San Francisco から来訪の“日本のお客さま”です
お正月と言っても 昔のようにとくに何か準備するわけでもなく世間が慌ただしいというのでなんとなく気忙しく感じてしまうのです まぁお飾りの注連縄は用意しましょう
昨年の年末年始は 幼少の頃まで日本で育ち現在は米国に在住している広島M市出身の遠戚の兄弟(姉弟)2人が墓参と義父のお見舞いに急遽来訪したので家人は大忙しでした 何年か前になりますが Yosemite を案内してもらいました~
折角ですから今度は広島をご案内しましょう と~
さて“広島観光”と言われて何処がお勧めか?と問われるとなかなか答えがでてこないのが常である
家人が“黄金山”がよいと思うというので展望という意味では宜しかろうと答えるのがせいぜいです
しかしながら幼少の頃は広島に在住していて 渡米してしまった客人に満足してもらうのは難しい
そこで観光タクシーのドライバーに主旨を相談して 日帰り観光を委ねた
“呉市海事歴史科学館”と“広島平和記念資料館”はどうでしょうかとの提案で なるほどと妙に納得してしまいました
とくに予てから一度は行ってみたかった 大和ミュージアム を訪れることになったのは私的には思わぬ喜びでもありましたが
呉に向かう途中で【 黄金山 】に立ち寄りましょう
黄金山は 広島市南区の南東部に位置する標高221mの山です
東は呉方面 北は安佐南区方面 西は西区方面 南は広島湾と太田川デルタを一望することができます 広島に入る際のランドマークになっているのでしょうか
天気はまずまず晴れ 眺めはよし マツダの工場が近くに見えます
山麓の狭い旧道沿いは原爆投下に際して大部分が山蔭に入り爆風の被害を免れたという
【 呉市海事歴史科学館 】
愛称は 「大和ミュージアム」で正式な名称である呉市海事歴史科学館よりも「大和ミュージアム」愛称の方が一般的に広く知られているようである
この「大和ミュージアム」は明治時代以降の造船の街或いは軍港・鎮守府としての呉市の歴史や基幹となった製鋼や造船などの科学技術を展示することを目的として 日露戦争・日本海海戦から100年目そして太平洋戦争の終戦から60年目にあたる2005年(平成17年)に開館したそうである
呉市は被爆地の広島に近接しているのにJR呉線ではやや不便なところに位置しているが 現在はトンネルが出来て道路が整備され車では便利になったようである
海上自衛隊と在日アメリカ陸軍の施設が現役で活動しているという安全保障問題をかかえている現場の情勢から 修学旅行生などの“平和学習”の場として活用されているのだそうな
構想或いは建設については“戦争責任”について多々意見があったのであろうが いまや“観光地”としての役割が大きいのかも知れない
実物の兵器や当時の映像フィルムなどの歴史的資料を淡々と展示する形式をとってあり 政治的にニュートラルな立場をとるような姿勢が強いように思われましたが
なお この「大和ミュージアム」に隣接して2007年(平成19年)に 海上自衛隊呉資料館があります これもまた「てつのくじら館」の名称のほうが広く定着しているでしょうか
退役した海上自衛隊の展示用潜水艦旧あきしおの実物なのだそうです 潜望鏡を覘いてみました
展示内容では 実物の10分の1に縮小された「戦艦大和」の模型が眼を惹きました
また映画「男たちの大和/YAMATO」の撮影の際の資料として使われたようです
大和の模型の他にも 戦艦陸奥や重巡洋艦青葉に実際に搭載されていた主砲身 戦艦金剛の英ヴィッカース社から輸入した当時のボイラーなどがあります
零式艦上戦闘機六二型 “人間魚雷”回天10型 特殊潜航艇“海龍”の実物には言葉が詰まりました 特攻隊員の遺書(!)とその録音された肉声を聴いて胸が痛くなりました
【 広島平和記念資料館 】
建築家 丹下健三の設計で 1955年に「広島平和会館原爆記念陳列館」として開館
「原爆資料館」或いは「平和資料館」とも呼ばれることが多い
現在2016年春までの予定で東館を閉館して改修工事をしている その後に2918年春までに本館を改装する予定だと聞く
原爆投下直後に熱線で全身の皮膚を焼けただれさせながら炎の中を彷徨う被爆者の等身大ジオラマ(被爆再現人形)などがよく知られている
「想像力を遮断して 誤った固定観念を作り上げる危険」などの意見もあることから 改修工事に伴い2016年度までに撤去する計画だと言う しかしながら「被爆再現人形は原爆の恐ろしさや悲惨さを後世の人々に理解させるために必要」との声も多いことは事実である
事実を残して伝えることが肝要だと思うのですが
「外国人に人気の日本の観光スポットは」第1位が安芸の宮島 第2位が平和公園や原爆ドームではなくこの「平和記念資料館」 第3位が松本城 第4位が東京ディズニーシー 第5位が沖縄美ら海水族館 第6位が伏見の稲荷大社であるとする統計がある
そして米国人による評価では この「平和記念資料館」がトップであることはなにを物語るのであろうか
数年前に義父のお供でSan Franciscoを訪れたときにはヨセミテなどを案内してもらい感動したものでした その答礼をも含めていたのでしたが 幼少の頃に日本で育ちアメリカ国籍をも持つ(二重国籍)2人はなにを感じたのであろうか 気になるところです
ぜひ また来てください
ところで Yosemiteに また行ってみたいなぁと思っているのですが ……