高3なのに宿題に読書感想文、課題は『太宰治』でした。
読むにはそれほど時間はかからないものの、難解。
それが娘の第一の感想でした。
私も読んでみることになりました。
最近の文庫って、タイトルと表紙は別物で、
電車バスの中で広げても、これは、手帳みたいでしょ。
これでもか!というくらい退廃を極めていく『葉ちゃん』ストーリー。
確かに重い内容です。それでも、読み進められるのは、
『読ませる』
という、太宰の力ではないでしょうか。
『葉ちゃん』と自分の共通点を冒頭で感じてしまったこと、
これが興味を持てた一因でした。
あんな、だだ崩れ男と共通点があるなんてね。
子どもの頃、そこそこなんでもできた私は、
子どもっぽさを嫌い、大人の評価が気になったものです。
道化はできなかったけど、自分を創ろうとした記憶はあります。
では、私が崩れていかなかったのは、なぜ?
決定的な違いは、私が貧乏に育ったこと。
早いうちから持っていた、仕事をすることへの渇望。
有る無しで背伸びの仕方が違っていたということでしょう。
『・・・世間が許さない』
すでにぐだぐだになっていた葉ちゃんに悪友が浴びせた言葉、
これに対する考察も興味深いものでした。『世間』とは?
普通、『世間』と言うと自分の周り全てと考えます。
しかし、実はそうではなく、
「許さない」のは言葉を発したまさにその人だということ。
もちろん、世間が全く違う方向を向いているのではないけれど、
その人が都合のいい代表のような顔をしていると、
聡明な?葉ちゃんは感じ取ったのです。
英語の不定冠詞“a”はこういう意味で使うんじゃないの?
フェイドアウト・・・激動の半生はそんな風に終わっていくように思えました。
しかし、衝撃だったのは、葉ちゃんがそのとき27歳だったこと。
当時なら人生折り返しだったかもしれませんが、
今の高校卒業年齢から10年経つかな、という間の転落。
濃縮された半生を、その後希釈して行ったのかもしれませんが。
読むにはそれほど時間はかからないものの、難解。
それが娘の第一の感想でした。
私も読んでみることになりました。
最近の文庫って、タイトルと表紙は別物で、
電車バスの中で広げても、これは、手帳みたいでしょ。
これでもか!というくらい退廃を極めていく『葉ちゃん』ストーリー。
確かに重い内容です。それでも、読み進められるのは、
『読ませる』
という、太宰の力ではないでしょうか。
『葉ちゃん』と自分の共通点を冒頭で感じてしまったこと、
これが興味を持てた一因でした。
あんな、だだ崩れ男と共通点があるなんてね。
子どもの頃、そこそこなんでもできた私は、
子どもっぽさを嫌い、大人の評価が気になったものです。
道化はできなかったけど、自分を創ろうとした記憶はあります。
では、私が崩れていかなかったのは、なぜ?
決定的な違いは、私が貧乏に育ったこと。
早いうちから持っていた、仕事をすることへの渇望。
有る無しで背伸びの仕方が違っていたということでしょう。
『・・・世間が許さない』
すでにぐだぐだになっていた葉ちゃんに悪友が浴びせた言葉、
これに対する考察も興味深いものでした。『世間』とは?
普通、『世間』と言うと自分の周り全てと考えます。
しかし、実はそうではなく、
「許さない」のは言葉を発したまさにその人だということ。
もちろん、世間が全く違う方向を向いているのではないけれど、
その人が都合のいい代表のような顔をしていると、
聡明な?葉ちゃんは感じ取ったのです。
英語の不定冠詞“a”はこういう意味で使うんじゃないの?
フェイドアウト・・・激動の半生はそんな風に終わっていくように思えました。
しかし、衝撃だったのは、葉ちゃんがそのとき27歳だったこと。
当時なら人生折り返しだったかもしれませんが、
今の高校卒業年齢から10年経つかな、という間の転落。
濃縮された半生を、その後希釈して行ったのかもしれませんが。