小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

先生は,こんなことだってほめてくれたよ

2010-12-02 19:09:28 | 「教師-子ども」関係の攻略法

子どもの活躍がとてもよく目立つときは、もちろん声を大にしてほめてあげることができます。

特に今のシーズンは秋の様々なイベントも多く、その中での子どものがんばりはよく目にとまるものです。

例えば運動会

「かけっこで1位になれたね!練習の成果だよ!」

「放送の係を上手にできたね!とても落ち着いていたよ!」

「応援団でよく下級生を引っ張っていったね!さすが6年生でした!」

こんな言葉が出るときは、子どももうれしいし、先生もうれしい。

しかし、言ってはなんだけど、こういったことをほめることは、難しいことではありません。

やはり、先生ともなれば、こういったことに加えて、もっと他の人ではできないようなほめかたもしてあげたいのです。

それは、運動会などの大きな活躍の場ではなく、普段の何気ない生活の中にあるものです。

毎日の当り前の学級生活を送っていると、いろいろなことが当たり前に見えてきて、つい「最近、ゆきこさんを何かでほめたことがあっただろうか・・」と、気付かされます。

実際、ほめていないこともあるのです。

だからといって、ゆきこさんが最近何もがんばっていないかというと、実はそうではないはずです。

こういったときに心掛けたいことがあります。

子どもが無意識でしていることを、意識化させるようにほめる!

という技です。

何もない当り前の毎日というのは、裏を返せば、みんなが自分の役割をしっかりと遂行して、安定した日々を送れているということです。

これは、十分にほめるに値します。

ゆきこさんの様子もよく見ていると、

・毎日遅刻もせず、決まった時間に集団登校しています。

・忘れ物はほとんど見当たりません。

・授業では、私語や手遊びで叱られたことはありません。

・一人一役の「雑巾並べ」を欠かさずしてくれています。

・日記には、放課後に友だちと仲良く遊んでいる様子をよく書いてきています。

実は、いろいろと立派な姿があるものです。

しかし、これらのことは、ゆきこさんにとってもほぼ無意識でしていることだったりします。

ゆきこさんにとっても、やって当り前のことになっていて、特に意識してしているわけではありません。

そして、先生にとっても同様です。

ここに、先生の意識の低さが出てしまいます。

先生は、努力をしているゆきこさんと同じように,それらにことに無意識でいていはいけません。

ここで先生の役目は、これらの立派なことを無意識でしているゆきこさんに、それらのことは素晴らしいことなんだよと、意識化させてあげるようにほめることです。

「ここ1ヵ月ぐらい、忘れ物をしていないね。しっかりしているなぁ。感心ですよ。」

この一言で、ゆきこさんははっとするでしょう。

(自分でも気づいていなかったけど、私ってがんばってるんだ。)

自分のがんばりに、自分で気づいてあげられます。

すると、明日からも忘れ物をしないことに意欲的になり、それができる自分に自信がわいてくるものです。

それができるようにしてあげるのが、先生のほめるときの役目の一つでしょう。

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無意識でしていることを、意識化させるようにほめる。

先生は何気ない毎日に、子どもの小さながんばりをたくさん見つけてあげましょう。


「今日は,お休みしているA子ちゃんの話をしようか。」

2010-12-01 20:28:22 | 学級生活の攻略法

かぜが流行る季節になってきましたね。

各学校の欠席状況はどうでしょうか。

幸い,私のクラスの一年生はここ数日,…いや数週間全く欠席はありません。

かぜだけでなく,ノロウィルスやインフルエンザなど,いろいろと敏感にならなくてはいけない時期です。

あるクラスで…

朝,登校が遅いなとおもっていた「ともこさん」が,今日はかぜのために欠席だという連絡が届きました。

「ともこさん,今日はお休みだって。」

「えー かわいそう,ともこちゃん。」

「昨日も元気なかったもんね。」

さびしそうにしているお友だちもいます。

しかし,クラス一人お休みでも,その日のクラス生活は,ほぼ普段どおりに進みます。

机に一人いない状況で,いつもどおりの朝の会が始まり,いつもどおりの授業が始まります。

グループ活動など,ときおりともこさんがお休みのことで影響がでる場面もありますが,支障をきたさないように,どうにかカバーして進みます。

そして,帰りの会でともこさんにプリントなどを届ける子を確認して,クラスの一日は終わります。

クラスとしては当たり前のことですが,「ともこさん」のことだけを思うと,なにかさびしい感じがします。

そこで

あえて,欠席した子の話題をクラスでしてみる!

ということもいいのかもしれません。

先生としては,欠席したともこさんのことを,ともこさんがその場にいない状況でどうこう話題にするのは,気が引けるような感じもするものです。

だから,ともこさんの「いいところ」を話題にするのです。

欠席だとみんなに伝えた朝の会で,ほんの少しでもいいから,「ともこさん」のことを先生から話題にしてみます。

「ともこさんってさ,おっちょこちょいなところもあるけどさ,本当に優しい子だよね。飼育委員会では,うさぎのお世話を一日も忘れたことないんだってよ。

普段から感じているともこさんのよさを,紹介してあげます。

「あかりさんはともこさんといつも仲良しだよね。ともこさんって,どんなお友だち?」

あかりさん「うーん,おもしろい子だよ。よく笑わせてくれる。」

「へぇー,たしかにおもしろいところもあるよね。時々さ…」

なんて,何気なく話題を広げます。

欠席して苦しんでいる子の話題だから,自然とみんな優しい気持ちでともこさんのことを思い返してくれるはずです。

だから,普段一緒にいるときよりも,なにかクラス全体がともこさんへの思いが深まる感じになります。

それが,欠席してしまったからこそできる唯一のチャンスです。

ここにいないからこそ,できるいい話題があるんですね。

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ここでは,形式的に「欠席の子に一人一枚カードを書いて!」なんていうよりも,先生がじわーっと,語るように話す方がいいような気がします。

うそのない,自然な形で,欠席の子へのクラスメイトの思いが深まります。