「予想以上に見応えのあった『栄西と建仁寺』展」の後編です。
特別展「栄西と建仁寺」を観ているうち、途中で退屈しかかった
私でしたが、「第4章 建仁寺ゆかりの名宝」では、ほげぇ~
状態に
さすがは古刹・建仁寺、持っていらっしゃいます
「お持ち帰り」したいお宝が目白押しでした
まず惹かれたのは、香炉・花立て・燭台のセット「三具足」。
17世紀(安土桃山~江戸時代)の作品だそうですが、燭台を支える獅子がかわいい
相国寺で見かけた石灯籠と相通ずるものを感じました。
写真
でお伝えできないのが残念です
(図録
を買わなかったもので…)。
大きさも手頃(あまり意味がないけれど)でしたし、この燭台が一番「お持ち帰り」したい作品でした
この他、海北友松、長谷川等伯、狩野山雪、白陰慧鶴、曽我蕭白、長沢盧雪、伊藤若冲、仁阿弥道八と、金看板が勢揃い
この中では、長谷川等伯の作品がイマイチで、どうしたんだよ
とハッパ
をかけたくなりましたが、その他の皆さんの作品は逸品
ぞろい
若冲の「雪梅雄鶏図」は、いかにも若冲 でしたし、
盧雪の「牧童吹笛図」も、いかにも盧雪
でした
「筆の代わりに指を使った」という「牧童吹笛図」は、そのタッチたるや
、ポストカード
からスキャンした画像では全然伝わらないのが辛い
若冲の「雪梅雄鶏図」も同様で、現物のニワトリは、威風堂々、生気に満ちていました
こればかりは、生でご覧いただくしかありません。
このほか、友松の「人物花鳥押絵貼屏風」は、とりわけ第5扇が素晴らしかったし、蕭白の「山水図」も良かったぁ~
これまた画像が無いのが残念でなりません
ということで、最後はやはり宗達の「風神雷神図屏風」
凄い… としか言いようがありません。
何でしょう、この躍動感、このオリジナリティ
日本美術を代表する作品の一つであることは間違いありません
雷神も風神も、フレーム(屏風)からはみ出している構図なんて、まるで風神雷神がやって来たその時のスナップショット
のようです。
一生に一度はご覧になることをお薦めします
ところで、どうして「雷神風神図屏風」ではなく「風神雷神図屏風」なのでしょうか?
私なんか、「左隻の雷神⇒右隻の風神」の順番に観てしまいますから、「雷神風神図屏風」の方がしっくりくるのですが、これは横書きを「左から右」に読むことに慣れているから?
昔の人は「右から左」に観た(読んだ)のでしょうか?
そういえば、古い篇額は「右から左」のものが多いですなぁ…
ちなみに、日本武道館の篇額(正力松太郎筆らしい)も「右から左」ですな。
ちょいと話がズレましたが、この機会に、是非、宗達の「風神雷神図屏風」をご覧くださいませ
4月8日からは、東博所蔵の光琳の「風神雷神図屏風」も本館2階で展示されるそうですから、見比べてみるのも楽しいかもしれません。