風を紡いで

旅の記録と料理、暮らしの中で感じた事などを綴っています。自然の恵みに感謝しながら…。

日輪の遺産

2007年11月06日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
浅田次郎著「日輪の遺産」(2006年講談社)
随分前に読みました。
持ち運びがいいので、文庫本で読みました。


終戦直前に隠したという時価2百兆円の財宝。
帝国陸軍がマッカーサから奪い盗り、隠したもの。
その財宝にかかわり、繰り広げられる人々の生き死に…
戦中・戦後の時代を駆け巡る壮大なロマンなのです。
単なる冒険物語ではなく、幻の近代史ミステリー。
そしてまた、「国生みの神話」なのです。

「戦争という魔物」によって…
犠牲になったピュアな魂の叫びが聞こえるようです。
軍隊が降参しても…
ただ自国の再起を願い
命をかけて財宝を守った少女たち。
いたいけない彼女たちの国を思う心…
私は涙が止まりませんでした。

今の世の中、戦争を知る人がほんとうに少なくなりました。
戦争の悲惨さをもっともっと語ってほしいと願います。
身を切られるような辛い話を伝える勇気に…
愛する人を戦争で奪われた人たちの無念さを思うと心が痛みます。

私は戦争を知りませんが、機会があれば真摯な気持ちで耳を傾けたい。
そして、語り継いでいかなければいけない…そう思っています。
自分が知る限りのことを、折をみて娘たちに話すようにしています。
身近なところから伝えていくことならできると思うからです。
娘が友達や知り合いと戦争について話すことになればいいかなと。

浅田次郎著「日輪の遺産」から、いろいろ考えさせられました。
今、私たちはゴミ問題、温暖化問題など多くの課題を抱えています。
今のままですと未来はないかも知れません…。
100年後、孫たちの時代に地球はどうなっているでしょうか?

結婚前に、仕事仲間と話したことを思い出しました。
「未来に希望がみえないから、子供はつくりたくない」
という議論(というほどのものではないですが)をしたことを。
そう断言した彼女は仲間のうちで一番先に出産したのですが…。
その時、彼女はすでに結婚していたのです。
キャリアウーマンで、バリバリ仕事をこなしていたのです。
出産後、保育園に子どもを預けて働いていたのです。
「母乳を冷凍」して持たせていたようでした。

なにはともあれ、
次世代に伝えていく必要性を痛感させられる小説でした。







「めがね」で黄昏てきました!

2007年10月25日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)

映画「めがね」は心癒される作品です。
「かもめ食堂」のスタッフが再結集してできたそうです。
荻上直子監督・脚本作品。
出演者は、携帯の通じない南の島を訪れるタエコに小林聡美さん。
学校教諭ハルナに市川実日子さん。
タエコを先生と呼ぶヨモギ加瀬 亮さん。
旅館ハマダの主人ユージに光石 研さん。
毎年、手提げ袋一つで島にやってくるサクラにもたいまさこさん。

特別なストーリーがあるわけではありません。
淡々と過ぎていく南の島の日常(それとも非日常?)を描写しています。
この南の島では、うまく「黄昏る」ことがとても重要なのです。
映画を見る人たちも一緒に「黄昏る」ことができて、はじめて完結するのかな?
見終わって、そう思いました。
でも…旅はある意味非日常です。
旅のあとに煩雑な日常が待っています。

「めがね」は自由の意味を伝えています。
旅の最中であろうと、途中であろうと、旅のあとであろうと…
いつどんな状況でも、自由な心を持つことができるかどうかが大事なんですよね。
「黄昏る」コツを身につけられたら、生きるのが楽になるかも知れません。

ある南の島に、めがねをかけたひとりの女性・サクラが手提げ袋を手にやってきます。
時を同じくして、もう一人タエコが同じ島に降りたちます。
彼女もまためがねをかけて、大きなボストンバックをガラガラと引きずりながらやって来ました。
タエコは、携帯の通じない静かな場所でのんびりと過ごしたいと思っているのですが…。
「黄昏る」ことがなかなかできずにいるのです。
    

