小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

給食を食べない子が増えたと思いませんか?

2010-08-13 08:44:56 | 学級生活の攻略法

さて,今回は給食の話。

給食にガッついて,おかわりを競争する子たちをまとめるのも一苦労ですが,飽食の時代でしょうか,そんな姿も少なくなってきたように感じます。

どちらかというと,今の給食でより指導に困るのは,「食べたがる子」たちでなく「食べたがらない子」たちの方ですね。

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大きくは,偏食と遅食。

このいずれも,指導が必要だし,大変ですね。

もちろん,時間内にすべてを食べさせたいのですが,指導すればすぐにできるようになる,というふうにはならないのがこの給食指導です。

食事の取り方とは,まさしくその人の育ち,成長に根付いています。

だからこそ一回の指導で改善できるような特効薬はないのでしょう。

長い時間をかけて,コツコツとやっていくしかありません。

そして,この給食指導をどう進めるかも,担任の先生によって大きく違うようです。

偏食児に,うむを言わさず全部食べるよう指導する先生。

半分は食べるように指導する先生。

食べなくてもよいとする先生。

遅食児に,食べ終わるまで残して食べさせる先生。

みんなと一斉にごちそうさまをして,そこまでしか食べさせない先生。

5分と決めて残して食べさせる先生。

食事に対する担任の先生の価値観でしょうか。言うならば,それもその先生の育ちに根付いているのかもしれませんね。

この給食指導に関しては,偏食・遅食に対して「こう指導するべきだ」とは,はっきりと断定はできないと,私は個人的に思います。

ただ,どんな指導をするにしても,必ず心掛けた方がいいことはあると思います。

指導方針を保護者に明確に示した上で,無理のない食べさせ方をする!

ということです。

「給食指導はこう進めたい」というのを担任がきっちりと持って,まずはそれを保護者に示し,理解を促すことが不可欠でしょう。

なぜなら,食事とはやはり家庭が基本だからです。

学校で子どもたちがどんな風に給食を食べているのか,食べられない場合は先生はどんな指導をしてくれているのか,それを保護者の方も知っていると安心でしょう。

「だからうちでも…」と,家庭での食事への意識を高くしてくれるかもしれません。

「給食は全て食べきることを目標とします。時間がかかっても,残して食べさせようと思います。」

「給食センターが定時に回収に来ます。遅い子も1時10分までと決めて食べさせます。」

「野菜嫌いの子が多いようです。今の時期は体の成長にとても大事な時期になりますので,みんな同じ量をしっかり食べさせたいと思います。」

「好き嫌いもある程度認めながら,今日は1つ,次は2つ,などと数を決めて嫌いなものも食べさせようと思います。」

こういった先生なりの指導方針を,家庭と共有しておくのです。

できれば,先生の一方的な決め付けでなく,年度初めの学級PTAや家庭訪問などで,おうちの方々のご意見を拾いながら,それらを汲み取って指導の仕方を決めていくとよりいいですね。

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学校では「出羽海」になっちゃだめ

2010-08-12 09:12:30 | 教師の仕事術の攻略法

私は本校に4月に赴任してきました。

1学期を終え,少しずつ新しい学校のシステムや雰囲気が分かってきた感じです。

夏休み。

秋の研究公開に向けて,私は「環境整備班」の一員として,先輩先生と一緒にろうかの掲示物を張り替えていました。

慌ただしかった一学期でしたから,やっとゆっくり同僚どうしで話ができました。

「学校には慣れてきたかな?」

「一年生はどう?」

「おくさんも元気にしてる?」

「おれも今年で6年目になるな…」

先輩先生が優しい口調でいろいろと話してくれる中で,こんな話もしました。

「…でも,先生はえらいよね。『出羽海』じゃないから。」

「はい?なんですか?出羽海????」

「そう,出羽海。知らない?」

「お相撲さんの…?」

「あはははは,学校でいう『出羽海』は,違うんだよ。・・・・・ということだよ。」

「なるほど…!」

とても納得したので,とりあえず

学校では『出羽海』にならない!

