初秋の風を探して
九州路で台風16号の暴風を体験して来たので 優しい秋の風を探して来ましょうと 京都に出掛けて来ました
今回のテーマは 【京の社家と町家をたずねて】です
◇伏見稲荷大社 荷田春満旧宅・お茶屋
伏見稲荷大社は 平成23年に鎮座1300年を迎えた全国稲荷神社の総本宮である
朱塗りの千本鳥居で知られるが 奥の院まではかなりの距離があるので今回は時間の関係で大社に参拝のみであった
もう大昔の記憶になってしまったが高等学校の修学旅行で京都を廻った際 夕刻にひとりでこの千本鳥居に訪れ ライトアップされた“朱塗りのトンネル”に眼を奪われたことを想い出す
鳥居は定められた料金を支払えば奉納するこたが出来るそうで 実際には千本以上の願いが叶った鳥居がならんでいるのです
この大社の社家に生まれた江戸期の歌人で国学者の荷田春満(かだのあずまろ)の旧宅は史跡になっている
棟方志功の筆による襖絵「御牡丹図」「御鷹図」がある
◇泉仙
大徳寺にある「泉仙(いづせん)」で昼食 “鉄鉢料理”は精進料理である
僧侶が托鉢の際に用いた鉢をかたどった食器で供される
小路には 萩の花が 秋が来ております
◇長江家住宅
祇園祭りの「船鉾」の鉾町に建つ町家は まさしくうなぎの寝床である
典型的な職住一体の呉服屋商家の佇まいを残している町家なのです
町家の美意識と暮らしの知恵が随所にみられます
◇上賀茂神社と社家・梅辻家住宅
世界遺産である上賀茂神社は正式名称を賀茂別雷神社といい 賀茂氏の氏神を祀る神社で神代の昔から信仰を集めているそうな
明神川沿いに神官の屋敷が立ち並ぶ社家町は 風情ある町並みを残しております
伝統的な建造物は保存して欲しいものです 難しいことでしょうけれど
梅辻家住宅には 「源氏物語図」の扇形貼付屏風や「花鳥図」屏風が展示されております
ところで社家とは 神職の新主(宮司) 禰宜(ねぎ) や 祝(はふり) として先祖代々神社に仕え 神事やその運営を続けてきた家筋とその住宅のことを言うのだそうです
明治維新までは世襲であったものが 明治4年の国家新道令によって世襲神職は廃止になったそうである 現在はどのようになっているのか知りたいものである
◇見つけたもの
樹高の目立つ木の横に「なんじゃもんじゃの木」と立て札がある
これはヒトツバタゴで モクセイ科ヒツツバタゴの一種に分類されている
成木は樹高20mを超える大型の落葉高木で樹木の種が野鳥によって運ばれて着床して自生している木を山林のなかで見られる珍しい分布形態をとっているのだそうである
「何でふ物じゃ」 → 「なんじゃもんじゃ?」
はたまた水戸黄門が自ら「なんじゃもんじゃ」と言った伝承もあるとか
環境省のレッドリストでは 絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されているのです
家庭に欲しいのですが
陽射しは未だ残暑ですが 秋の風が見え隠れしているような