今、出発の刻(たびだちのとき)

車中泊によるきままな旅
<名所旧跡を訪ねる>

砂の美術館<砂で世界旅行・フランス編>(鳥取県鳥取市福部町湯山2083-17)

2024年07月20日 | 博物館・美術館・記念館
訪問日 令和6年5月20日
砂の美術館<砂で世界旅行・フランス編>その1



平成18年(2006年)の開館以来、毎年テーマを替えて開催
2024年 パリオリンピック・パラリンピックが開催されることから、テーマをフランスに選定



総合プロジューサー 茶圓勝彦
砂のプロフェッショナル 12カ国20名の砂像彫刻家による作品



作品01「ノートルダム大聖堂」「小説<ノートルダム・ド・パリ>」
制作者:アンドリウス・ペトクス/リトアニア
    ドナタス・モッカス/リトアニア


入口に入ると、大きな砂像が目に入ってくる
海外旅行の経験はないが、「ノートルダム大聖堂」の名だけは知っている



「我らの貴婦人」を意味し、聖母マリアを讃えるノートルダム大聖堂



1163年から約180年かけて完成した荘厳な大聖堂
ゴシック建築の最高傑作と称されている



18世紀のフランス革命で一部が破壊され、その後荒廃していく
1831年ヴィクトル・ユーゴーが小説「ノートルダム・ド・パリ」を発表すると
大聖堂の価値が見直され、修復が行われた(世界遺産)



ここに展示されている砂像は約3ヶ月の期間を要して制作されている
鳥取砂丘の砂と水だけで圧縮した砂の塊を彫刻して造形している
凝固剤を使用せず、展示が終わると作品を崩してもとの砂に戻し、新たな作品を制作している



砂は常に崩れるリスク、重力とのせめぎ合いといわれている
この高くて細長い塔はどのように制作されたのか、とても興味がある



最後の面は小説「ノートルダム・ド・パリ」を表現している
日本では「ノートルダムのせむし男」の邦題でも知られている
ノートルダム大聖堂のように直立する砂像は制作中に崩れるリスクが伴う
この作品はそれを回避するためにサポートする役割を果たしている



物語だが
ノートルダム大聖堂の前に、一人の醜い赤ん坊が捨てられていた
彼は大聖堂の助祭長、フロロに拾われ、カジモドという名をもらう
彼は成長し、ノートルダムの鐘つきとなる
パリにやって来た美しいジプシーの踊り子エスメラルダに、聖職者であるフロロは心を奪われる
欲情に悩み、ついにはカジモドを使ってエスメラルダを誘拐しようとする



カジモドは捕らえられ、エスメラルダは衛兵フェビュスに恋するようになる
フェビュスとエスメラルダの仲は深まるが、実はフェビュスは婚約者がいる不実な男だった
捕らえられたカジモドは広場でさらし者になるが、ただ一人エスメラルダだけは彼をかばう
カジモドは人間の優しさを生まれて初めて知り、彼女に恋をする
フロロも彼女に想いを募らせるが、エスメラルダの心はフェビュスにある
フロロは逢引をするふたりをつけて行き、フェビュスを刺して逃げる
エスメラルダはフェビュス殺害未遂の濡れ衣を着せられ、魔女裁判の元に死刑が言い渡される



カジモドはエスメラルダを救いノートルダム大聖堂にかくまう
しかし、エスメラルダはカジモドのあまりの醜さにまともに顔を見ることすらできなかった



フロロはパリの暴動の矛先をノートルダム大聖堂に向けさせ、混乱の中エスメラルダを連れ出す
助命と引き換えに愛人になるよう迫るが、彼女はフェビュスを刺したフロロを拒んだ
フロロは彼女を衛兵に引き渡し、エスメラルダは兵士達に捕まり、処刑される



大聖堂の塔の上からそれを見届けるフロロを、カジモドは塔から突き落として殺す
数年後、処刑場を掘り起こすと、白い服装をしていた女性エスメラルダと思われる白骨に、
異様な骨格の男の白骨が寄り添っており、それらを引き離そうとすると、砕けて粉になってしまった






作品02「パリの風景」
制作者:スラヴァ・ボレツキ/ポーランド

街の中心をセーヌ川が流れ、左岸にはドーム屋根の「裁判所」
フランス革命で牢獄とし素養していた「コンシェルジュリー」が見える



手前の橋はナポレオン3世が建造を命じた「シャンジュ橋」



この作品ではパリの風景よりも、この貴婦人に意識が向かってしまう









作品03「建国の王 クローヴィス」
制作者:オスカー・ロドリゲス/スペイン

ゲルマン系の民族であるフランク族を統一し、481年にフランク王国を建国したクローヴィス



ゲルマン民族が信仰していたキリスト教アリウス派から、アタナシウス派(後のカトリック)に改宗した
ローマ教会や貴族たちの後ろ盾を得て勢力を拡大したフランク王国はフランスの国名の由来とされ、歴代の王はクローヴィスから数えられる




作品はクローヴィスが洗礼を受ける様子



次回に続く

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