小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

アンケート集計,これがまた一苦労なんだ

2011-01-20 22:42:24 | 学級生活の攻略法

学級の子どもたちにアンケートを実施することは少なくありません。

保健室から出される生活習慣アンケート

「家でも手洗いうがいをしていますか?」

「朝ごはんはどれくらいの量を食べていますか?」

生徒指導部から出される生活態度に関するアンケート

「地域の人にあいさつしていますか?」

「携帯電話を持っていますか?」

研修部から出される学習に関するアンケート

「好きな教科はなんですか?」

「宿題は何時頃していますか?」

質問紙によるアンケートを子どもたちに配布し,記入させ,回収して,集計します。

記名のあり・なしはそれぞれで違います。

そして,担任の先生が,子どもたち全員の分のアンケート用紙とにらめっこしながら,がんばって「正」の字で結果を出し,まとめた一枚の紙を,担当の先生に提出します。

この作業,大変なんです。

つくづく思います。

アンケート集計は,できるだけ一斉に集計する方法で!

ようするに,上の

「配布」→「記入」→「回収」→「集計」

という流れでなく,

「配布」→「記入」→「集計」→「回収」

という流れにするということです。

子どもたちの手にアンケートがあるうちに集計します。

方法は簡単です。

「当てはまる所で手を挙げてください(起立してください)」

ということです。

そして先生はその数を数えます。

全ての質問を終えたときには,もう集計が終わっていることになります。

これで,最初の集計のやり方とは作業の時間がグンと違います。

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当り前のことですが,学校でとっているアンケートって結構こんなやり方で済むものが多いことに気付かされます。

最初に挙げた例のようなアンケートは,わざわざ紙にしなくても,サクッと子どもたちに聞いてしまえば早いものです。

もし,アンケートの内容によって,子どもが周りの目を気にしたり,プライバシーの配慮が必要だと感じられたら,机に顔を伏せさせて,小さく手を挙げさせるといいですね。

ただし,最大限の配慮を要するアンケートもときにはあります。

いじめに関するものや,家庭環境に関するものなどです。

そういった場合は,もちろんプライバシーへの配慮を最重要とし,質問紙を一枚ずつ集計する方法にしなくてはいけませんね。


子どものけんか,先生がジャッジを下すとき!

2011-01-19 17:33:08 | 学級生活の攻略法

学級で子どもどおしのけんかがおき,先生がけんかの仲裁に入ります。

そして,ジャッジを下します。

この先生のやり方には,けんかの当事者も固唾を飲んで注目するでしょう。

ところで。

最近の子どもたちが,あまり激しいけんかをしないことについて。その背景にあるのは…

・子どもたちの感情が熱くなりにくくなっている

・クールを装うことがかっこいいような風潮がある

・相手に強く何かを伝えるための術を知らない。また,その意欲も弱い

・人間関係,友人関係が希薄なものになってきている

・暴力で解決することを社会全体が許さなくなってきている

・大人のけんかを間近で見ることがない

・けんかに対する教師,学校の姿勢が厳しくなっている

ということが考えられるように思います。

いい面も,そうでない面もありそうですね。

いずれにせよ,けんかという人間どうしの濃い接触の中で得られる感情や,経験というのは,子どもの人格の成長に大きく影響すると思います。

さて,話を戻して,けんかのジャッジ。

結論から言いますと,これが一番かと。

基本的に,けんかは両成敗!

でしょう。

この両成敗を言い渡す前に,けんかの当事者に満足いくまで話をさせるわけですが,それは「どちらが悪い」という判断をするためではなく,けんか自体を落ち着かせるためです。

確かにどちらかが悪い場合もありますが,ここでは,その子を叱ることよりも,それがけんかに至ってしまったという,その事実を叱るようにします。

「二人で,話し合って冷静に解決できず,激しいけんかになってしまったことがいけない。未熟だ。けんかはいいことではない。」

もう一つは,けんかになっている時点で,お互いが相手を攻撃しているわけだし,お互いが傷ついています。だから両成敗。

「きみたちの言った一言,手を出してしまったことで,大事な友だちがとても傷ついています。深く反省しなさい。」

こうすることで,子どもたちの間に不満や,遺恨も残らなくなるし,先生は平等に物事を見るという姿勢が伝わるでしょう。

「どっちが悪い」じゃなくて,「けんかがいけない」というジャッジです。

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そして,そのジャッジを厳しく伝えた上で,まだ涙を流している二人には,優しいフォローも忘れないようにしましょう。

・原因となるよくない言動があったならば,それは絶対にやめるよう,個別に約束する

・「雨降って地固まる」けんかを通して成長できることを教える

・お互いに謝れる雰囲気があれば,「最後に,相手に言いたいことはありませんか」と促してみる。(もし謝れたときには,笑顔で頭をなでてあげる)

