Inverted Image/Chris Anderson
(Jazzland JLP957)
(Jazzland JLP957)
極めて印象的なカバーですよね。そう,心理学,精神科領域で有名なロールシャハテストのインクの滲みである。ロールシャハとはスイスの精神科医でこのインクの滲みが何に見えるかを答えてもらい人格を検査しようという物です。何故,彼のアルバムにこのインクが使われたか?自分は知りません。少なくとも、本日の主役クリス・アンダーソンは失明しているためこのロールシャハは行えない筈ですが・・・。盲目のピアニストではアート・テイタム、ジョージ・シアリング,レニー・トリスターノなど名人が多いですよね。さらにアンダーソンの場合には、小児期から股関節に問題があったようで別のハンディキャップも有していたと言います。彼のプレイはグリフィンやウィルバー・ウェアなどシカゴ出身のプレーヤーの間ではすでに伝説であったと言います。59年,リバーサイドのオリン・キープニュースが彼の演奏を聴いたのがレコーディングのきっかけであったようです。61年ダイナ・ワシントンの歌伴に初めてNYCにでてきて録音に至ったといます。さらにパーカーがシカゴを訪れたときに一緒にプレイするため彼を捜したという伝説も存在する隠れた名手と言えると思います。
61年,ジャズランドに吹き込まれたこのアルバム,メンバーはシカゴ時代からの盟友ベースのビル・リーとマイルスのバンドにいたフィリー・ジョーとのトリオで録音されたようですが,アンダーソンはこのセッションが気に入らず、再度ドラムにウォルター・パーキンスを加えたトリオでレコーディングを行い,この2つのセッションからこの「Inverted Image」は制作されたと言います。そのプレイは、パウエルのコンセプションに立脚したスタイルと思いますが,A-1タイトル曲はアンダーソンのオリジナルブルースでときにモンク風にも聞こえます。B-2のベースのBill Leeのオリジナル"Only One"や "I Hear A Rhapsodyではエヴァンスを思い起こす方が多いと思います。他にも、スタンダードから"Lullaby Of The Leaves", "My Funny Valentine", "Dancing In The Dark", "You'd Be So Nice~"等が取り上げられています。一聴していただければ「シカゴの伝説」に納得していただけると思います。
ジャズランド,ブラックレーベル,シルバーロゴのステレオ・オリジナル盤です。
この人のLPはこれ1枚きりですが持ってます。ただ自分のは再発の国内ウェイブ盤ですが。あとヴィージェイにもトリオモノもう1枚ありましたっけ?そちらも探してるんですが。
まさにシカゴの伝説といえる渋いバップピアノですよね。聴いてる分には盲目で身体障害なんて感じさせません。確かこのビル・リーってベーシスト映画監督のスパイク・リーの親父ではなかったかと?
それにしてもcamperさんのお陰で長年疑問だったこの不思議なカバーの謎がようやくとけました(笑)
80年代後半から90年代始めにかけて,ナイキのエアジョーダンは爆発的人気を示していましたよね。このナイキのコマーシャルに出演したのがスパイクでした。
スパイクにはある意味とても興味があったのですが,BILL LEEとの関係は思いもよりませんでした。
さすがに,このinverted imageのライナーにも書かれてないのですよ。当然ですけど・・・(笑)
カバーのこと。おそらくそうだと思うのですが,なぜこれを使ったのか?その意味が知りたいですね。