Persip And The Jazz Statesmen/Charles Persip
(Bethlehem BCP6046, FSR reissue)
ベツレヘムというレーベルはマイナーレーベルでありながらジャズファンにとっては結構重要なレーベルですよね。初期の10インチに始まり,12インチのデラックスシリーズ,そして最後の6000シリーズとレフトアローンのような名盤もあれば、唯一のリーダー盤のような希少盤やゲテモノもあったりでまさに玉石混淆の様相を呈しています。またジャケットの魅力も絶大で、Burt Goldblattの作品を駆使した美しいジャケットもその人気の一助となっているのではないでしょうか?本日はドラマーのCharlie Persipの唯一のリーダーアルバムをアップしますね。
個人的にパーシップのドラムで印象に残っているのは,新潟のジャズ喫茶フラッシュに通いづめだった学生時代に聴いたガーランドトリオの“Bright And Breezy"とセントジェームス病院が収録された”When There Are Grey Skies"の2枚です。前者のマシンガンを思わせる瞬発力溢れるスティックさばきや後者のセントジェームス病院ゾクゾクするようなドラムのフィルインの素晴らしさは筆舌に尽くし難いモノがあります。此のあたりについてはそれぞれのアルバムで以前に紹介したので是非リンクから見て欲しいモノです。他にも,少し調べてみるとVERVEのロリンズ/スティットの"Sunny Side Up"やC.フラーのジャズテットのサボイ盤,モーガン/ケリーの”Dizzy Atmosphere"などにパーシップの名前がクレジットされており、名盤演出には欠かせない脇役であったことがわかります。もちろんローチ,ブレイキー,エルビンなどと型を並べるプレイヤーではなかもしれないですがアート・テイラー等と並び華麗なる脇役としてのプレイはたくさん残っていますね。今回は、パーシップの初リーダー盤です。ドラマーのリーダー盤は主役になりすぎると敬遠されますし,サイドメンが頑張らないと良い出来にならないのは衆知の通りです。本アルバムは60年の録音で、若き日のF.ハバード(tp)やR.カーター(b)のプレイが聴けるのが貴重ですね。他のサイドメンについても冒頭"Right Down Front"一曲のみ参加ですが熱いプレイを聴かせるMarcus Belgrave(tp)が良いですし、Roland Alexander(ts)とRonald Mathews(p)も好演です。パーシップの趣味の良いドラミングは決して主役とならず、切れ味鋭く主張しているところが好感が持てますね。
所有盤はFSRの再発です。ジャケのピンボケが寂しい限りです。オリジナルで欲しい一枚ですね。