「名古屋旅行記(その8)」のつづきは実家からお送りします。
東京モーターショーでは完成車メーカーの展示より部品メーカー
の展示の方に魅力
を感じてしまう私でございまして、フツーの見学者
とはちょいと視点
が違うかもしれませんので、その辺はご容赦を
さて、
大きな体育館に自動車工場がまるごと入った感じの展示場には、「自動車のしくみと構成部品」「自動車技術」「生産技術」について幅広く展示しています。
という展示場で一番面白いと思ったのはこちらの「風景」
でした。
「挙母工場時代の生産技術」のコーナーです。「挙母」にピンと来ない方
は、こちらの記事をご一読くださいませ。
さて、業界用語で「トリム工程」と呼ばれる内装組み付けラインの横で、女性従業員がシンガーミシンを使ってシートを縫っています。
こういったシーンは、現代の自動車工場で見ることはまずありませんな(超高級車メーカーを除く)。
また、一世を風靡したツインカム・ツインターボエンジン「1G-GTE」の
「YAMAHA」のロゴ(このエンジンはヤマハ発動機製)とか、
試作だけで終わったというロータリーエンジンのカットモデルなんぞも、
なかなかお目にかかれない逸品です
一部に、「電気自動車(EV)はガソリンエンジン車に比べて部品点数が少ないし、構造も簡単だから、新規参入が比較的簡単」だとする見方があるようです。
確かに、ガソリンエンジン車と異なり、EVにはエンジンがない(モーターが取って代わる)し、トランスミッションも不要です。
しかし、複雑な機構を持った主要部品が不要だからといって「新規参入が比較的簡単」として、ドバーッと新規メーカーが乱入してきて、既存の自動車メーカーの存続を脅かす
と考えるのはいかがなものでしょうか?
ぽっと出のメーカーに、サスペンション機構を設計・量産できますか?
軽量かつ高剛性のボディを設計・量産できますか?
自動車って、「電気自動車(EV)はガソリンエンジン車に比べて部品点数が少ないし、構造も簡単だから、新規参入が比較的簡単」などと「知ったか」する一部の評論家や学者先生
が考えているほど薄っぺらな機械ではないと、私は思うのですが…
トヨタ産業技術記念館には、中国語を話す若者の一団が見学に訪れていました。
中国を抜きに自動車の販売・生産を語れない時代になりましたが、そんな「自動車大国
」からやって来た彼らがどんな印象を持ったのか、聞いてみたい気がしました。
つづき:2015/05/13 名古屋旅行記(その10)