美しい白い砂浜と澄んだ海。この南の島がどこなのか…最後まで分かりません。
タエコの職業もはっきりしません。
どこで何をしているのか、どこから来たのか、この島では肩書きは重要ではないのです。

サクラさんも謎が多い人です。
彼女が作る小豆のかき氷がとても美味しそう。
特別な味のようです。
そして、支払いがユニーク。
農家のおばさんは野菜で払います。
氷屋さんは氷で、女の子は折り紙で、ハルナさんとユウジさんはフルート演奏で…。
その人ができることでお礼をするなんてなんかいいですよね~。

また、サクラさんが考えたラジオ体操もユニークでとっても楽しそう…。
毎朝、ラジオに合わせて島の人たちがサクラさんを中心に海岸で体操をするのです。

それから忘れてならないのは、食事のシーン。
かもめ食堂でもそうでしたが、焼き魚や梅干などなんでもない朝ご飯が美味しそうなのです。

とにかく、南の島では黄昏上手が大切なことなのです。
エンディングロールに、与論島の小学生の名前が出てきました。
体操をしていた子どもたちは地元の子だったんです。
美しい浜辺は与論島で撮影されたのでしょうね。




ミス・ポターの望み

2007年10月09日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
世界の子どもから大人まで多くのファンを持つ絵本のひとつに「ピーター・ラビット」がある。
生みの親、ビアトリクス・ポターを描いた映画「ミス・ポター」を見た。
予告で紹介されたころから、娘と一緒に見ようと約束していた。

封切りされて間もなかったので混むのを予想し、数時間前に着くように出かけた。
チケット購入後、ポップコーンとコーラも買い、ひざ掛けを借りて館内に入った。
早めに行ったこともあり、私たちが一番乗りだった。
しかし開演のベルが鳴ったあとでも、思ったより観客は増えなかった。

監督はあの「ベーブ」のクリス・ヌーナン。
(「ベーブ」は好きな作品で、ビデオで何度も見た)
主人公ポター役は米国テキサス育ちというレニー・ゼルウィガー。
「ミス・ポター」で、感受性が豊かでピュア、そして聡明な女性を好演している。

レニーは、「シンデレラマン」では賢く強い妻を、
「ブリジッド・ジョーンズの日記」ではかわいい女性を好演した。
「ブリジッド・ジョーンズの日記」は、英国コッツウォルズでも撮影された。
コッツウォルズのスノーヒルズが、ブリジットの母親が住む村という設定。
(私は娘と二人でコッツウォルズを旅して、美しいスノーヒルズにも泊まったことを思い出した)

レニーは、俳優魂というのだろうか―役になりきるために体重をコントロールしている?
さまざまな役をこなしてしまう、すごい女優だと思う。

絵本出版に協力する編集者はユアン・マクレガー。
ポターの作品を世に出すために情熱を傾ける彼。
ポターを愛するようになり、彼女もまた同じ思いを持つのだが…。

婚約者が急死…。
ポターの悲しみを癒したのは英国の美しい湖水地方だった。

絵本の続編出版や湖水地方の自然を残すための活動に努めるポター。
美しい湖水地方で後半生を過ごすポター。
素晴らしい景観を残すため、絵本の印税で土地を買い求める彼女。
ポター亡き後、国に寄付されて…。
現在、ナショナルトラストが管理している。

100年前、英国上流階級の女性が働くのはよしとされなかった時代。
夢を追い続けながら、経済的に自立していくポターの生き方に共感を覚える女性は多いはず…。
いつの時代も、“夢を追い求める情熱”に人は心動かされるに違いないのだから。


現在、地球規模で温暖化が進んでいるが、確かな対策は見つかっていない現況。
開発での森林伐採、車・電気機器などの普及、原子力発電、代替燃料等々。
それらの影響による世界規模での温暖化が進み、自然の生態系の変化、
作物の不作と産地の変化、動物を媒体による伝染病、食糧危機など、問題は多い。

