「泊まりがけは17年ぶりの新潟遠征 #1-2」のつづきです。
新潟県立万代島美術館での「JUNKO KOSHINO コシノジュンコ 原点から現点」展の後半は、こちらから。
2011年2月からちょうど1年間に渡って開催された「THE TOUR OF MISIA JAPAN SOUL QUEST」のステージ写真です。
そして、そのときのコシノジュンコさんによるMISIAのステージ衣装 4点が展示されていました。
あのツアーでの衣装の中で私一番のお気に入り
だった迷彩柄スカートも展示されていました。
スカートの生地がファスナーで縁取られていたなんて知りませんでした
ただ、レザー(?)がカピカピに劣化して、ひび割れが目立っていたのが残念
もう13年経ったとはいえ、皮革クリームとかで定期的に手入れしていれば、こうはならなかったんじゃなかろうか
まぁ、メロンパンダにされなかっただけでもマシですけど…
そうそう、黒いスパンコールを多用した衣装も、スカートが凝っていました。
ヒダヒダのフチにキラキラ
輝く布テープが縫い付けられています。
こうなっていたなんて、ライヴではもちろん、ディスクで見ても気づきませんでした。
こうして間近
に、しかも、ガラスを隔てずにMISIAの衣装を拝見する機会はそうそうありませんから、貴重な体験をさせていただきました。
ここいらでMISIAコーナーを離れまして、こちらの山葡萄の蔓を素材にした「ビスチェとスカート」も面白かった
「福島県の伝統工芸とのコラボレーション」だそうですが、これが国立民族学博物館あたりに展示されていたら、「原住民の魚採りの仕掛け」に見えないこともない
また、「天衣無縫をテーマにネオプレーン素材で作られたドレス」という「Spike Dress」は、「THE TOUR OF MISIA JAPAN SOUL QUEST」でダンサーさんたちが似た雰囲気のトゲトゲした衣装を着用していましたけれど、トゲの感じがどことなく岡本太郎っぽい…
岡本太郎記念館の庭にある釣り鐘と似てませんか?
「SPIKE DRESS」は、ここまでの展示と趣を変えて、ちょっと攻撃的な雰囲気だな と思ったら、隣の展示室はもっと攻撃的
でした
和太鼓のパフォーマンス集団「DRUM TAO」の「現代甲冑」(2018年)の衣装だそうで、なんとなく映画「マッドマックス」っぽくて、こんな衣装の集団が近づいてきたら後ずさりしそうです
そして、最後の展示室「JAPONISM 能・琳派」に入ると、おもわず「おわぁ」と声が漏れました
ファッションショーのランウェイを闊歩するモデルさんたちを髣髴とさせるように、独創的な衣装がズラリと一列に並んでいます
説明書きによると、
コシノジュンコは、琳派 400年記念祭の呼びかけ人として、河野元昭、高階秀爾、辻惟雄、羽賀徹とともに活動してきた。2015年には、京都国立博物館 平成知新館で特別展覧会「琳派誕生 400年記念 琳派 京を彩る」が開催され、そのオープニングイベントとして、コシノは「能とモード」をテーマにファッションショーを行った。静謐な空間に能のお囃子の生演奏が流れ、能の演目「風神雷神」でショーは始まった。すり足で歩くモデルたちは京都の西陣織や、江戸時代の小袖をイメージしたKIMONOドレス、蒔絵をイメージしデザインされた羽織をまとい独自の世界を披露した。
とのこと。
うわぁ~、このオープニングイベントを生で観られた人たちがうらやまし過ぎます
でも、素晴らしい衣装たちを、間近にガン見できるのは、この展覧会ならではでもあります
離れて見ても素晴らしいけれど、至近から見ると、素材感が感じられて、感性をビンビン刺激
されるのですよ。
このドレスなんか、銀糸で刺繍しているのではなく、銀糸を織り込んでいるんですぞ
でも、銀は、光琳の「紅白梅図屏風」の川と流水文のように、経年変化で黒く変色するんだけど(参考サイト)、この衣装も年月が経てば、黒一色に見えるようになってしまうんじゃないかな??
それにしても、「伝統」や「和」を感じさせつつも、素材や色づかいが「現代
」なのが凄い
そして、衣装に負けじ と、ヘアスタイルも自由自在で楽しい
ったらありゃしない
そしてそして、「ランウェイ」のトリを背後から見ると、、、、
おぉ、「琳派の祖」俵屋宗達が本阿弥光悦とコラボした「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」がモチーフになってる
ちょっと寄り道。
25日の「MISIA星空のライヴXII」新潟公演2日目にMISIAが語ったところによると、MISIAはこの展覧会を、25日のライヴ前に、一般客に交じって鑑賞したそうな。
MISIAのステージ衣装を観ているところに、MISIAご本人が現れたらびっくりするよねぇ。うらやましいゾ
さて、「JAPONISM 能・琳派」コーナーの説明書きに、
能の演目「風神雷神」でショーは始まった。
とありました。
「琳派誕生 400年記念」のイベントですから、宗達⇒光琳⇒抱一⇒其一と描き継がれた「風神雷神」は欠かせませんもの (下の写真は、私がトーハクで観た光琳の作品)
そんなわけで、このコーナーの「トリ」かつこの展覧会の「大トリ」を担ったのは、能「風神雷神」を始めとする能の衣装でした。
でも、センターを務めていたのは「紅葉狩 鬼揃(おにそろえ)」の衣装
また、「観世能楽堂で開催された『能 + ファッション』のショーに合わせて制作」という衣装「観世三郎太 衣装」は、ヒーローものの悪役みたい
こうして、大満足のうちにコシノジュンコ展の鑑賞は終了しました。
この展覧会を見終わって思ったのは、「やはり『生』に勝るものは無い」ということ。
写真で見ただけでは、あの素材感を感じるのは難しいとおもったのですよ。
いやはや楽しかった
これ以降のことは「ダイジェスト」と「#M」で書きましたので、新潟遠征初日の旅行記はコレまで
つづき:2024/03/02 泊まりがけは17年ぶりの新潟遠征 #2-1