すべてのけんかにこれが絶対,というわけではと思いますが,これが基本だと思います。


Play The Devil

2011-01-16 16:33:23 | 学級生活の攻略法

学級経営にのぞむ先生のスタイルについてです。

それは先生により実に様々。

そして学級の子どもたちによっても実に様々。

きっと,全国の小学校のどの学級を見ても,全く同じ学級というのは存在しないでしょう。

だからこそ小学校はおもしろいし,だからこそ学級経営は難しい。

担任の先生は,毎年,いや毎日頭を悩ませます。

どんな学級経営の仕方がうまくいくのか。

先生はどんな存在になればいいのか。

そういう思考錯誤した末の手法が,うまくいくときもあれば,うまくいかないときもあるものですね。

さて,そんな学級経営に当たる担任の先生について。

今回は,タイトルにズバッと書いちゃいました。

「Play The Devil ~プレイ・ザ・デビル~」という先生の役割もある!

ということを知っていてもいいのかもしれません。

結論から言うと,これはかなり高学年向きで,しかもある程度鍛えられた,子どもたちがしっかりした学級で実践できるやり方になるでしょう。

「プレイ・ザ・デビル」

多くの方が耳にしたことのある言葉だと思います。

おそらく,一般的には学校現場ではなく,会社や組織の運営に用いられる言葉ではないでしょうか。

訳すと

「悪役を演じる」

です。

組織がよくなるために,あえて誰かが悪役を演じるということです。

これを学級経営の現場に当てはめてみると,もちろん子どもを悪役にするわけにはいかないので,先生が悪役を演じます。

「Teache Plays The Devil」

でしょうか。

先生が子どもたちにとっての,学級にとっての「悪役」になって,それに打ち勝つために子どもたちががんばる。

その中で子どもたちは,団結して,知恵をしぼって,自分たちの姿を振り返って,よりよい学級にしていくために戦っていく。

それがねらいです。

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例えば,

・学級で何かにチャレンジしていく中で,先生が「このクラスには無理だ。あきらめよう」と言う

・仲の深まらない子どもたちに対して,先生があえて厳しい言葉で「このクラスはよくないクラスだ」と指摘する。

といったことです。

こんな悪役のような先生に対して,子どもたちが自分たちの力で学級を立て直そうと奮起できれば,それは素晴らしいことですね。

このやり方には,相当な勇気がいります。

相当な慎重さがいります。

子どもたちに力があり,それを信じられる先生にしかできないでしょう。

小学校段階ではなかなか難しいかもしれませんが,卒業前の6年生など,より1歩大きな前進を願って,先生が役割を演じてあげるのも,考えてみてもいいかもしれません。

また,こんな大きな枠での学級経営だけでなく,もっと小さな場面でも「Play The Devil」的なものもあるのかもしれませんね。

例えば,図工の作品を仕上げて見せに来た子どもに

「まだよくないね。」

と突き返す。

一見冷たさも感じますが,そこには「この子ならもっといい作品を作れる。」という期待があります。

この子に「よくできているね。もう一歩,ここら辺に…」とほめながら指導するやり方もありますが,ときには,先生の役割を変えてみる。

そこら辺のセンスを磨きたいものですね。


生徒指導主任の先生って,やっぱりこわい人なのかなぁ…

2011-01-15 09:29:38 | 教師力UPの攻略法

あっという間に1月も中旬です。

職員室では,ぼちぼちと次年度の話題が出てきます。

異動対象の先生には,周りから「どうなの?どうなの?」みたいな視線が当てられて,そんな先生はなんとなくソワソワしてしまいますよね。(笑)

そして,校務分掌。

「誰が何年生担任になる」とか,「○○主任にはやっぱり誰」とか,先生たちの間で勝手な人事予想が始まります。

私もこないだ,年配の先生に

「先生はたぶん○年生だろうね~」

なんて言われて,

「はぁ… そうなんですかぁ」

気の抜けた返事をしてしまいました。

私自身は何も考えていなかったのに,ご親切に周りの先生の方が身の振り場を考えてくれています。(笑)

さて

学校にはいろいろな校務があります。

初任のころは学級担任のみを任され,それらの校務を経験することは少ないし,下手すればその存在すら知らないままということもあります。

そして経験を重ねだした頃に,少しずつ学級担任以外のお仕事も任されるようになります。

おもしろいもので,学校の先生たちも「立場が人をつくる」というのがよく表れているように思います。

生徒指導の先生は,厳しい先生のように見えます。

情報教育の先生は,パソコンが好きなように見えます。

体育指導の先生は,熱血で元気な先生に見えます。

読書指導の先生は,知的で優しい先生に見えます。

厚生部長(親和会長)は,ユーモアがあり親しみやすい先生に見えます。

「見えます」だけでなく,本当にそんな先生もいます。

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そして,そのお仕事の経験が長くなると,本人も「私は生徒指導専門だ!」のような自負が芽生えだします。

学校としては,頼もしい存在かもしれませんね。「その先生に,任せましょう」みたいになることが多いでしょう。

でも,その先生自身にとっては… どうでしょう。

今回のカテゴリー「教師力UP」という視点から,ぜひ提案したいです。

経験を重ねだしたら,新しい仕事にチャレンジする!