日本は来年から2012年までに、CO2(二酸化炭素)6%削減が義務づけられる。
いま対策をたて、実践していかなければ約束が果たせないことになる。
今のままでいくと、50年後の地球は…?
国をあげて取り組まなければならないと思うのだが。
企業、個人が真剣に考え、進めていくという意識を持たなければ大変なことに…。
現在、対策のための技術開発はさることながら、意識改革が必要な時代になった。

「ミス・ポター」が、一人でも多くの人が環境について考える契機になればいいな~
と願わずにはいられない。

どんど晴れ

2007年04月30日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
「どんど晴れ」岩手ロケにリュ・シウォンさんが登場!
連続テレビ小説「どんど晴れ」にゲスト出演するとのこと。
すでに収録が始まり、岩手県・盛岡市でロケが行われたようです。

たまたま今日テレビを見ていたら、「どんど晴れ」の紹介番組がありました。
リュ・シウォンさんが出ていたのですが、日本語が上手でした。
これから日本語での演技が楽しみですね。

リュ・シウォンさんは、韓国ドラマ「美しい日々」に出演していました。
イ・ビョンホンさんの弟役。
チェ・ジュウさんに恋してふられてしまう役でした。
私はDVDで見ましたが、笑顔の優しい俳優さんだなあ~と思いました。
イ・ビョンホンさんの演技も素晴らしかったのですが、リュ・シウォンさんのさわやかさが心に残りました。
環境に流されずに健気に生きる母親思いの心優しい青年を好演していました。
今回の役どころはどうなのでしょうか。
とても気になります。

「どんど晴れ」は、めでたしめでたしという意味。
岩手の民話の最後に必ずつくのだそうです。
主人公の夏美は、ドラマ初出演で初主役の比嘉愛未さん。
沖縄出身だそうです。舞台は、民話の故郷・岩手県。
遠野物語で有名なところですね。座敷わらしも出てきます。
座敷わらしが夏美と重なるところも意味ありげです。
座敷わらしがでる家は栄えると言われているからです。

主人公の夏美はケーキ屋の娘でパティシエの修業中でしたが、
岩手にある老舗旅館の息子とひょんなことで知り合い、恋してしまうのです。
彼と結婚するためには、おかみにならなければなりません。
家業のパティシエの修業を道半ばでやめて、彼と生きる道を選んだのです。
一人前のおかみになるまでの修業物語です。
1カ月ほどで、この辺までストーリーが進みました。
私は数回しか見ていませんが、面白そうです。
「もてなしの心」について考えさせられます。
元気に頑張る夏美の姿からパワーをたくさんもらえそうです。


※料理の写真は、草津温泉のペンションに泊まった時の夕食の膳です。

「ネバーランド」-信じる力で。

2007年02月18日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
「お母さんを想うと、幸せそうな顔を思い出す。居間で座って芝居を見つめていた、 少年にならない物語。お母さんはネバーランドにいる。君が望む時に訪ねていけるんだ。いつでもいける」
「どうやって?」
「信じる力で。心から信じて」


マーク・フォースター監督、ジョニー・ディップ主演「Finding Neverland」(ファインディング・ネバーランド)。
全米批評家協会作品賞を受賞しています。
昨日、DVDで鑑賞しました。
最終章では、涙があふれて止まりませんでした。

不朽の名作「ピーターパン」。
その原作者、ジェームス・マシュー・バリーが主人公です。
ピーターパンのモデルとなる少年、ピーターとその兄弟たち…。
ロンドンのケンジントン公園で知り合ったのが始まりなのです。
父親を亡くし、心を閉ざした少年ピーター。
彼の家族との交流を描くヒューマンドラマです。
少年の心を失わないジェームスの優しい目線で描かれています。

劇作家のジェームスが、1900年初頭に劇場用として発表した戯曲。
大成功を収め、上演を繰り返し、1912年に彼自らが小説化したということです。

ジェームス役をディップが好演しています。
「シザーハンズ」「ショコラ」も好きな作品ですが、「ネバーランド」も素晴らしい。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」も見たくなりました。
汚れ役のジャック・スパロー…気になります。

