「忘れた頃に年末の愛知旅行記を再開(その3)」のつづきです。
これだけ時代物の建物がキレイに移築・保存されている明治村、当然のようにドラマや映画
の撮影にはもってこいです。
明治村のサイトを見ると、明治村でロケしたTVドラマ・映画が、あるはあるは…
とりわけ、NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」は、
こりゃ、ロケ地というよりも、明治村が撮影所だったのではないかと思うほどです。
こちらで書いたように、私は「坂の上の雲」を全編録画していますので、見直したいと思っていますが、リストを見るだけで「あぁ
、あのシーン
」と思う建物あり、「う~む…
」となる建物ありです。
で、リストを見ると、4丁目にある建物が多いような…
「その3」で紹介した「日本赤十字社中央病院病棟」「名古屋衛戍病院」のほか、「本郷喜之床」、「呉服座」、「第四高等学校武術道場『無声堂』」も4丁目にあります。
実際、リストに載っている14ヶ所のロケ地のうち、5ヶ所が4丁目ですから、確かに4丁目の建物が使われた比率は高いと言えるでしょう。
そんなわけで、ここでは「坂の上の雲」で使われた4丁目の建物を紹介しましょう。
まず「本郷喜之床」。
東京の本郷弓町2丁目にあったこの建物は、二階の2間に1909(明治42)年から約2年間にわたって石川啄木一家(本人、母、妻、娘)が間借りしていたという由緒あるもの。
ところが、1910年に生まれた長男が夭逝したばかりか、
その頃から母も妻も啄木も結核性の病気になり、二階の上り下りも苦しくなって明治44年8月7日小石川久堅町の小さな平家建の家に移った。
だそうな。
「二階の上り下りも苦しくなって」なんて…
当時の結核(労咳)は不治の病、
明治45年3月7日にはそこで母かつが死に、翌4月13日には啄木もまた母の後を追うように27歳
の薄倖の生涯を閉じたのである。
だとか…
言葉を失います…
ちなみに「喜之床」のあった場所は春日通りの拡幅工事で道路になってしまいましたが、現地では、現在も「喜之床」は「理容 アライ」に名前を変えて営業中だとか。
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それにしても、「喜之床」が、関東大震災も東京大空襲をもくぐり抜けて1978(昭和53)年まで本郷の地に立っていて、それを今、明治村で見ることができるというのは奇跡かもしれません
閑話休題、私が学生のとき、経済学史の試験で「ミルについて論ぜよ」という問題が出されました。
試験後、私の友人曰く、
全然回答できなかったので、歌を一首書いた。
つめこめど
つめこめど 猶わが頭良くならざり
ぢっと手をミル
「ミル」と「見る」をかけたわけですが、大喜利ならともかく、大学の試験では荷が重いかと…
次は、芝居小屋「呉服座」。
もとは大阪府池田市の「西本町猪名川の川岸」にあったというこの芝居小屋、「ごふくざ」ではなく「くれはざ」と読むようです。読めませんな…
内部はこんな感じ。
客席と舞台が近くてイイ感じ (演目は勧進帳?)
4丁目から最後に紹介するのは「第四高等学校武術道場『無声堂』」です。
名前のとおり金沢にあった第四高等学校の武道場なんですが、この建物、私好みです。
有無を言わさない簡素さと安定感が良いです~
内部には、畳敷きの柔道場と、板張りの剣道場、そして弓道場(の射場)がありました。
「坂の上の雲」はこちらの柔道場で収録されてという説明板
がありました。
一方の剣道場はこちら
見た目、柔道場と剣道場とは畳の有無の違いしかないようですが、ガイドブックによれば、
柔道場では床の弾力を増すため床下にスプリングを入れ、剣道場は音の反響を良くするため床下に共鳴用の溝を掘っている。
のだそうな。
おぉ、芸が細かい
おっと、弓道場も紹介しておかないと (私、大学1年の時の体育実技が弓道でした
)
それにしても、どうにして私はこれほど「第四高等学校武術道場『無声堂』」惹かれるのでしょうか?
よく判らないうちに、3丁目に進みましょう
つづき:2014/02/14 忘れた頃に年末の愛知旅行記を再開(その5)