2012年6月4日-2
風間虹樹の(いのち。)絵画の技法公開1
20120604
↑:図1(図20120604-1)。青色または緑色の(いのち。)たち。それらは、どういうわけか、画布 canvasを生息場所 habitat (これは、生態学的な分類カテゴリーである)とした固着生物体である。
ジェッソが乾くと、中心から放射状に罅割れ模様ができる(描かれるのではなく、自然的過程での作用によって)。
↑:図2(図20120604-2)。
動機と目的
すでに技法開発した、上記のような生命体(眼的生命体〔仮称〕、あるいは、球状生命体〔仮称〕)の、色彩変異を虹色展開して製作する。生命体の有様を、六つまたは七つに色彩分類する。したがって、各色彩について絵画的生命体を製作する。卑近には、某、十勝の美術団体展への出品の準備が契機である。
目標
虹色を、赤、橙、黄、緑、青、紫、そして基底色(灰色または銀色、または名付け得ぬ色)の(離散的な)七色として、まずは油絵の具で、製作する。
新発見事項
これまでの実験では、色は(おそらく)ジェッソの表面を流れて、円形の外に花びら様に展開した。2012年6月今回は、図2の右側、図4の上側、そして図5の拡大図に示すように、幾重かの円状縞模様となった。これは面白い。二つのジェッソS(細粒子)で、おそらく、左手のものはジェッソを情報からおとしたのに対して、右手のものは細長くジェッソを垂らしたという違いに起因すると思う。ほんの少しの「バーント アンバー + テルペン」液体領域でも、左手のものは花弁状になっており、右手のものは円状縞模様となっている。
達成事項
(いのち。)体、または絵画的生命体、つまり主観的客体的主体、の製造に成功した。
用意する用具と材料
1. マスク(鼻口覆い)。溶媒を吸わないようにするため。この手のマスクは、固いので形態を保っており、呼吸は楽である。写真での製品が、どの程度にテルペンやルソルヴァンの粒子を防いでくれるかは、不明。
2. 天然ゴム製またはビニール製の手袋。手を汚さないため。また、毒物付着を防ぐため。使用後は捨てる(塵になるが、いのちと健康が第一)。
3. プラスチック製(または紙製)の箱。写真は豆腐が充填されていた箱。油絵具を溶くための容器。
4. テルペンまたはスペシャル・ルソルヴァン。油絵具を溶くため。
5. (チューブ入り)油絵の具の紫色 cobalt violet と茶色 burnt amber。バーント アンバーは間違って選んだ色。
6. 豚毛の筆。油絵具を溶媒に広げて溶かすため。
7. ジェッソSとジェッソLL。
8. 綿カンヴァス(または麻カンヴァス)。写真のものは、すでに地塗りしてある、張りカンヴァス。
9. (百円店で入手した)注射器型の化粧品用スポイト。これで、絵具をジェッソ上に滴下する。
10. なお、カンヴァスを持って、傾けたり、逆さ吊るしするも、自由自在。ただし、その結果には注意。
11. 宣告。上記の手順を採用してなんらかの行為を行なった結果について、筆者はいかなる責任も負いません。
↑:図3(図20120604-3)。
↑:図4(図20120604-4)。
↑:図5(図20120604-5)。
↑:図6(図20120604-6)。
↑:図7(図20120604-7)。
↑:図8(図20120604-8)。
↑:図9(図20120604-9)。蛍光黄緑は、筆に残っていたものが溶けて、いつのまにか、落ちたもの。筆に残っていたものとは、サクラクレパス(油パステル oil pastelの一つの商品名)の蛍光黄緑をテルペンで溶いたもの。支持体を傾けてジェッソを少し動かしたので、生命体は楕円状になった。
↑:図10(図20120604-10)。
ついでに、おまけで、数年前に製造した蝋的生命体が生き残っていたので、公開。下記二つ。
↑:図11(図20120604-11)。画用紙に(洋蝋燭に火をつけて)蝋落としと水彩 water color。蝋表面の上に付着する水彩物体もある。この場合、水彩の支持体は蝋。蝋の支持体は、紙。なお、蝋は上方高くから落とすほど、飛び散る。円縁のギザギザが発達し、さらには、蝋が分離して飛び散るものも出て来る。
↑:図12(図20120604-12)。画用紙に(洋蝋燭に火をつけて)蝋落としと水彩。蝋表面の上に付着する水彩物体もある。