新聞に「全国のいじめ3.5%増」とありました。
全国の小中高で7万5千件を超えるいじめがあるということです。
しばらく減少傾向だったために,これはショックです。
しかも,震災の影響がある福島・宮城・岩手の三県は除いてこの数字だということなので,かなり深刻だと受け止めるべきものかもしれません。
このデータの公表には,都道府県別のデータも同時に示されており,どの県が一番いじめが多いだとか,それらのうち解決できたのは県内で何%だとか,そこまで示されていました。
これについても,私自身がどの地域に思い入れがあるとかは関係なしにしても,なにか気持ちの悪いものでした。
言うまでもなく,いじめは絶対に許されません。
学校から根絶していかなくてはいけない。
そのために教員をはじめ,関係するいろんな人たちが努力をしなくてはいけません。
現場レベルでいじめを考えたり,話し合ったりする際に必要なことがあります。
何を「いじめ」というか,共通認識しておくこと
です。
繰り返しますが,いじめは絶対に許されません。
学校に,学級にいじめが存在するとなれば,本気で取り掛かる問題です。
どんな当事者も,相当な覚悟が必要なことです。
だからこそ,その「いじめとは何か」という部分を,学校に関わるみんなが知っておくべきです。
文科省が出している資料や,有名な教育研究者などが明確に示しているものもありますが,それに沿いながらも子どもの発達段階に応じるなどして,子どもや保護者にも伝えておくことが必要でしょう。
でなければ,だれかが「いじめがあった」なんて話題を持ち出した時に,同じレベルで話ができないことがあるからです。
文科省の言葉に沿えば
・相手に対して一方的なもの
・相手に対して身体的,心理的に攻撃するもの
・継続的であるもの
・相手が深刻な苦痛を感じているもの
が,「いじめ」であるとしています。
これらに「意識的に」とか「集団で」とか「陰湿な方法で」とか,いじめに加わりそうな要素もありますが,こういったことを学校,学級レベルで共通に認識しておくことです。
ある子が,「学校でいじめられた」と言っていましたが,話を聞いてみると,相手との対等な立場でのけんかの中でいやなことがあったいうこと。
この場合,それは「いじめ」と表現するものではないことを,教えてあげなくてはいけません。
ある子は,制服にたくさんの汚れをつけて帰ってきて「いつものことで慣れてるから」と言っていましたが,話を聞いてみると,集団で一方的に泥を投げつけられて,その相手らは喜んでいたということ。
この場合,それは「いじめ」であり,絶対にやめさせなくてはいけないものだと教えてあげなくてはいけません。
このように,クラスで「先生はいじめを絶対に許さないよ」という話をするとき,先生が言う「いじめ」のことを,子どもたちも知っておかなくてはいけませんよね。
そして何より大事なことは,いじめは,いじめられている側の子の立場に立って解決に向かうということ。
「先生は,先生の200%の力をもって,いじめられている子の味方になって,いじめている子をやっつけます。約束します。」
その姿勢を貫きます。