少年の母親は「タイタニック」のケイト・ウィンスレット。
4人の男の子の母親役を違和感無く演じています。
また、スポンサー役のダスティーン・ホフマンの存在感がいい。
「ピーターパン」を生み出した秘話を軸にストーリーが展開していきます。
ピーターと彼の家族とジェームスとの触れ合いが、心に温かく響いてきます。

ジェームスが心に秘めている兄の死…少年のころの悲しい出来事…。
少年の頃の悲しみを、ピーターの心に重ねるところは痛々しいほど…。
心の痛みを知るジェームスだからこそ、ピーターの心に寄り添うことができるのです。
夢を持ち続けることの素晴らしさ、信じられることの幸せ-。
意識の持ち方ひとつで明暗を分けるのでしょうか…。



スマスマにチャングム登場?

2007年01月25日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
宮廷女官「チャングムの誓い」で人気を呼んだ、イ・ヨンエさん。
二十二日月曜日のスマスマに出演していました。
料理対決のゲストとして来日されたとのこと。
中居くんの「オーダーは?」に、ヨンエさん「日本料理をお願いします」。
木村・香取くん対稲垣・草薙くんでの勝敗は…。
キムチカツ丼のキムタク組が、シャブシャブの稲垣組に勝ちました。
韓国にもとんかつはあるそうですが、キムチと合わせたのが新鮮だったのでしょう。
どちらも美味しかったので、料理への思いと歓迎の気持ちで決めたとのことでした。

香取くんが、チャングムの扮装(宮廷での衣装)でテーマ曲を熱唱し、大爆笑でした。
草薙くんは、韓国語でおしゃべりしてたのですが、上手でした。
ヨンエさんは、「チャングムの誓い」の撮影のために、宮廷料理を1週間ほど学んだそうです。
料理や医術のことがいろいろ勉強になったと話していました。
「チャングムの誓い」が中高年だけでなく、若い人たちにも人気だったと、ちょっと驚いていました。

ところで、ヨンエさん主演の「親切なクムジャさん」が気になります。
チャングムで出せなかった復讐シーンが見所の、衝撃的な映画のようです。
チャングムとは対極にあるような役柄のクムジャさんを演じているのですが、是非見たいと思っています。
チャングムとクムジャさんをどう演じ分けられたのか…。
とても興味をひかれるところです。
チャングムのイメージにとらわれずに、新しい役どころにチャレンジしたイ・ヨンエさん。
刑務所内で「親切なクムジャさん」と呼ばれていた、汚れ役(?)に挑む姿勢がとても素敵です。
あれだけ人気を呼んだチャングムですから、守りに入るのが普通だと思うのに…。

ヨンエさんは、チャレンジ精神が旺盛なのでしょうね。
大きな女優に成長することでしょう。
期待して見守っていきたいと思いました。




我が心のオルガン

2006年12月31日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
60年代の韓国の農村が舞台です。
ソウルから村の小学校に赴任してきた新米教諭イ・ビョンホンが主人公。
相手役は、彼に恋をしてしまう17歳で小学生のチョン・ドヨン。
そして、彼が想いを寄せる同僚の美しい年上の女性教諭イ・ミヨン。
新米教諭と子ども達が繰り広げる心温まる物語が妙に胸に迫ります。

古き良き日本を思い起こさせるようで、郷愁を誘うのです。
新米教諭、イ・ビョンホンとわんぱくで無邪気な子ども達…。
ほのぼのとしていて、懐かしさを覚えました。
時間もゆったりと流れているのです。

最後に、人生経験の少なさや未熟さを感じ、学校を去っていくイ・ビョンポンですが…。素敵な結末でした。
子どもたちとともに成長することの重要性を説いている作品です。
教諭だけでなく、親にもいえることですが…。
いくつになっても学ぶ姿勢を忘れたくないと思いました。


mokaさんのブログで紹介されていたイ・ビョンホン。
彼が主役の「美しき日々」をみた時、私も声に違和感を感じました。
気になっていたので、日本語吹き替えでない作品を見たいと思っていました。それで、見つけたのが「我が心のオルガン」でした。
DVDで鑑賞したのですが、少し低めの艶のある声でした。
「ああ、やっぱり…」
なぜか、ほっとしました。

