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クロスオーバーの中心的存在、ボブ・ジェームスのピアノトリオ

2014-02-05 00:04:45 | jazz & vocal

Bold Conceptions/Bob James (Mercury MG20768)

 1970年代中期を席巻したクロスオーバーサウンドの中心人物といえば、デイブ・グルーシンとボブ・ジェームスじゃないでしょうか?いずれもクロスオーバー的に言えば、キーボードプレイヤーですが、元はと言えば2人とも純然たるジャズ・ピアニストですよね。デイブに関しては、以前に”Subways Are For Sleeping”というエピック盤をアップしたことがありますので、覚えていらっしゃる方もおられるかもしれません。ボブ・ジェームズと言えば70年代のCTIとのアレンジャー契約による数々のアルバムで知られていますが、元々はピアノトリオで活躍し始めたピアノ奏者です。ミシガン大学在学中の61年にトリオを結成し、クインシー・ジョーンズの推薦で翌年の62年デビュー作をMercuryレーベルに録音しています。本日は、そのデビュー作のジャジーな一枚をアップいたします。

 メンバーはBob James(p), Ron Brooks(b), Bob Pozar(ds)のトリオです。この年代に現れた白人インテリピアニストがデビュー作で何をやるか?当たり前のハードバップ系のピアノトリオに終始するはずもないことは誰でも容易に想像できます。オリジナルの2曲を始め、ガレスピーの”Birk’s Works”などサウンドに工夫を凝らしていて、例えばピアノのストリングの上に紙を置いたりの実験的アプローチが見られます。こういった演奏の評価は、デビュー時には斬新さと評価されたかも知れませんが、ジャズがたどってきた歴史を知った上でretrospectiveに楽しんでいる現代のジャズ鑑賞という点で考えると却ってマイナスかも知れませんね。今の視点からいけば、後の斬新なアレンジで有名になったボブ・ジェームズのストレートに原曲の美しさを生かした演奏が聴けるコルトレーンの”A Moment’s Notice”やマイルスの”Nardis”、B面の”Fly Me To The Moon”などこそ評価されていいのかもしれませんね。

 所有盤はマーキュリーの赤ラベル、再発輸入盤です。CTIのジャケ写のひどさから見れば、彼のリーダー盤ではダントツ1位の好カバーと思います。