ということです。

学校の先生には幅広い人間性が必要だし,幅広く仕事をこなせることが必要だと思います。

いろいろ知ってこそ,先生としてのクオリティーが高まる。

「情報教育専門」「情報教育しかできない」という先生もいいですが,「情報教育もできる」という先生の方が,私はいいと思います。

その学校に情報教育に通じる先生が何人もいる必要はないかもしれませんが,その先生にとっては,いろいろな分野に通じていることは,「教師力」を高めるものですよね。

しかし,学校というのは,組織で動いているものであって,「だれもが色々と仕事を経験できる」そんな余裕はなかなかないものです。

校務組織を考える際は,それぞれのポジションに,一番経験のある先生を立てるというのが,常道でしょう。学校の利益を考えるなら,当然でしょう。

だから,自然と先生たちの役目は狭く凝り固まってしまいがちです。

「立場が人をつくる」つくりすぎなのかもしれません。

だから,幅広い仕事を経験するためには,自らチャレンジすると声をあげなければできません。

若いうちは,「~をしてみなさい」と新しい仕事が回ってくることもありますが,経験を重ねだすと,自分からアクションを起こさなくては,新しい仕事は回ってきにくくなります。

ぜひ,経験を重ねだした教師であっても,前向きに,自らの資質の向上をめざして,新しい仕事にチャレンジする姿勢をもっていたいものです。

新しい仕事に就いたら,始めのうちはもちろん大変なことも多く,学校にも迷惑をかける部分があるかもしれません。

だから「このままではいかん。早く仕事を覚えなくては」と,努力を重ねるでしょう。

ある程度経験を重ねた教師がそうやって謙虚に仕事に取り組む姿は,必ず周囲の人々にもいい影響を与えます。

理解してもらえます。


ただの係決めなのに,涙を誘う…!

2011-01-11 20:42:23 | 学級生活の攻略法

3学期がスタートしました!

クラスにも元気な子たちが帰ってきました!

うーん,にぎやか!

うーん,さわがしい!(笑)

1年生の教室って,不思議と(ではないのかもしれませんが)独特な「におい」がしますよね。

なんというか,子どものにおいっていうんでしょうか。

あまいような,ほわんとしたような。

この若干なつかしいと思えるにおいも,帰ってきました(笑)

1時間目が始業式。

2時間目に3学期の大事な話。

そして,3時間目に係決めと一人一役決めをしました。

子どもたちにとっては,この決め事は結構大きなイベントなんですよね。

やたらと真剣で,やたらと盛り上がります。

まあ,学校の先生でいうなら校務分掌が決定するみたいなもんですから,そりゃあ重要ですよね。必死にもなります(違うかな 笑)

ここで間違いなく必要なのは

係決めは,確固たる,誰もが納得のいくルールのもと,行う!

ということです。

必死な子どもたちですから,そこも真剣です。

誤って,先生がてきとうなやり方で,あいまいなルールでやっちゃうと,これは暴動が起きかねません。

悔し涙をずーっとひきずる子だって出てきます。

私も,毎年,毎学期のことだから,色々とやってみました。

その中で,私が今の時点で一番「確固たる」「誰もが納得のいく」ルールだと思えるものを紹介します。

~係決めのルール~

①係を選ぶのは基本的に自由。好きな係の所で手を挙げる。

②所定の人数内であれば,手を挙げた子で決定。

③もし,所定の人数をオーバーしてしまった場合は,下のルールにのっとる。

 →前学期に経験していた子は,その時点で辞退する

 →別の子に「譲ってくれた子」は,次以降の係で,また自由に選択する権利がある

 →譲る子がどうしてもいない場合は,ジャンケンで文句なし。しかし,ジャンケンに参加して負けた子は,係決めが二順目になるまでは,他の係を選択する権利はない。(残りものしか選べない)

そして決めてはこれ。

 →「譲ってくれる子が,絶対にえらい!!」ことを先生が強調する。もし譲ってくれたら,その子にクラスみんなで絶賛の拍手を送る。

以上です。

いかがでしょうか。

ルール的には,公平で納得のいくものだと思います。

「勝負して負けたらそれなりの悔しさや不利益を感じる」という経験をさせること。

そして,「譲れる優しい子」を目立たせる方法です。

係決めの前にこのルールをしっかり説明して,「譲ること」を強調してのぞむと,単なる係決めでも,ドラマティックな場面に何回も遭遇することがあります。

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譲ってくれた子に,周りのみんなが

「なっちゃん!えらい!優しい!」

なんて。

そして,次以降,そうして譲ってくれた子には,不思議と別の子も「私が譲ってあげるよ」と優しくしてくれたりするものです。