2011年2月16日-3
絵画における抽象化
「「抽象する」とは、ラティン語の‘abs-trahere’の原義に即していへば、ある対象の構成要素のうちあるものを他のすべてのものからきりはなして、ひきだし、あるいはひきさることである。」(竹内敏雄 1967.6: 157頁、原文の傍点を打つ代わりに太字にした)。
「芸術における自然対象の表現もつねに抽象化である。たとへば彫刻は、通例、対象の色彩を捨象して立体性を抽出する。絵画は、仮象的には空間の奥行きや物体のあつみを表現するけれども、むしろその実在的平面性にしたがて現実の世界から純視覚的現象をひきあげ、うきたたせることを特色とする。」(竹内敏雄 1967.6: 158頁)。
絵画という対象を一つのシステムと見なして、また、製作過程での諸システムを再分類して分析しつつ、絵画における抽象(という作業)の種類と程度(測定軸)を考えることにしよう。
[T]
竹内敏雄.1967.6.現代藝術の美學.ix+395pp+12図.東京大学出版会.
絵画における抽象化
「「抽象する」とは、ラティン語の‘abs-trahere’の原義に即していへば、ある対象の構成要素のうちあるものを他のすべてのものからきりはなして、ひきだし、あるいはひきさることである。」(竹内敏雄 1967.6: 157頁、原文の傍点を打つ代わりに太字にした)。
「芸術における自然対象の表現もつねに抽象化である。たとへば彫刻は、通例、対象の色彩を捨象して立体性を抽出する。絵画は、仮象的には空間の奥行きや物体のあつみを表現するけれども、むしろその実在的平面性にしたがて現実の世界から純視覚的現象をひきあげ、うきたたせることを特色とする。」(竹内敏雄 1967.6: 158頁)。
絵画という対象を一つのシステムと見なして、また、製作過程での諸システムを再分類して分析しつつ、絵画における抽象(という作業)の種類と程度(測定軸)を考えることにしよう。
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竹内敏雄.1967.6.現代藝術の美學.ix+395pp+12図.東京大学出版会.