オヤジの弁当箱

日々の手作り弁当だけが生甲斐のしょぼくれオヤジ。弁当メニューと併せて日々の雑感を付記。

値踏み・・・

2012-07-29 | Weblog

7/29(日) 週末も茹だるような天気だ、こう暑いと動く気がしない。困ったものであるが、休日の朝は飯を作ってビール、夕は、金曜日から郷里の先輩が上京しており一杯やることになっていた。加えて、偶さか顔を出す赤坂のピアノラウンジ「禅」のスタッフ葛西君が仲間とステージに立つと云うので顔を出す約束をしていた。

そんなことで土曜日の夕方、先ずは先輩との合流場所・渋谷「奈加野」に向かった。会合の関係か先輩は中々現れない。店主を相手にビールなぞをやっていたが、いったん赤坂に顔を出すこととした。

ホームページで、一度は場所や店のことはチェックしてあったが自信はない。とは云いながらも赤坂は昔馴染んだ街。奇跡的にも店は直ぐに分かった。小さな階段を下りて店内に入ると、ホームページで見たのより狭い…滅茶狭い店だった。取り敢えずカウンター席に座らされた。空いているのはカウンター席が二・三席だけの様子・・・。

店内にはバンドのメンバーも含めて30人弱のようだが、狭い店は満杯の様相。それでも後から客が何人か来た。メニューを広げ、飲み物を訊かれた。文字が目に入ったギムレットを頼む・・・この時に『「長いお別れ」の中で、マーロウが飲んでたやつと同じ作りにできないかい?』と云いたかっあたが、言いそびれてしまった。出だしがよくないなあ・・・。

お客は皆さん若いネ・・・俺なんぞはどう見ても場違い、着てるものはアロハだし。唯一、先に隣に座って分けのわからん緑のドリンクをストローで啜っているのが中年か?俺以上に場違い?

音が始まるまで30分もあるというので、隣のオヤジ風に話しかけた。「ここには、よく来るんですか?」生真面目を絵に描いたような彼が『二度目なんですよ』と、返ってきた。『葛西さんが出るというので来ました。禅で彼と知り合いまして…』。何のことはない、隣も禅の客であった。『ピアノの宮川さんからの紹介で、彼女も今夜聴きに来るはずです・・・』

「禅」ならこっちはキャリヤは長い、ポツリポツリと話を訊くと、禅には今年になってから通うようになったとか。そうこうしてるうちに美人のピアノ弾き、宮川さんが姿を見せた。新横のホテルの仕事が終わって駆け付けたそうだ。奥の狭いテーブルに移動して一緒に飲む・・・。

                       

                        マイクを手にする葛西さん

葛西君たちのステージが始まった、一応真面目に聴く。聴きながら、なんぼの価値があるのかと自問していた。実はこの店のシステムが面白い。ミュージックチャージはなし。客は飲み物代を店に払い、出演者は客からの投げ銭を受け取る。ステージが終わるとタケザルが廻された。思い思いの金額を入れている。それをそっくり、出演者に渡していた。一体なんぼの稼ぎになったか?今度禅に行ったときに葛西に訊こう。

                  

「お前は、なんぼ出したかって?」それは、云わぬが花でしょう・・・。音楽のことも、他のことも判らぬことばかりだが、昨夜は音を聴きながら値踏みをしていた。いや、あらゆることに、何時も値踏みをしている自分に気付いた。と、云うことは、私も常に値踏みされているということだ・・・。

そんなことを思った、いい?夜だった。葛西と少し話をし、先に店を後にした。先輩が待っている奈加野へと急いだ。

土曜日の夜、帰宅は深夜となった。未だ、宇田川町は若者が大勢彷徨い、浮遊し、流れていた。

 

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