今、出発の刻(たびだちのとき)

車中泊によるきままな旅
<名所旧跡を訪ねる>

砂の美術館<砂で世界旅行・フランス編>その2(鳥取県鳥取市福部町湯山2083-17)

2024年07月21日 | 博物館・美術館・記念館
訪問日 令和6年5月20日
砂の美術館<砂で世界旅行・フランス編>その2

作品04 百年戦争
制作者:イリヤ・フィリモンツェフ/ロシア
フランスとイギリスの王位継承問題と領土争いを発端に1339年から1453年まで続いた「百年戦争」



この作品を例に砂像の仕組みについて説明したい
一枚の壁面に彫られているように見えるが実は違っている



上から見るとこのように2つの砂の塊で一つの作品に仕上がっているのだ
しかも、真横から見るとボリューム感などあまりないことが分かる



この立体感は「遠近法と光と影」によって作り出されていると何かで読んだ記憶がある
砂像彫刻家たちは室内灯や自然光を巧みに操り、計算して製作しているという



さて、百年戦争だが前半はイギリスが優勢であったが、1422年フランス王シャルル7世が即位すると形勢逆転し、フランスの勝利で終結した



作品では、兵士の重厚な甲冑



遺体にかけられた布の質感がリアルに造形されている






作品05 ジャンヌ・ダルク
制作者:ヘレナ・バンガード/オランダ
百年戦争の終盤に登場し、フランスを勝利に導いたジャンヌ・ダルク



信心深い村娘が神のお告げを受け、国王シャルル7世に進言したのは16歳の時だった
そこから一躍、軍を先導し士気を高める戦場のシンボルとして活躍する



砂像では、前景に「オルレアンの戦い」で拠点都市をイギリスから奪還した堂々たる姿が……



後景にはその2年後に異端裁判により火刑に処される姿が……
光と影を対比して構成することで、19年の生涯を劇的に表現している
ジャンヌは死後25年経って名誉復古され、1920年にはカトリック教会の聖人に列聖している




作品06 絶対王制
制作者:ドミトリー・クリメンコ/ロシア
絶対王制は国王が絶対的な権限を持つ政治体制のことで、16~18世紀の西ヨーロッパで成立した



フランスでは「太陽王」と呼ばれ、72年間在位したルイ14世の時代に全盛を極める
「朕は国家なり」という有名な言葉が示すとおり、独断で戦争を繰り返し領土を広げた



パリ郊外に豪華なヴェルサイユ宮殿を建造、王宮を移して貴族や官僚を住まわせ権力の一極集中を図った



晩年は戦費がかさみ財政難に陥った
作品では、貴族たちを世に、彼の黄金期を表現している



作品07 フランス革命
制作者:ミケーラ・チャピーニ/イタリア
18世紀後半に即位したルイ16世の時代には、14世から続き対外戦争の負債を抱え
さらに王妃マリー・アントワネットらの浪費が財政を脅かしていた



国王は財政難を新たな課税で賄おうとしたが国民が反発
国王からの武力弾圧に民衆が蜂起し、1789年フランス革命が勃発した



聖職者や貴族の特権廃止など、国民が自由・平等を求めた戦いの中で王権が停止された
ルイ16世ら王族・貴族は次々と有罪になり、ギロチンにかけられた



作品では、処刑場の革命広場に集まった人々の興奮と革命前の優雅な姿を対比的に表現している



次回に続く

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 砂の美術館<砂で世界旅行・... | トップ | 砂の美術館<砂で世界旅行・... »

コメントを投稿

博物館・美術館・記念館」カテゴリの最新記事