田舎主婦の日日是好日

今日も生きてることに感謝かな。

葉室麟『冬姫』(信長の娘)

2021年01月19日 | 趣味・本

今年3冊目の葉室麟作品。

『冬姫』

冬姫について歴史的にはっきりわかっていることは、

彼女が信長の子(次女)で、

近江の蒲生氏郷(がもううじさと)の正室であったということ、

だけであるという。

 

小説のほうには信長はもちろんのこと、

大河ドラマ同様に、

信長の正室の帰蝶や光秀が出てくるので、

現在の大河ドラマの帰蝶や光秀の顔が浮かぶのだが、

信長だけは染谷翔太さんのお顔ではない。

 

この小説の中では(も)、

信長は美形家系であるとされてるので、

染谷さんの信長ではないのです

(今回の大河では斬新な染谷信長でいいと思います)

 

信長は子だくさんで、

男児11人?に女児11人?もいたのですね。

 

この小説で、

あれっ?て思ったのは、

冬姫が帰蝶の娘として描かれてるところです。

 

これまで読んだ本や大河ドラマなどでは、

信長の正室には子供がいないというのが定説だったので、

驚きました。

 

帰蝶が「公にはできなかったが」と、

冬姫に明かす場面があるのです。

 

でも、

あの時代、

(いやそうでなくとも)

いろんな隠し事はあったかもしれませんね。

 

この本の中では、

光秀も知っているという設定なので、

そうか!あの帰蝶に子供がいたのかと、

ここでもNHK大河の帰蝶(川口春奈さん)や、

光秀(長谷川博己さん)が浮かびましたよ。

 

碁石に毒針が入れてあったり、

茶会のお茶に毒が入っていたり、

鼻をそがれるだの、

磔だのと、

次々とおぞましい事件が出る戦国の世。

 

怖い思いばかりの描写に、

救いは冬姫という主人公でした。

 

心映えがまっすぐで聡明であったことです。

 

後にクリスチャンとなった、

夫の蒲生氏郷までが、

当時としては珍しく側室を持たない、

大名だったのです。

 

ですので、

お市や茶々や秀吉の、

怨念や錯乱とも思える振る舞いの中で、

冬姫夫婦は清々しく感じました。

 

この小説の書き出しは、

「女は人を怨むと妖怪になるのです」

でした。

 

戦国の世ならずとも、

度を越えた怨念は自分をも傷つけますし、

周りにも良くないですね。

 

というわけで、

血塗られた戦国時代に一抹の爽やかさが残った、

葉室麟さんの『冬姫』でした。

 

以下余計な話。

 

日曜日、

大河ドラマ「麒麟が来る」を見ている時に、

「染谷さんの信長は、信長の雰囲気と違うよね」

と言ったら、

「お前は信長に会ったことがあるのか」

と、

爺様に突っ込まれました。

 

「前世でお会いしたことがありますよ」

とでも答えれば良かったな。

夫婦の会話は楽しいほうがね。

(*^-^*)

 

コメント (22)
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