Dr.K と 優しさの夢物語

輝きの明日のために、思春期と思秋期の更年期障害の女性のための健康余話/ときには蕎麦談義とワン子のお話を

ファースト・マンになること

2019-02-14 10:12:25 | のんびり歩いて

RYAN GOSLING CLAIRE
FIRST MAN
  FROM ACADEMY AWARD = WINNING DIRECTOR DAMIEN CHAZELLE

ジェイムズ・R・ハンセン原作の「ファースト・マン 初めて月に降り立った男 ニール・アームストロングの人生」をもとに世界的英雄となったニール・アームストロングの私生活にも深く切り込んでいる作品の映画化でしょう
最初に月面を歩いた男がファースト・マンです

 “ファースト・マン”になること
それがどれ程の意味を持つのか この映画は教えてくれた
しかしこの映画が焦点を当てているのは宇宙開発そのものというより それを全身全霊で担った人間の心なのである
 映画の描写はどのシーンもリアルティがあり 恰もドキュメンタリーのようである
木の葉が舞うなか庭で遊ぶ子供たち 夫婦で踊る何気ないダンス そんなごくありふれた穏やかな日常の景色と 過酷な訓練や事故による仲間の宇宙飛行士の死といった衝撃が鮮烈な対比を作っている
そのどちらもが宇宙飛行士の日常の真実を語っているのだ
 ニール・アームストロング船長が宇宙飛行士になる前に幼い愛娘を病気で亡くしていることを この映画で初めて知り得た
その懺悔をバネに愛娘の姿を追い求め打ち込んできたのであろうか
宇宙飛行士自身は危険を承知で取り組むのであろうが 周りの家族の不安は大きい
月に発つ前に心配する二人の息子たちと向き合って話すニールの姿に 父親としての葛藤を感じ切なくなったものである
無邪気に笑う次男の横で長男は父に「戻って来れる」と尋ねる
無事に地球に戻り隔離室越しに妻ジャネットと対面して ようやく一人の人間に戻った姿にホッとさせられた
彼は82歳で逝去している

 リアル・アメリカンヒーローたちの実像 宇宙飛行士の光と影を教えてくれた映画である
いま 二人の兄弟リック・アームストロング(兄)とマーク・アームストロング(弟)がインタビューに答えて
父はこの映画について『満足しています』と言うに違いない

  “THAT ‘S ONE SMALL STEP FOR MAN, ONE GIANT LEAP FOR MANKIND”
   人間にとっては小さな一歩だが 人類にとっては大きな飛躍である

   

 

 


2019 1月の 私の本棚(1月に購入した書籍・CD・DVDなど)

2019-02-10 06:48:20 | 私の本棚

2019  1月の 私の本棚(1月に購入した書籍・CD・DVDなど)

オオカミと野生のイヌ  菊水健史  エクスナレッジ  2018/07/30
利己的な遺伝子  リチャード・ドーキンス  紀伊國屋書店  2018/02/26
官邸ポリス総理を支配する闇の集団  幕蓮  講談社  2018/12/10
忘れるが勝ち!  外山滋比古  春陽堂書店  2018/12/20
心房細動のすべて  古川哲史  新潮新書  2018/12/20
老いと記憶  増本康平  中公新書  2018/12/25
ガウディ完全ガイド  オーロイア・クイート  エクスナレッジ  2017/12/11
不老不死のクラゲの秘密  久保田信  毎日新聞出版  2018/12/30
日本国紀の副読本  百田尚樹  産経セレクト  2018/12/31
1日1ページ読むだけで身につく世界の教養 365  ディヴィッド・S・キダー  文響社  2018/05/02
安楽死・尊厳死の現在  松田純  中公新書  2018/12/25
その診断を疑え!  池谷敏郎  インターナショナル新書  2018/12/12
安倍晋三の闘い 官邸からの報告  阿比留瑠比  ワック出版  2018/10/23
蜜のあわれ われはうたえどもやぶれかぶれ  室生犀星  講談社文芸文庫  1993/05/10
すべての医療は「不確実」である  康永英生  NHK出版新書  2018/11/10
縄文探検隊の記録  夢枕獏 岡村道雄  集英社インターナショナル新書  2018/12/12
縄文時代の不思議と謎  山田康弘  じっぴコンパクト新書  2019/01/15

DVD
シン・ゴジラ  東宝  2016
MEN IN BLACK  ウイルス・スミス  2012
バッド・ウェィヴ  ブルース・ウィリス  2017
ジュラシック・ワールド  UNIVERSAL  2016


犀の一本角は孤独なのか

2019-02-09 13:42:10 | のんびり歩いて

「再興第103回院展」広島市中区の百貨店福屋八丁堀店と南区の福屋広島駅前店で開かれている
現代日本画壇を代表する重鎮から清新な若手まで88点の大作が並びます
会期が1月末までということで家人の勧めで八丁堀まで出掛けました
日本画の多彩な表現が見た者を引き付ける
見応えがあったのが 同人である広島私立大学名誉教授の西田俊英さんの表題『犀の角の如く独りゆけ』の作品でした
水に漬かったサイの姿が重厚で迫力があり表題の強い意志を訴えているようです

 『犀の角のようにただ独り歩め』の言葉は 「ブッダのことば スッタニバータ」(岩波文庫)にある「サイの頭部にそそり立つ太い一本角のように 独りで自らの歩みを進めなさい」と言う意味からきているのだそうです
インドサイは群れではなく単独で行動することが知られているので「犀の一本角」という比喩表現は“孤独”を意味しているのです
仏教が孤独を勧める背景には「私たちの悩みは人間関係から起こる」と分析されていることから 悩みを生み出す原因が「人の繋がり」にあるのだとすれば そこから一時的に離れてみることも心の成長に必要であろう
と言うことなのです

 更に同じ「スッタニバータ」の韻文では
学識豊かで心理をわきまえ高邁 明敏な友と交われ
いろいろと為になることがらを知り
疑惑を除き去って 犀の角ようにただ独り歩め とあります

叫びより遠い日々がいつも蘇ります
人生は十字路の連続なのだろう
右へ行くか左に行くか それとも直進しようか
十字路に立っているとき
人生の黄昏になにを見ていればよいのだろう
今までどおりに辛いだろうなぁ という道を選ぶだろう
昔は夢か幻かと