奥能登ぶらり旅2日間 ~ そのⅢ ― 追想として
思いつくままに
能登半島を周遊したことで ツアーコンダクターの話や見聞した記憶に残ったことなど
能登半島の能登の語源は種々あるようですが アイヌ語の「ノッツ」 = あご に由来していると言う説が多いようです
あるいは垂仁天皇の時代に 珠洲岬に天竺の仙人が住んでいて ある時天皇の皇子が言葉を発せないのを治して欲しいと頼まれ 石動山に向かい仙法を用いてこれを治すと「この世ですべきことは終わった」と天に登って行った とか
「能(よ)く(天に)登る」所 = 「能登」になった という説もあると言う これは夢がありますなぁ
古代の能登は日本の表玄関であったそうです
日本海を仲立ちに 能登と対岸の東アジアの新羅 高句麗 渤海とは長い交流の歴史があったそうな
ことに渤海との交流は来国35回 遣使14回にも及んでいるとされる 知識や技術 信仰などは人とともに大陸から能登に渡来したのでしょうか
世界逆さ地図で能登半島と朝鮮半島の距離感を見ると 確かにむべなるかなと思われますなぁ
能登半島には大陸系の神々の名前を冠した神社がいくつかあるのです
七尾の久麻加夫都阿良加志比古神社(くまかぶとあらかしひこ)の社名や祭礼であるお熊甲祭りなどは そのことを表しているのかも知れない
猿田彦などはその説がもっともであると言えなくもない
輪島市の豪農と言われた家に残る文書や調査によると 百姓身分ではあったが農業の他に製塩業や廻船業など幅広い事業に取り組んでいた豪農であったらしい
とくに北海道の松前で昆布を買い付け京都や大阪まで運んでいたとされている
江戸時代の能登というと 都から遠く離れた辺境の半島であり田畑の少ない貧しい地域であったでしょうが北前船の寄港地として栄えたであろう海上交易の拠点であったのかも知れないのです
能登金剛で遊覧船に乗って巌門の周辺をぐるりと廻るのであるが 荒波で落ち着いてガイドのアナウンスがよく聴えません
私は船の揺れにはからきし弱いのですなぁ あぁはやく戻りたい!
言われてみれば旧福浦灯台が小さく見えます
もっとも言われなければ見落とすような可愛い大きさです
羽昨郡志賀町に在る日本最古の西洋式木造灯台「旧福浦灯台」なのだそうです
高さは約5mで内部は3層になっているそうです
起源は古く1608年(慶長13年)に夜間航行する船の安全のため篝火(かがりび)を焚いたのが始まりであるとされている
この地方の名産のひとつにノドグロ(喉黒)があります
アカムツ(赤?)とも称されており水深100~200mに生息 砂底を住居にしているそうな
近年は高級魚として人気があり とくに脂がのっていることから「白身のトロ」と言われているのです
確かにHOTELの夕食のノドグロのお寿司は美味なものであった 鮪のトロに勝ると思う
北海道や東北地方では「きんき」と言う紅い魚が脂のある高級魚として有名なのだそうです
東の横綱の「きんき」そして西の横綱「ノドグロ」でしょうか
もっとも私が幼少の秋田在住のころは「きんき」は決して高級魚ではなくて日常の家庭に並んだものでしたがね
現在ブームと言うことで 銀座三原橋近くに「のどぐろ専門 銀座 中俣」“ノドグロ尽くし”の料理店があるそうです
造りに始まって焼き物 揚げ物 飯に至るまでオンリーノドグロで攻めるのだとか
いつの日か行ってみたいものです メモをしておきましょう
そう言えばお土産にノドグロの一夜干しを買った輪島朝市の屋台と言うか露店の“麗子さんのお店”のおばちゃんはどうしているんでしょうか ずいぶんサービスしてくれましたが
いしる鍋は大きめのホタテ貝の殻に具をのせて魚醤“いしる”で味付けをしたものなのだが 能登地方でも奥能登に特有なものであるらしい
私には臭いがきつ過ぎて箸が進みませんでしたなぁ
魚醤と言えば私が幼少の秋田在住の頃 しょっつる鍋が冬場の鍋料理の定番のひとつでした 魚醤で味付けをしたものです
ちょうど寒風の荒波にのって男鹿半島沖に産卵のために卵をいっぱい抱えた鰰(はたはた)の大群が押し寄せしょっつる鍋に供されたものです その隠し味となったのが魚醤のしょっつるでした
やはり私はあまり箸が進みませんでしたが
それに比して同じ時期には新米の収穫があったわけで きりたんぽ鍋が冬場の食卓によく出てきました 比内鳥と舞茸(当時は天然ものしかありませんでしたよ)の出汁がよく効いて私は好きでしたなぁ
家庭料理でしたが今ではどうでしょうか
ところで君は「旅の味わい」とは何だと思いますか
たくさんの名所旧跡や自然美を観て新たな知識を得ることも魅力ではあるが 私が海外旅行を好きな理由のひとつが 多少なりとも時差と気候の変化があるということです
そして言語 習慣が異なることです
目的地の空港に降りた時 異次元空間を超えて非日常の物語が始まるであろうトキメキがたまらないのですなぁ
ただし疲れますがね!
気多神社「入らずの森」 見附島「幸せの鐘」