先日、職場の方が「これ。」といって靴箱のような箱を差し出してくれました。中には、若い頃に訪問したジャズ喫茶のマッチが残っていました。今は経費削減なのかマッチを作る飲食店など少なくなってしまいましたよね~。ジャズ批評社が出した『ジャズ日本列島』なる小冊子をカバンに忍ばせて、別便で訪れた知らない土地でお店を探しよく訪問したモノですね。
中でも懐かしいのが新宿東口にあった「ビザール」です。自分にとっては、東京は単なる中継地でここに居を構えたことはなかったですが、JRの駅に近かったことも有りよく訪問したモノです。通りの喧噪から、地下に入る細い階段を下りて行くと大音量のジャズ空間がそこにはありました。ブルーノートやプレステッジが大音量でかかっていたお店でした。音は、話が出来るレベルじゃないし、ウェイトレスはコーヒーを運んできて「ミルクがいるか?」という質問をジェスチュアで聞いてくる方式には田舎者の管理人は驚いたものでした。このタイミングを逸すると煮詰めたような珈琲をブラックで飲まなくてはならず、緊張の一瞬だったことを思い出します。椅子はバネが壊れている感じで身体は深く沈み込んで行きます。この状態でハードバップジャズに耳を傾ける訳です。新潟までの電車の時間とにらめっこしながらファンキージャズを全身で味わっていた物です。画像がそのマッチです。ここについてはいろんな思い出を持っておられる方も多いでしょうね。
今はショットバーになているらしく、下戸の自分にはほとんど縁のないお店になっているらしいです。あの時代にタイムスリップしてもう一回あの洞窟のような店のソファに身体を沈めてジャズを聴いてみたい物ですね。
職場の方から回収したその箱には他にもいくつかジャズ喫茶のマッチが入ってました。京都ブルーノート、渋谷道玄坂ジニアス、熊本ソワレ、高知の老舗アルテック、ごじら等・・・。どれも懐かしい思い出ですね。
自分はビザールは知らなかったですが、東京に良く遊びに行った80年代後半は上野のイトウによく行きました。新潟から到着してまずイトウ、帰る前に最後にイトウという感じで(笑)ジャズ日本列島も懐かしいですね。自分も御用達でした。今じゃこんなストイック?な店なくなりましたよね。渋谷音楽館、銀座ジャズカントリーも強烈に印象に残ってます。
イトウ、自分もよく行きました。
珈琲が思いがけず、おいしい店でしたね。
ジャズの音は、抑え気味でしたが・・・。
マッチもケニー・バレルのブルーライツを使った大判のものでカラフルでした。手持ちがなくなってましたが・・・。
僕のホームグラウンドは高円寺周辺、「サンジェルマン」とか「HOT HOUSE」あたりにはよく通いました。
ジェスチャーで「ミルクがいるか?」というのはどこもやっていたようですね。懐かしい~♪
渋谷にあった老舗「GENIUS」はいまでは「中野新橋」駅近くの住宅地で営業しています。場所柄、昼間は近所の奥様方の憩いの場になっています。
自宅から近いので、たまに昼食に行くことがあります。
昔のジャズ喫茶って暗かったですよね。びざーるなどは知り合いがいても見つからないぐらい・・・。道玄坂のジニアスも硬派の店でした。喋ると蹴飛ばすウェイトレスがいたとかいなかったとか・・・。中野新橋のお店は行ったことがないですが、憩いの場というのはよく聞きますね。昔は客のほうも聞かせていただくと言う姿勢でしたよね。それだけレコードは貴重でしたから・・・。
確かシステムはゴトウユニットだったと記憶していますが、ハードバップから新主流派が中心の選曲にはジャストミートだったと思います。
東口駅前から表の歩道を歩いて映画館のある区域に行く途中、ついつい地下の店内から階段を通して流れてくるモダンジャズの響きに誘われ、何度も通いましたですね。
ちなみに歌舞伎町には1980年代、「ディッピン」という店がありましたよ。
そんな中で,大音量でBNやPRESTIGEをガンガンかけるこの店は貴重でしたよね。いい店だったのに・・・。