時々ですが、韓国の映画やドラマを見るようになりました。
対談などを見ていると、謙虚さを忘れない俳優が多いような気がします。
家族やスタッフ、ファンをとても大事にしているのが伝わってきます。
人間的で、とても素敵だなあと思います。





愛読書①

2006年10月08日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
まだ幼い頃
祖母が、町に出かける日の朝、私に聞いた。
「お土産、何がいい?」
「う~ん、わたし本がいい」
用事を済ませて帰宅した祖母の手には、偉人伝が…。
ハードカバーの結構厚い「紫式部」
さっそく読みはじめる。
面白くてどんどん読み進めていった。
紫式部の幼い頃の話や少女時代、結婚し、源氏物語を書き、
亡くなるまでが記されていた。
「紫式部」はいま、長女の手元に…。

10代の初め頃。
開発事務所に勤務していた叔父(現在は測量事務所を経営)が、世界全集を注文していた。
時々ダブったからと言っては私にプレゼントしてくれた。
毎月一冊ずつ出る本だったと思うが、すでに読んでしまった作家の本だったのかもしれない。
ハードカバーでケース入り、重量感のある本だった。
スタンダールの「赤と黒」もあった。
フランス文学にあこがれた時期…

10代後半。
父親との確執に苦しむ日々が続いていた
気力が失せていた頃だった。
群集の中の孤独を痛感し、虚無感に襲われていた
そんな時だったろうか。
ラジオでディスクジョッキーの落合恵子さん(私の記憶では)の声に惹きつけられた。
モンゴメリー著「赤毛のアン」の話をしていた。
彼女が読んで元気になった本を紹介していたのだ。
興味を持ち、本屋へ。
「赤毛のアン」を見つけてさっそく購入。
夢中で読んだ。
アンシリーズを次々に読み進めていくうち…
少しずつ元気を取り戻していった

アンシリーズを読み終えた頃には、本が大好きになっていた。
最初は、辛い現実からの逃避だったのだが、
次第に文学の世界への関心へと移っていった。
本を読みたくて書店でアルバイトをしたこともあった。
新刊本だけでなく、古本も買った。
神田の古本屋が好きで何度も足を運んだ。
文学全集、単行本、美術書など…気に入った本を見つける楽しさがあった。
神田の古本屋で出合った芹沢光治良著「人間の運命」。
14巻まとめて購入し、夢中で読んだ。
「巴里に死す」や随筆も読んだ。
この頃から、大河小説など長編に魅力を感じるように

一時期、芥川賞が発表されると、文藝春秋を必ず購入して受賞作品を読んでいたことも…。
文藝春秋は引越しの時に処分してしまったが、捨てなければ良かったと思う




心に響くドラマ

2006年09月29日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
高原へいらっしゃい」も好きなドラマでした。
山田太一脚本・田宮二郎主演。
由美かおる、三田佳子、尾藤イサオ、北林谷栄、益田喜頓、池波志乃…と有名な役者さんぞろいでした。
元一流ホテルの支配人・田宮二郎演じる面川を中心に、八ケ岳の廃れたホテル「八ケ岳高原ホテル」を再建させる物語。
再放送だったのでしょうか、「うわあ、若い!」そう思ったことを覚えています。

佐藤浩一主演、井川遥、菅原文太、余貴美子、堀内健…によるリメーク版も見ました。
こちらの方が、どちらかといえば私の好みでした。


自然が美しい「八ケ岳高原ヒュッテ」が舞台として使われました。
昭和43年に東京目白からこの地に移築され、翌年ホテルとして営業開始。
昭和51年には、テレビドラマ「高原へいらっしゃい」(田宮二郎主演)がスタート。

