字でしかも空き家なのであります。
なんと、二軒とも同じ名字でしかも空き家なのであります。
しかし、なんでこのジジイは間違いと分かったんだと疑問が湧くわけであります。
で「なして間違ってやってるって分かったのっしゃ」と尋ねると、あんまし朝っぱらから五月蝿いんでここの家の家主と知り合いだから電話したのや」と。
で、その家の家主さんは草刈りなんて頼んで無いでばぁ〜って事で教えてくれたわけであります。
いや、参りました・・・はっきり言って私の間抜けが引き起こした失敗ではありますが、所番地の枝番で一つ違う他は名字も一緒で共に空き家って、こんな偶然ありますかね?
これが人生稀によくある「まさか」と言わずしてなんと申しましょうか。
いや、ほぼほぼ一時間ほど無駄に他所ん家を刈り込んじまった労力とガソリンの無駄はもとより、一番参ったのは次の現場へ行く時間が迫って来る事でありました。
で、ついでにもう一つ愚痴を言うと、こっちの家も竹藪でして、ついでに藤のツタが絡まり放題で、前の家よりさらにジャングルなのであります。
私ゃ覚悟を決めて勝負に出ました・・・植え込みだろうと垂れ下がる藤の蔓だろうと草刈機の刃で滅多斬りであります。
いや、竹藪なんて聞いてないし、ゴミも軽トラに積みきれないし、で切りっ葉は見えない影に押しやって隠しの作戦で予定より30分遅れの12時半に作戦終了したのでありました。
いや、次の現場までは軽トラで35分・・・最寄りのコンビニでトイレに寄ってサンドイッチとコロッケパンとポカリの500と1リットルと缶コーヒーを買い求めそれを食べながら走ったのが本日の休憩でありました。
で、次の現場が終わったのが4時半でして、もはや絞り出す汗も出無いほどに乾き切っておりました。
そんなわけで残暑厳しきおり、無理して稼いでどーすんのって感じですが、明後日からの夏休みの小遣いが欲しい一心で欲張ったダブルヘッダーが無事終わり今夜はぐっすり眠れそうであります。
おおっと、今日は日曜日でしたね・・・皆様はいかがお過ごしでありましたか?
いや、台風の影響を受ける地域では呑気なことは言っていられないわけでして、お察し申し上げます。
明日が台風の本場んと言う地域もあるそうなので心配でありますが、私が気を揉んでも何も変わらないのでサッサと寝ます。
いや、マジで、被害が無い事を願って、おやすみなさい、と。