と掲げておきましょう。

「どういう意味ですか?」

「『出羽海(ではのうみ)』っていうのは,すぐに「…では」「…では」って,言う人のことだよ。」

「…では」

「そう。よくいるじゃん。『前の学校では…』『前の学校では…』って,前の学校にいたときのことを出してくる先生。」

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「あ~,いますいます。そういう人います。

「いかにも前の学校のやり方が正しくて,鼻から今の学校を否定しようとする先生のことだね。出羽海。」

「そんなの言い出したら,会議なんて大変ですね。」

「だよねぇ。でも結構多いんだよ。空気読めない人も。先生はちっとも出羽海じゃないから,いいよ。」

「うん… まぁちがいますかね。」

郷に入って… という意識も大事でしょうね。

謙虚に,その学校のシステムにまずは従ってみる。試してみる。

そして十分に慣れて,理解できてきてから,改善すべきはする。

それも「前の学校では…」なんて立場でなく,今の学校の一員として意見したいですね。

出羽海にはならないように!


先生の特権「丸つけ」

2010-08-11 08:08:39 | 授業中の攻略法

ノートやいろいろな作品などに,先生がつけてくれる「丸」

子どもにとっては重要なものだったりもします。

自信がある答えに「よくできた!」と,つけてもらった丸はうれしい。

自信がなかったけど「これでいいんだよ」と,つけてもらった丸もうれしい。

丸はもらえないだろうと思っていたときに,つけてもらった丸に「え?」と思うこともあるでしょう。

意外にも丸がもらえなかったときには「はぁ…」と落ち込みますね。

低学年の子は,先生に丸をもらいたくて,がんばってノートを書く子もいますね。

それほど子どもたちへの大きな影響力をもつ,この「丸つけ」とは,先生がもつ大きな特権の一つと言ってもいいかもしれませんね。

作業自体は1秒もかからないものなのに,不思議なものです。

しかし,一つ言えることがあります。

上のように,丸つけに対して子どもが喜んだり悔しがったりという反応を示すには,やはり先生の丸つけにそれなりの技術がある場合なのです。

なんでもかんでも,てきとうに丸つけをする先生の「丸」には,子どもたちは反応しないでしょう。

丸つけの基本として,

つける「丸」に,一貫性のある意味をもたせる!

ということを大事にしたいです。

丸だけではありません。

二重丸や花丸などをつける先生も多いでしょう。

そういった丸の種類に対しても,一貫性のある意味をもたせるべきです。

私の周りでも,こんなミニトラブルがよく置きました。

さとこさん「先生,これすごくがんばったんだから,花まるつけてよ~!」

先生「…よし!」

それを見ていた…

あゆむくん「…あぁ!なんでぼくだけ普通の丸なの!」

先生「え?正解したから丸だよ。」

あゆむくん「さとこちゃんは花まるだったじゃん!ぼくにもつけてよ!」

先生「いや,さとこさんは,すごくがんばって…」

他の子たち「ぼくもー!」「わたしもー!」

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これは,まったくもって先生のせいですね(笑)

単に,「よくできたら花丸」などというあいまいなものから,もう一歩具体的にしてみましょう。

例えば,算数の授業,「足したら整数になる分数どうしのたし算を見つけよう」という課題に対して,子どもたちがノートに向かってがんばっている場面。

三角(△)…正解でも間違っていても,書けたらつける

丸(○)…正解したらつける

二重丸(◎)…正解し,さらにだれも見つけていないものだったらつける

花丸 …正解を5個見つけたらつける

という明確な基準をもって,どの子のノートにもその一貫性をもってつけてあげるのです。

そして実際にそれらをつけながら「正解!丸!」「よく書けたけど違う!三角」「5個目おめでとう!花丸!」などと,おおげさに言いながらつけると,子どもにとっても分かりやすく,基準を共有できることになるでしょう。

これは算数のある場面での丸つけですが,似たような基準を,他のいろいろな場面にも適用することができるでしょう。

「先生が△をつけるときは・・・ というときだよね。」

「先生が○をつけてくれたということは・・・ ということだね。」

子どもたちにも,そういう先生の評価の基準が浸透していくことでしょう。

そうすると,先生が一瞬でつけてしまう丸つけにも意味がこめられ,子どもにとって重要なものになってくるのです。

ぜひ,丸つけについて,先生は自分なりの一貫した基準,意味をもっておきたいものです。

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45分間もプリントばっかりできよぉ

2010-08-09 18:12:32 | 授業中の攻略法

夏休みということで,先日は前任校の仲間たちと合って,お酒を交わしながらゆっくりと話すことができました。

みんな,学校は変わってしまったけど,それぞれに活躍していました。

そして「ブログも見てるよ!」と,いろんな意見ももらいました。

いや~うれしかったなぁ

「小学生攻略法」これからもがんばります!