この「八ケ岳高原ヒュッテ」は、尾張徳川家19代当主で元公爵徳川義親氏の邸宅だったそうです。
イギリス中世のチューダー様式で、昭和9年の建築。
上野東京帝室博物館(現東京国立博物館)や銀座和光などを手掛けた渡辺仁氏(1887~1973)による設計。

ドラマの舞台になった「八ケ岳高原ヒュッテ」は、現在レストランとして開業。
ゴールデンウイークと夏季のみの営業だそうです。
八ケ岳高原ロッジに宿泊可能だということなので、出かけたくなりました。
ドラマの舞台を旅するのも楽しそうですから…。







もう一度みたいドラマ

2006年09月25日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
思い出に残っているドラマは、「僕と彼女の生きる道」です。
それから、もうひとつ。
随分前に放映されたドラマですが、いまだに忘れられない作品があります。
今井美紀さんが主役でした。花屋を営んでいる庶民的な家の娘で、OLでした。
今井さんの相手役は石橋稜さん。なんとも素敵だったのです。
石橋さんは任侠映画などハード系の役が多いのですが、
このドラマでは九州出身の懐の大きな魅力的な役柄でした。
確か、上司か取引先の人か、仕事関係での知り合いだったと思います。
二人は、だんだん惹かれあうようになるのですが…。
二人の恋を阻む大きな権力の存在、両親は娘の幸せを願うものの…。
困難を乗り越えて、最後はハッピーエンド。

石橋さんの、あの包み込むような笑顔が大好きでした。
あの笑顔に会いたくて、数年前にビデオショップにも行ったのです。
でも、題名が分からないので見つけられませんでした。

あのドラマで石橋さんが演じた青年が忘れられません。
もう一度、あの太陽のような温かな笑顔に会いたいです。
ご存知の方がいらしたら教えてくださいませんか?

SMAPの香取くん

2006年09月23日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
光文社から10月、SMAPの慎吾ちゃんがコメント付き写真集「SNAP NO SINGO」を出すと言う。
本人のコメント付きで、一日一枚の写真。
日本語のほか、英語と韓国語も出版。英語は、スマステで身に付けた慎吾くんが担当し、韓国語は草薙くんだ。
草薙くん、韓国語上手いものね。
素顔の慎吾ちゃんの1年間ということだが、どんな仕上がりなのだろう。
SMAPの中では、昔から慎吾ちゃんが一番好きだったからちょっと気になる。


長女は、ベトナムへ旅をしてから、ベトナムがますます好きになった。
数日前、彼女はビデオ「ドク」を借りてきた。
慎吾ちゃんが、ベトナムの青年を演じていたテレビドラマ…。
とんねるずの木梨さんと結婚する前の、安田成美さんが相手役。
いいコンビネーションだった。
我が家では家族全員が「ドク」のファンで、毎週楽しみに見ていた。

ビデオを見た長女は「面白い。続きも見たい」。
「面白いよ。もっと見たい」と昨日見たという二女もいう。
小さい時だったので、よく覚えていないらしく、新鮮なのだろう。
私は、まだそのビデオを見てない。
チョット翳りのあるピュアなベトナム青年ドクが好きだった。
慎吾ちゃんのドクがまた、良かった。
ビデオ見ようかな~と思っている。

海のふた

2006年09月14日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
よしもとばななさんの「海のふた」(中公文庫)。
娘が買った本ですが、娘より先に読んでしまった。
キッチン、つぐみ、サンクチュアリ、白河夜船、ハチ公の最後の恋人など結構読んでいた。
けれども、海のふたは今までにない人間的な温かさと深さが感じられた。
結婚し、出産も体験したばななさん。
母親になられて強さと優しさ、なにより大きな愛が作品に反映されているよう…。
親になって初めて理解できる、両親の深い愛や自分を育んでくれた故郷の自然と隣人たちへの思い…。
愛にあふれた作品「海のふた」。心が温かくなる作品だった。


