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株主優待

2021-05-09 15:40:31 | 衣・職


村上世彰「生涯投資家」
ずいぶん前に読んだ本です。図書館で借りたので記録にと写真だけ残していました。
投資を本格的に始めようかなどということではありませんが、
なんとなく以前から興味があって読んでみようと思っていた本です。
理解できたかというと、投資そのものの説明はほとんどわかっていません。
それでも印象に残る部分はありました。

投資という経済活動に対して、日本と諸外国との考え方の違いを知りました。
むしろ、その違いの大きさに驚きました。
日本では、お金の話をすること自体汚いこと、はしたないことと捉えられます。
物を値段ではなくその価値で判断しようというのは良いことです。
しかし、適正価格であるかを判断する力も大切です。
それは、労働対価についても同じことが言えます。
古くは滅私奉公という言葉もありました。
主人への恩義から報酬を求めず身を粉にして働くということ。
そう、額に汗して働くことを美徳とする国民性です。
必然的に、体を動かさず株や債券などを動かして儲けを得る人に厳しい目を向けます。

お金儲けは悪いことですか?

インサイダー取引を疑われた著者・村上世彰は会見で私たちに問いかけました。
あの頃の私は、昔ながらの日本人気質でしたから、
人のふんどしで相撲とって大儲けして、何を偉そうに!
と、憤慨したものです。
しかし、この本を読んでみて、少し考え方が変化しました。

企業が株を発行する、売り出すということはどういうことか。
自社の製品と同じように買ってほしいのが株なのです。
製品が売れればそれは利益になります。
株は事業を進めるための資金集めの手段なのです。
つまり、株を買うことは、まず企業を応援すること、
後にそれによって企業の業績が上がれば還元されるもの。
還元が第一義ではないということをもってすれば一般人の投資感も違ったはずなのに。
私たちは、そういった教育を受けてはいませんし、情報を得ることもできませんでした。
バブル期の狂乱が益々株の汚さ、怖さを増幅することになりました。
逆行でした。

しかし、国が変われば事情も変わります。
昔見たアニメの赤毛のアンの1シーンを思い出しました。
おそらく世界恐慌が起こった時期のことだと思いますが、
口座を持っていた銀行が倒産するかもしれないという情報を確かめるべく、
農場主が銀行に出かけて行きます。
それは単に預金があるということではなく、株も保有していたのではないかと。
私の見立てが間違っていなかったとしたら、
そんな時代から一般庶民も株や債券が身近だったということです。

記憶に新しいところでは、
韓国の人気アイドルグループが所属するエージェントが上場するにあたり、
そのアイドルのファンの若者がこぞって所属企業の株を購入したという事例がありました。
彼らは好きなアイドルにではなく企業にお金を注ぎ込んだのです。
日本人がアイドルグッズを大量に買うのと同じように。
株価は一時急上昇、しかしその後急落しました。
ファンの若者は大損をしたことになりますが、
多くは応援する気持ちから株は持ち続けると言いました。
もちろん、含み損はあってもそこで売ってしまうのは得策ではありません。
しかし、驚いたのは、若い人たちも株の購入という経済活動に参加するということです。
きっと、そういう教育も受けているのでしょう。
日本は曖昧な政策のまま、個人の責任で老後資金を蓄えろと国民を突き放しました。
儚い年金…

さて、ここからが短い本題です。
先日、わずかですが春夏物の服を買いました。
レシートを見返していて一緒に渡されたお知らせが目に留まりました。
最近は決済方法によって長々と連なったり、何枚にも分けられた明細をレジで渡されます。
クーポンなどもあります。
今回気になったのはレシートとは別シートのお知らせでした。

株主優待をご存じですか。

とありました。
私の買った服を作っている会社の株を買いませんか、という勧誘なのです。
いくつものブランドを有する日本有数のアパレルメーカーです。
100株以上持てば1500円分
300株以上持てば5000円分
年二回の株主優待が受けられるそうです。
1枚2枚のセール品を買っていく客にまで株を買えというくらいひっ迫しているのか?
いらぬ勘繰りをしてしまいます。
経営状態は良くないと聞いているだけに危機感がつのります。
同じ繊維業界のものとしては。

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