さて

算数など,授業の内容によって,その時間は習熟のためにプリントやドリルの練習問題に取り組ませたい場面もありますね。

1時間集中してたくさんの問題を取り組めればよいが,なかなかそうもいかない様子の子も多いものです。

落ち着きのない子,

算数を苦手としている子

そういった子たちにとっては,1時間を集中して取り組むというのは至難の業。

そんな子たちに,どんなに先生が言葉をかけても,限界があります。

また,そういった子たちにかかりっきりになり,他の子のサポートがおろそかになるのもまずい。

こんな場面で,1つうれしい攻略法があります。

問題を解いたら,黒板に名前を書くシステムをつくる!

ということです。

要するに,自分ががんばったことが,目に見える形で表れることが,子どもはうれしいのです。

コツは,できるだけスモールステップで問題を区切って,たくさん名前が書けるようにしてあげるといいですね。

例えば,黒板に

「ドリル25の①~⑤」→「ドリル25の⑥~⑩」→「プリント№1」

などと数問ずつの枠を作って,「その問題を解き終わったら,その枠の中に名前を書きにおいで」と,指示を出すのだします。

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こうすると,子どもたちは机に座りっぱなしでなく,活動にメリハリができます。

そして何より,がんばれば自分の名前がたくさん黒板に並ぶので,子どもたちは意欲的になります。

こんな単純で簡単なことですが,「黒板に自分の名前を書く」ということは,子どもたちにとってはエキサイティングなことで,大好きなことなんですね。

しかも,先生側から見ても,黒板を見れば,

「あやこさんは,もう3つも進んでるな。新しい課題を用意しないといけないかな」

「あら?たくろうくんの名前が1つもないぞ。見に行ってあげよう。」

よくできている子と,つまづいている子とが一目で発見できて,支援もしやすくなります。

このシステムに子どもたちも慣れてきたら,加えて,答え合わせのシステムや,間違い直しのシステムも工夫して織り込むといいですね。

そうしていろんなシステムが機能的に動き出すと,クラスとして,授業として心地よいテンポが出てくるものです。


「おたくのお子さんについてなんですが…」

2010-08-07 12:09:00 | 保護者への攻略法

子どものことで,おうちの保護者に先生から話をすることもあります。

「お子さんのことでちょっとお話が…」

電話や,お手紙,ときには直接会って話をします。

そして,こんな時の話というのは,往々にしてうれしい話ではないことが多いです。

「けんかをしてお友だちにけがをさせてしまって…」

「ボールで廊下の窓ガラスを割ってしまったのですが…」

「お友だちとの関係がうまくいかなくて,ずいぶんと悩んでいるようで…」

「忘れ物が多くなっているようで,なかなか授業に身が入らず…」

学校ですべて対処して解決していけることならそうしたいところですが,どうしても保護者の方に連絡・相談しないといけないこともあります。

こんな連絡を受けたご家庭の方は,「えぇ…」と,落ち込んでしまいそうです。

そんな保護者の方を思いやる上でも,先生としては

問題点を知らせるときは,必ずその対処案も添えて知らせる!

ということを忘れずに。

要するに,言いっぱなしにしないということです。

問題があったことを知らせるだけ知らせて,「お願いします。じゃあ,これで」なんて冷たすぎますし,無責任ですよね。

もっと頼もしい先生でありたいです。

先生「忘れ物が多くなっているようで,なかなか授業に身が入らない日が続いています。」

保護者「はぁ… そうだったんですか… すみません…」

先生「忘れものに関しては,帰りの会で明日の準備を必ずメモさせ,私のところに見せにくるようにします。しばらくは,おうちでもそのメモを見ながら,できればご一緒に準備をしてあげてくださればと思います。いかがでしょうか。」

保護者「そうですね。仕事で遅い日もあり,できないこともあるかもしれませんが,できる日はそうしたいと思います。」

先生「ありがとうございます。」

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基本,学校で起きていることは,学校で責任をもって対処する。

そして,必要だから,保護者の方にもご協力をいただく。

そういう姿勢です。