海も山も人も廃れてしまった、ふるさと西伊豆の小さな町。
東京の美大を卒業した私(主人公の女の子・まり)は、大好きなかき氷屋を始める。
ささやかな夢とふるさとへの思いを胸に…。
親友の娘、はじめちゃんをひと夏預かることになった、と母に言われた私。
最初、迷惑がっていたが、はじめちゃんとかかわりあう中で、次第に友情を深めていく。
大切な人(祖母)を亡くして、悲しみにくれるはじめちゃん。
相続問題で醜い争いが渦巻く家から逃れさせるために私の実家に来たのだった。
はじめちゃんは、顔に火傷を持つ女の子なのだ。
まっすぐで繊細な魂を持つはじめちゃんと、ふるさとへの強い愛を持つまりちゃん…。
自分らしい生き方を探す二人の女の子たち
彼女たちから伝わる、未来を担う若者たちへのメッセージ…。
現代世相を浮き彫りにしながら、さりげなく根源的な問題に迫る小説。

収録されている挿絵二十六点は、版画家の名嘉睦稔(なかぼくねん)さんの作品
彩色が美しい挿絵が、小説をより味わい深くしている。

千の風になって-CDブック

2006年09月03日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
「千の風になって」
a thousand winds

日本語訳・作曲・歌唱ともの新井満さんによるものです。
時々、ページをめくり、聞きたくなります。


今日の風は、
ブルー味をおびたグリーンのよう…。
涼しく吹き渡っていました。

わが家は「夏の家」といった感じの家。
玄関と居間が吹き抜けなので明るいのです。

明り取りのガラスが多く、開け放すととても涼しい。
夏の時季は結構涼しく過ごせます。


じっと耳をすまして…
懐かしい声が聞こえてくるような…
そんな一日でした。



アフリカリミックス

2006年08月20日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)
多様なるアフリカの現代美術展「アフリカリミックス」を見てきました。
東京・六本木ヒルズ森タワー52階の森美術館で8月31日まで開催。
25カ国84人のアーチストによる絵画、彫刻、インスタレーション、写真、ビデオ、デザイン家具など約140点を展示。
リミックスの意味は、音楽用語で複数の音声をつなぎ合わせて効果的な演出を行うことだそう。
国内外初となる大規模なスケールの展覧会です。
さまざまなジャンルの多彩な作品が響き合う感じで楽しかった。

私の好きな作品は少なかったけれど、十分堪能できました。
日本の80倍もの面積に、さまざまな風土、気候、文化、民族、言語の国があるアフリカ。
いろいろなアフリカの顔があり、面白かった~。
多様化するアフリカを感じてきました。


写真は、銃などの金属の部品で作った人物(兵士or警官?)と犬の立体作品。
会場入り口のエスカレーター前に展示。


スイカの たね

2006年08月15日 | アート(本 美術 映画 音楽etc)

ひとつぶの 
スイカの たね

だれの じゃまにも ならないように

うちゅうを
こんなに 小さく くりぬいて
ここに おらせて もらっている
あの あまい
あの まっかな
あの でっかい
あすの スイカたちの
とうも じゅうごも 二じゅうもの
うずまく いのちを むねに

しあわせそうに
ひっそりと

うらがえせば
ただ うらがえされたまま



まど・みちお詩集から「スイカの たね」

夏といえば、スイカです。
思い出の中のスイカとともに、たくさんの人たちの顔が浮かびます。
子どもの頃、海辺にある親戚に遊びに行って食べたスイカの味。
叔父がスイカ畑から採ってきてくれたもので、鮮度バツグンでした。
高校の時の部活(テニス)の夏合宿では、卒業した先輩からの大きなスイカの差し入れで
炎天下での練習のあと、皆で食べたギンギンに冷えたスイカは最高でした。
縁側で両親、祖母、伯母たちとみんなで食べたスイカの味も忘れられません。

地球のような丸いスイカ。
最近は、四角く育てたスイカもあるようです。
値段もべらぼうに高く、イベント用だとか…。
でも、スイカはやっぱり、地球の形がいちばんかな?