娘に誘われて映画を見に行きました。
『イヴ・サンローラン』
パリ・モード界の巨匠のデビューから全盛期まで
華やかな活躍の裏側にあった苦悩と虚無感
そんなストーリーを、
本人かと見紛うピエール・ニネが演じています。
あの業界では少なからぬことですが、
イヴは同性愛者です。
生涯の伴侶と言うべきピエールはブランドの番頭さんで、
公私共にどころか、私の私までサポートしたわけです。
二人の関係があの偉大なブランドを創ったと言っても過言ではなく、
劇中絡みはそこここに散りばめてありました。
普通なら気持ち悪いシーンになりがちです。
しかし、美しいとは言わないまでも、不思議なほど自然でした。
娘も成人しているとは言え、
母娘が並んで見るべき映画かと自問もしましたが、
とにかく全編エレガントでした。
突出した才能を最大限にショーアップしつつ、
もてはやし過ぎず、枯渇させず、
そして、泥は全て自分がかぶる、
ピエールの半生であったとも言えるのではないでしょうか。
シネリーブル梅田の外には、
やはり稀代の建築家安藤忠雄プロデュースの「希望の壁」