Porgy And Bess/Miles Davis
(Columbia CL1274)
(Columbia CL1274)
マイルスとギル・エバンスとのコラボレイションは有名な組み合わせでありますが、おそらく一番人気はスケッチオブスペインでしょうが、アランフェスで有名なこのアルバムよりも、個人的には本日アップのPORGY&BESSと以前にアップした”Miles Ahead”のカバーが好きでたまりません。マイルスは好んでフリューゲルホーンを駆使してクールなプレイします。決して派手なプレイではないですが巷でこの楽器の名手と言われるアート・ファーマーやクラーク・テリーとは一線を画した格調やオーラを感じないではいられませんね。
このアルバムではギルの多彩なバッキングアンサンブルにクールに少ない音で淡々と吹奏するマイルスのフリューゲルの見事な調和こそ、このコラボレイションの醍醐味でしょう。題材としては申し分のないガーシュウィンのポーギーとベスですので、ギルの粋なアレンジを主体とした荘厳なバッキングも聞き物ですが、有名曲の"Summertime"では得意のミュートでのプレイを聴かせてくれますしオープントランペットによるGoneではソロパートでリズムのみのバッキングになるあたりの切れの良さははまさにマイルスの真骨調ですよね。何べん聴いてもしびれます。B面の”it Ain't Necessarily So"や"I Love You , Porgy"などの有名曲もいいですね。
所有盤はコロンビア6eyeのモノラル盤です。何といっても女性の膝小僧とプレーンな白いシャツをまとったマイルス(おそらく)の褐色の皮膚、鈍く輝くトランペットを捉えたショットがとてもセクシーですよね。
この有名盤何故か未入手なんですが、ジャケットの膝小僧には気付きませんでした(笑)日本盤のカバーだとわかり辛いのでしょうか?確かに良いムードの写真でマイルスアヘッドにも並びますね。これまた欲しくなりました!
有名盤ですが、マイルスの中では敬遠がちの一枚かも知れませんね。でもビッチェズブルー以降にはあまり興味がないので、それまでのコロンビア盤は全てコレクション対象だと思います。
このカバーは思わせぶりでマイルスの中でも屈指のカバーだと思っています。